~熱風の果て~

観劇の記録

ROMEO and JULIET~Reverse~(ベニバラ兎団)@サンモールスタジオ

【演出】IZAM【脚本】川尻恵太

【出演】竹内麻美、新川悠帆、井上翔、飯田南織、宝生あやほ、有明ゆな、戸田真紀子、川畑早紀、齋藤桃子、緒方夏生、浅井潮、せぐちえりな、黒木綾、三浦孔美、藤松有希、豊川久仁、鈴野まみ
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ロミジュリ的な設定が織り交ぜられた「バック島」を昼に上野で観劇した後、ベニバラ的「新説」と銘打たれた「ロミジュリR」を見るためにサンモールスタジオへ。いまだに原作を読んだことがなかったので、できれば観劇前に読んでおきたいと思い、文庫を購入したが、有名な「あなたはどうして~」の辺りまでで観劇の時間に。意外と露骨な下ネタが多いんだな・・・
オープニングからミニスカポリスが登場して踊り出したり、老婆が車を運転したり。さらに、両家やロミジュリの設定も原作とは異なっていたり、男女逆転キャスティングが一部で行われて当日パンフレットにはわざわざ登場人物の性別が記されていたりと、舞台らしい融通無碍な設定が大胆に織り込まれていた。小ネタ、駄洒落の類も、客席から笑いが漏れるものから、ほとんど反応されないものまで、構わずに次々と繰り出されるのもベニバラ流。そして、これらが作品を崩壊させずに、作品の心棒がしっかりと立っていて揺らがないのもまたベニバラ流だ。
ロミオ役の竹内麻美さんは、瓜実顔につぶらな瞳、額を広く出して髪を後ろに結び垂らした姿は牛若丸かと思うほどの美少年ぶり。世の中に疑問を感じ、偽悪的に振る舞い、真実の恋を知る、繊細で純粋な少年ロミオ役がはまっていた。ジュリエット役の新川悠帆さんは、絢爛な衣装に身を包みながら、とげとげしさと、その内に秘めた乙女心の両面を表現。こちらもはまり役だった。
ロミオとジュリエットの物語以上にインパクトがあったのが、孤独なはみ出し者同士のバルサザーとラインハルトの物語。友情を求める寂しい心が結びついた果ての結末には思わず涙が溢れてしまった。観劇でここまで心を揺さぶられたのは久しぶりだった。重たい展開があったからこそ、終盤の歌やダンスが一層華やかに見えた。
小さなサンモールスタジオで見るのが贅沢に感じられるような「ロミジュリR」。本日でようやく折り返しで、明日からは一部の役者さんの役のシャッフルを行って、来週の日曜日まで、2週間にわたるロングラン公演が続く。IZAMさんのゴシップ的記事が出たと思ったら、今度はSHAZNAの再結成というニュースが聞こえてきたが、次回の本公演は10月に予定されているベニバラの活動も続けていってほしいと思う。
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