~熱風の果て~

観劇の記録

「僕の太陽」公演@AKB48劇場

【出演】相笠萌岩立沙穂梅田綾乃大森美優岡田彩花岡田奈々北澤早紀小嶋真子佐々木優佳里篠崎彩奈西野未姫橋本耀前田美月峯岸みなみ村山彩希茂木忍
2年ぶりに東京に吹いた春一番。3月に南風にあおられると自然と浮かんでくるのがB4の「春一番が吹く頃」。そしてこの曲を思い出すと、なぜかCinDyの顔がいちばん先に浮かんでくる。
みぃちゃん出演の研究生公演には初入場。彼女のことを見たらマイナスの感情が顔を出して、自己嫌悪に陥るような行動をとってしまうかもしれない、という不安を覚えつつだったが、それは取り越し苦労。痛々しい背景をステージに持ち込むことなく、激しい化学反応を起こすこともなく、研究生公演の一員としての役割を果たしていて安心した。前田さんは上から美月で、茂木ちゃんはftmmネタで早くもいじってるし。研究生たちのパフォーマンス面での成長も大きい。これが半年前だったら、みぃちゃんが相当目立っていたことだろう。それでも、曲中の繊細な表現には彼女に一日の長がある。「デジャビュ」で頬を緩めるような表情をつくるのは、他の研究生にはまだできない芸当だ。化粧時間の短さに研究生たちのフレッシュさを感じたというようなことも言っていたが、彼女も外見だけをとればまだ十分フレッシュだった。
みぃちゃんのことを見るのはいつ以来かとさかのぼると、何と2010年の年末以来と、想像以上の空白期間だった。その公演には金澤さんも出ていたことを思えば、時は流れたものだ。その金澤さんのことも、「Alice in Deadly School」の再演で、もうじき久しぶりに見ることになりそうだ。再演は、予想通りキャストはほぼ総入れ替え。一方、同時期に行われる「落下ガール」の再演は、主演の重盛さんはじめ、初演のキャストがかなり残るようだが、ともやんぬはどちらにも出ないのか。
自分が触られると「さわんじゃねー」と恫喝するくせに、ゆいりんごの耳をかじりにいくという性癖を暴露されたさっほー。ゆいりんごがその話をすると、岡田ちゃんが暴走して、耳をかじりにいっていた。今日の岡田ちゃんは最初から最後までテンションが高かった。半年前は、ここまで笑顔を振りまけるようになるとは想像できなかった。「Lay Down」は、己が見ている限りはいつも彼女がステージの女王様。本物かと思わせるような凄みはひまわり組でも見た記憶がない。この曲といえばこの人、というイメージが出来上がれば強い。
「向日葵」といえば、己のイメージは、いまだになっつみぃとめーたん。さっほーの「向日葵」を見るのは今日で2回目のはずだが、前回は柱でほぼ見えていなかったと記憶しているので、実質初見かも。「アイドルなんて」よりもこちらの方がお似合い。意識的に無表情になる瞬間をつくって、そこから一気に笑顔にもっていくような向日葵さっほーの表現が好きだ。
「ヒグラシノコイ」は茂木ちゃんとゆかるん・・・と思いながら白ひぐらしを目で追っていたら、しばらくしてやっとゆいりんごだと気がついた。彼女自身が言うように以前より痩せて髪が伸びて、プロフィール画像とイメージが違ってきているから、と言い訳してみる。変態キャラがためらいがちに開花しつつある茂木ちゃんは、この曲のようなもの静かな美少女路線もいける。とはいえ、ステージ上で変顔がとっさにできるくらいには変態路線でも突っ走ってほしいとも思う。茂木ちゃんのないものねだりで女子力の話が出たときに、じゃあ誰が女子力があるのかというところで名前が挙がったのがさっきー。しかしその理由が絆創膏や薬をたくさん持ち歩いているから・・・というのは、下手すると危険な人に間違えられてしまいそうだ。
ゆいりんごと見間違えてしまったゆかるんのテンションの高さも目立っていた。客席を自分のテンションに追いつかせようと煽りを入れ、中盤でも客席の気合を入れなおすという、彼女らしくもないはじけ方。これもまた成長。一方で地球の来し方行く末に思いを馳せるという哲学的な一面も持つ彼女。己も最近、将来太陽が赤色巨星となって地球の公転軌道に迫ったときの地球の運命が気になっていたところだったので、シンパシーを感じた。
14期生の中ではやはり丸顔低身長コンボのぴっかりんがお気に入り。研究生の中では、熱いパフォーマンスという点では一、二を争う。愛嬌のある大きな口も武器だが、それ以上に目を引くのが動きが大きくて綺麗なところ。次の動作に入る前に、マイナス側に少し引いた後でプラス側に転じてぴたりと止まる。「愛しさのdefense」では自身の強みを大いに生かしていると思う。
西野さんがMCで服を「まえうしろ」に着て恥ずかしかったという話をしたときに、己はすぐに「うーし、うーし、うしろまえっ」と心の中で歌いだしたものだが、「まえうしろ」に誰も突っ込まなかったところを見ると、研究生は「おでかけ!」は見ていないのか。
アンコール後は、ニューシングルの「So long」。「BINGO」から「僕の太陽」の流れで爽快な高揚感で終わるのがこのセットリストの魅力だが、そこからクールダウンが入るのも流れとしては綺麗。まだ劇場盤CDを開封していなかったので、CMで流れている曲というイメージが強く、サビ以外を聴いたのは初めて。耳ざわりがよく、しかも耳に残る佳曲だった。