~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームA)

【出演】岩佐美咲多田愛佳大家志津香片山陽加倉持明日香指原莉乃篠田麻里子高城亜樹高橋みなみ永尾まりや仲川遥香中田ちさと仲谷明香前田敦子前田亜美松原夏海
個人的に今年ラストのA公演への参戦となったであろう今日の公演は、さっしーの18歳の誕生祝。加入当初はU15としてPurePureの名鑑にも掲載されたことを思い出せば早い。MCでは太鼓もちに徹しつつ輪の中心を占めるさっしーは、チームAのMCパートでは大黒柱といっても差し支えない。メンバーみんながさっしーのことを頼りにしている今の状況で、彼女が個性を際立たせつつあるのは当然の報酬だ。さっしーといえば、仲間思いでとかく号泣することが多い感激屋。しかし、自分が主役になったときの感情の表現には戸惑いがちで、しーちゃんの手作りケーキにも、溢れるものがあったくらいだった。
さっしーの今年の目標は「たかみな」と呼ぶということだったとかで、たかみなから促されて「たかっ・・・みな」と不規則音を発したさっしーの姿には、美香ちぃの「ぐっさん・・・さん」を思い出してしまった。「○○ちゃん」「○○○ん」に比べると、「たかみな」や「こじはる」は呼び捨てのようなものなので、いかにたかみなが親しみやすいキャラクターといえども、後輩には高いハードルだろう。しかし、たかみなの自室が余りに汚くて新種の銀色の虫が湧いているという話は親しみやすさを遥かに通り越して、メンバーからドン引きされてしまっていた。
休演のこじはるの代役には永尾さん。己が見た範囲では全曲に出演していたはず。眼光の鋭さでは9期生の中ではいちばんで、惹き付けるものがある。代役出演を見るのはまだ2回目ながらも、「目撃者」公演をイメージするときには、彼女の姿が真っ先に頭に浮かんでくることが多い。
わさみんのユニットは、これまでの中ではいちばん自然な笑顔が出ていた。ゆったりとした「☆の向こう側」を打楽器的に演じるというのが、わさみんの個性かもしれないと思った。
CDで聴くと良曲が多いA6公演。今日で4回目の公演参加だったが、アウェイ感というか、刺さらない感じからはどうにも逃れられない。細切れの公演スケジュールで、いつ劇場に行けるかも分からないでは、もはや連続する「次」を前提に公演を楽しむということができない。加えて、メディアで活躍するメンバーが劇場に立って求めるものが何かということに答えを導くことができなくなっていては、己が今日の公演から思ったような高揚感を得ることができなかったのもまた仕方がない。ふと公演への向き合い方に疑問や矛盾を感じてしまった。
自らを欺きながら隠しとおすことができているのか、求めるものが残っているのか、幸いにしてまだこのような思考の陥穽に堕とされたことのないチームK公演には、まだ己の居場所があるだろうか。
「Beginner」握手会では、禁を破って優子たむに各日1回ずつ会ってきたが、劇場ではまたもすれ違い。この先、彼女を劇場公演で見るのは、多く見積もっても両手で数えられるくらいだろう。公演で満たされないものが握手会で満たされることもないということは分かっているつもりだったが、今回は、「集大成」とばかりに、Kメン中心に、これまででいちばん多くの握手券を消費してしまった。秋Pがかつて言った「テレビは消耗する」という虚言を引けば、「握手会は消耗する」のは確かだが、今回の握手会は、萌乃たんと多少なりとも話す時間を持てたのがいちばんの収穫だった。舞台の感想を言うことを想定して買っていたともちゃん、まりやんぬ、れいにゃんとの初握手にも、それぞれ新しい発見があった。結局、集大成と言いつつ、「チャンスの順番」握手会も買っているのだからやはり握手会はタチが悪い。