~熱風の果て~

観劇の記録

白きレジスタンス(私立ルドビコ女学院)@シアターグリーンBIG TREE THEATER

【脚本・演出】桜木さやか

【出演】あわつまい、西本りみ、中村裕香里、星守紗凪、安藤遥、白河優菜、緒方ありさ、さいとう雅子、広沢麻衣、藤堂美結、七海とろろ、遠野ひかる、長橋有沙、手島沙樹、小菅怜衣、仲野りおん、河合柚花、沖あすか、木村若菜、内多優、酒井栞、嘉陽愛子
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昨年3月の「シュベスターの誓い」以来、シュベスターシリーズに新たな展開を見せることとなった本舞台。学園を舞台とした陰謀は、よりはっきりとその姿を見せるようになるが、どこまで深く、大きいのか。混迷の度を増していく。
テンプルレギオンとして華麗に活躍するおなじみのメンバーから、落ちこぼれ組の1年生まで、それぞれが悩み、落ち込み、乗り越えようとする姿を余すところなく描き出す。シリーズものだからこそ可能な、群像劇としての完成度の高さ。もっとも、聖恋と来夢との強い絆を考えると、そこに揺らぎを与えるのであれば、そのきっかけとなるような伏線を敷いておくべきところ。その辺りは、2時間の中に要素を詰め込みすぎたがために、個々のエピソードが十分に描き切れていない憾みもあった。個人的には、落ちこぼれ組への共感が高くなる。少しでも役に立てるように、足を引っ張らないようにと取った行動が裏目に出たり、それでも必死に一歩でも進もうと努力したり。覚醒と慢心、そして挫折から和解の一連のエピソードは見応えがあった。
次の展開が非常に気になるところだが、見られるのは早くても1年後。まぁこさんのクララを見ることができるのは今作が最後となったように、完結する頃には、メインキャストの多くが入れ替わっているのかもしれない。それでも演者やキャラクターの魂や思いを受け継ぎながら、リリィたちの戦いは続いていく。
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