~熱風の果て~

観劇の記録

「希望的リフレイン」発売記念大握手会&サイン会

サイン会につられて買っていた、現時点で最後の握手券を使うために、いつぞやのレッズフェスタ以来2回目の入場となるSSAへ。開発がはじまってもう相当経つ新都心周辺は、東側も西側もまだ開発中のところが残っている。中途半端な賑わいを見ると、埼スタ新都心につくるわけにはいかなかったものかと改めて思う。
SSA入口の「AKB48握手会」の文字を見て、そうかと気づく。さっほーとさっきーに会いに来たという意識はあっても、AKBのイベントに来たという意識が看板を見るまでまるでなかったということに我ながら驚く。サイン会は、全員漏れなくだった「神曲たち」以来。そのときサインをもらったメンバーは、岩佐美咲松原夏海梅田彩佳菊地彩香仁藤萌乃という面々。もう何年前のことかも調べなければ分からないくらいになってしまったが、時代が流れたことは確かだ。
件の事件も、己が握手会に行く意欲がなくなったきっかけの一つではある。手荷物検査やフェンスで隔てられた握手も、参加を続けていれば慣れてしまうものなのだろう。
抽選はさっほーもさっきーも3分の1でサインとちょうどよい塩梅。抽選の様子を見ていてもだいたいこのくらいの確率のようだった。「籤を引かない」という選択肢も係員から与えられたが、別に辞退したからと言って運営はスムーズになるかもしれないが、他の人の当選率が上がるようなシステムではないし、メンバーが書き損になってしまう。さっほーは、手元のサインの山を嘆いていた。
のろりんずレーンで二人の姿を眺めつつ、これが最後かもしれないと思いつつも感慨はそれほどまでに深くなかったのは、最後ではないという虫の知らせか、はたまた無関心か。チーム再編後も、のろりんずは同じチームになったようだし、セットリストは「夢を死なせる〜」が来ない限りは「アイドルの夜明け」よりは上。劇場に、また行く機会は残っているのだろうか。

AKB48(チーム4)「アイドルの夜明け」公演@AKB48劇場

【出演】岩立沙穂、大川莉央、大森美優、岡田彩花、岡田奈々、北澤早紀、小林茉里奈、込山榛香、佐々木優佳里、佐藤妃星、土保瑞希、西野未姫、前田美月、峯岸みなみ、村山彩希、茂木忍
1か月→2か月→2か月→3か月→4か月と、順調に間隔が広がっていく劇場公演への参加。昨今、「出口戦略」という言葉をよく耳にするようになったが、「タンポポの決心」風に言うなら、己もいよいよ「綿毛戦略」の実行と相成った。お金の使い方も考えないといけないし、握手会に参加せず、二本柱の会の更新も行わず、もうじき綿毛は1本を残して全て飛んでいくだろう。
さて、4か月ぶりの劇場。まず8階に上がって目に付いたのが10周年へのカウントダウン時計。AKB商法で10周年記念公演への参加権が売られた当時、10年後も劇場が同じ場所に存在して、その日を迎えることを予想した人はどのくらいいただろうか。参加権を買わなかったことには悔いなし。
バイトAKBのメンバー紹介ポスターも貼ってあった。前座ガールとしてバイトの子が登場して、「ロマンスかくれんぼ」。もし己がAKBのベスト盤を編集するなら、1曲目にみゆぽんの「ロマンスかくれんぼ」を入れる。間もなく活動終了という話も伝わるバイトAKBの中で、己の目に触れたのは今日の子一人だけ。前座を見ながら、美香ちぃとの再会は果たして訪れるのだろうかということを意識せずにはいられなかった。
2月2日は「ツインテールの日」ということは事前に知っていたので、期待通りの総メンバーツインテール公演。ぱっと見、誰だか分かりづらかったのは、前髪ぱっつんの岡田ちゃんと、前髪をつくった茂木ちゃん。こみはるのあごのラインが丸くなった変化も目に付いた。身体の肉付きはさほど変わっていなかったが、わずか数か月へ大人への成長が見られる年頃だ。
すっかりAKBから疎くなってしまったが、ここ2回のブービー→最下位という抽選順を多少は挽回もできて、チーム4の劇場公演はやはり楽しい時間。熱をほぼ失った己をしてそう思わしめる魔力がここには宿る。せめてひと月に1回劇場公演を見ることができる状態が続いていたら、情熱の炎を細々と燃やし続けることができるのだが。
チーム4が誇るみきちゃんとなぁちゃんのパフォーマンスは以前の路線から変わっていなくて安心。完成形を見せる場ではない劇場公演で、個性を潰す必要などないし、いつまでもがむしゃらでいいのだ。みきちゃんのMC中の顔芸はだんだん凄いことになってきているけど。なぁちゃんの劇場を支配するかのような眼光は圧巻だ。
さっきーにとっては、ツインテールは平常運転。さらさらの黒髪をなびかせる姿は、相変わらず公演ではいちばん目に焼きついてくる。AKBとしての活動期間も長くなって、煮詰まっている感はあるだろうが、劇場での彼女の輝きが褪せることはない。
ツインテールに迷ったというみぃちゃんだが、何だかんだでしっかり似合っていて、馴染んでいるところがすごい。新成人さっほーは言わずもがな。
そういえば、ゆーりんは卒業していったんだなと、メンバーの顔ぶれを見ながら思い出す。センターに立っていたわけではないが、13期、そしてチーム4にとってはシンボリックな存在であった彼女。今日のステージに不足を感じたわけではないが、その不在に、どこか穴が開いたような感覚は禁じ得なかった。
次の劇場は、いつになるのか。これが最後ということもあり得るなと思いながらメンバーの顔や劇場の風景を眺めたが、果たしてどうなるか。ハイタッチに代わる退場のお見送り。待ち時間もないし、ステージを見ていられるし、ハイタッチよりこっちの方がいいね。

AKB48(チーム4)「アイドルの夜明け」公演@AKB48劇場

【出演】岩立沙穂岡田奈々加藤玲奈北澤早紀小谷里歩小林茉里奈込山榛香佐々木優佳里篠崎彩奈高島祐利奈土保瑞希西野未姫峯岸みなみ向井地美音村山彩希茂木忍
水曜日、帰宅していつものようにスポニチアネックスのサッカーニュースをチェックしたついでに芸能記事を見てみると、どうやら、じゃんけん大会が開催中らしい。今年もやるらしいということは聞いてはいたが、今夜とは全く知らず、Jリーグパックの恩恵でBSスカパーに合わせると、ブロックごとの戦いが半ばを迎えていた。しばらくすると、同ブロックで続けて入場したのろりんずの戦いが始まった。さっきーを下し、放送席を与党に付けたさくらたんをさっほーが撃破し、見事16強。じゃんけん大会自体には何の思い入れもなかったが、さっほーの戦いになると、善悪両方の予感でやはり心は乱れる。8強、そしてついに4強。頂上までは惜しくも届かなかったものの、精神集中から拳を差し出し、目を開けてからの驚きと喜びに共感し、やはり彼女は己にとって特別なメンバーであることを再認識した時間だった。すぐさまモバメ購読再開。
前の晩に録音した、さっほーがパーソナリティを務めたJOQR「リッスン」を半ばまで聴き、「んふふふ」の声に何度も耳を擽られてから向かうは、3か月ぶりの劇場。この前のさっきー誕生祝公演よりも悪順になることはないだろうから気楽だと思えば、まだ下があった。しかし、始まってしまえば楽しいもの。このチームには、何と言っても劇場公演の申し子であるみきちゃんとなぁちゃんがいる。この二人は、どこにいても強烈な存在感を発揮する。しかし、その存在感が浮かずにいるのは、周囲のメンバーが誰一人気を抜かずに、いまだに公演に向けた努力を怠っていないからだろう。
こみはるは硬柔織り交ぜて二人を急追している。ゆいりーの安定感は言わずもがなだ。そして、みきちゃんの後ろで踊るゆーりんやゆかるんを見よ。彼女たちも決して負けずに自分の表現を追求している。ゆかるんが吹っ切れたときの謎の破壊力を知らないわけではなかったつもりだが、踊りに全身全霊を傾けるだけでなく、MCでは積極的な発言に挙手と、常に全力を注ぐ今日の彼女の輝きには驚くしかなかった。今日のアンケートは彼女を選ぼう。
久しぶりに見て外見の印象が変わっていたのが、前髪をつくった土保さん、逆に前髪を伸ばしてなで付けたまりんちゃん、髪を染めたあやなん、そして特に何がというわけではないが、もぎちゃん。土保さんは、アイドルらしく垢抜けたように見えた。もぎちゃんは、声が可愛かったのはノドの調子が悪そうな所為だったかもしれないが、見た目や話し口がソフトになったというか、偽悪的な反抗期を卒業して彼女も大人になったということだろうか。彼女の新しい一面がこれから見られれば楽しみだ。
ゆりあぴーすさんの休演が当日に発表され、初見の機会を逃してしまったが、兼任メンバーのりぽぽさんは初めて生で見ることができた。彼女のことは、これまでじゃんけん大会のテレビでしか見たことがなかった。お守りを握り締め、視線をそらしながら強大な相手に立ち向かい散った戦い、そして直近のチワワのかぶりもので選抜まで勝ち上がった戦いの2度。関西弁でマイペースに面白いことを言う彼女のようなキャラクターがチーム4に入ると、確かに化学反応が起きる。こういう兼任であれば歓迎だ。
「女子高生はやめられない」のジャンケンは、ご祝儀でさっほーが優勝する仕掛けかと思ったら、ガチジャンケンということで、こちらでは2回戦敗退。何でもまだ1回もここで優勝したことがないというさっほー。初優勝は誕生祝で、ということになるのだろうか。

風のバッキャロー!!〜まごころ食堂編〜(Ask)@池袋シアターグリーンBOX IN BOX THEATER

【演出】古河聰 【脚本】菅野臣太朗

【出演】原田里佳子、平山佳延、田中稔彦、植田圭輔、吉田晃太郎、川名浩介、沖山稔子、小峰めぐみ、堀まゆみ、苅羽悠、甲斐千尋、篠田力子、右近良之、石坂史朗、鈴木まさゆき
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AKB48(チーム4)「アイドルの夜明け」公演@AKB48劇場

【出演】岩立沙穂岡田彩花岡田奈々加藤玲奈北澤早紀小林茉里奈込山榛香佐々木優佳里佐藤妃星篠崎彩奈高島祐利奈土保瑞希西野未姫向井地美音村山彩希茂木忍
前回から2か月少しぶりの劇場での公演観劇。この間にいくつかの時代が過ぎ去ったような感覚がある。
まずは、大島優子たむの卒業。2006年の4月、己がはじめて劇場に行くことを決断した理由の全てが彼女のAKB入りという選択だった。彼女のことを「脳内卒業」と、送り出した気になって既に久しい。劇場最終公演に応募だけはしたが、味スタに行くでもなく中継を見るでもなく、彼女の卒業をこれほどあっさりと迎え、その意味を吟味することもなく受け流すだけになるとは、昔の己であれば想像もできないくらいだ。それでも、やはりひとつの時代が区切られたのだという感慨は徐々に強まっていくのだろう。もし彼女がAKBのオーディションを受けていなかったならば、己は現在のメンバーの顔もほとんど知らずに過ごしていたことだろう。それ以前に、AKBも今とだいぶ違った歴史を辿り、今の姿とは異なったものになっていたはずだし、何人かは芸能界に足を踏み入れることもなかったかもしれない。己にも、AKBにも決定的な影響を与え続けた大きな存在だ。
オリジナルKメンも、いよいよ少なくなった。今朝はなぜか、その中のひとりの「卒業記念握手会」に参加する夢を見た。会場入口には、本物のネギとぬいぐるみのネギが用意されていて、それを選んで握手会会場に入ろうかというところで目が覚めた。何かの暗示なのか・・・?
何かの刑を執行するためかとすら思われるほどの、小ぢんまりとした劇場に似つかわしくない大掛かりな機械。手荷物の持込禁止など、劇場の警戒レベルが上がったのは、2008年6月の秋葉原事件がきっかけだった。その当日、劇場公演を見るために秋葉原を訪れ、道路が封鎖された様子を見ただけの己の心にすら、この事件はいまだに棘を残す。ましてや、岩手のあの現場に居合わせたメンバーへの影響はとなると、とても思い及ぶところではない。劇場が、ベルトまで外さなければ入れない空間になってしまったのは残念だが、これまで大きな事故がなく公演が演じ続けられてきた積み重ねを崩さないためには、これも受け入れなければならない。入場に手間がかかってしまうので、なかなか呼ばれないと待っている時間が長く、終盤戦まで突入してしまうと心理的にも余計に辛い。
昨年の11月に夜空を照らすように燦然と現れたチーム4。望みをかけながら楽しみに眺めていたら、望月になることすら待たずに群雲がその姿を隠してしまった。そして、曇り空の後にやって来たのは「アイドルの夜明け」。かつてチームBの最後を飾ったセットリストだ。当時は、美香ちぃの復帰を待ち続けて叶わず、公演を見ても暗澹たる気持ちになってしまい、チームBにも劇場の空気にも馴染めなかったような記憶がある。そういう事情を除いてセットリストを取り出しても、その魅力は己には理解しづらいものだった。パロディ的で表面的な設定の楽曲群がセットリストの流れを容赦なく寸断するし、核になれるだけの楽曲もない。B3「パジャマドライブ」公演と比べてしまうと雲泥の差だった。
そんなわけで、当時は8回しか見ずに終わってしまい、その後もDVDやCDで振り返ることも、総括することもなく放ったらかしにしてしまっていた公演なので、こんな楽曲もそういえばあったっけと、怪しい記憶の糸をたどりながら、その曖昧さに自ら驚いたりしていた。
チーム4「アイドルの夜明け」公演の個人的初日は、さっきーの17歳の誕生祝公演。以前のようにチーム4公演が他チームより多く組まれるわけでもなく、のろりんずが揃う公演は少ない中で、なかなか個人的初日を迎えられずにいたが、それがさっきーの誕生祝ならば申し分ない。ここ1年は、公演にしても握手会にしてもモバメにしても、AKB全体のことは差し置いて、ひたすら「のろりんず」を追うようになっていたので、昨年10月のさっほー19歳の誕生祝公演に続いて、さっきー17歳の誕生祝公演に入れたのはありがたい。
さっきーにとっては、1か月ぶりとなる公演出演。昨年、AKB劇場出演回数で、ぴっかりんを抑えて1位に輝いたさっきー。今年の選挙ポスターにも「わたしがNo.1!」とその事実が誇らしげに書かれていたように、いつも控えめな彼女が自信を持つことができ、大事にもしている記録だった。そんなさっきーが直面した、公演があっても呼ばれないという日々。まさにアイデンティティの危機。誕生祝でも、その悔しさを、涙を光らせながら吐露していた。昨年からは、徐々に貪欲な部分も見せてきている中で、「4Stars」の歌詞そのままに乗り越えてほしい。17歳になって、モバメの写真では時折色っぽさも覗かせることも出てきたが、序盤から嬉し涙を流し、誕生祝では少し甘えたような子供っぽい口調にもなったさっきーの純粋さは不変のものだ。
「B Stars」が「4 Stars」になった以外は、B4と特に変わったところはないかな。「フォーフォーフォフォフォ・・・」というのは悪い冗談のようだったが。「女子高生はやめられない」のぬいぐるみは代替わりはしているんだろうけど、昔と同じモデルなのだろうか。ジャンケンは「お約束」でさっきーが優勝で「たかーく」ポーズで締めていた。
シングル曲の「ラブラドールレトリバー」も演じられた。最近はシングルが出ても再生しないままになっていることも多いので、この曲は今日の公演で初めて聴いた。AKBの楽曲が自然に耳に入ってくるような生活もしてないし、ここ数年のシングル曲に関しては、完全に一般人以下に成り下がっている。さっきーはソロパートもあって、いいポジションだった。
誕生祝の司会とお手紙担当は、どちらもさっほー。のろりんずは冒頭の「アイドルの夜明け」から対称の位置にいるし、「アリガトウ」では上手でじゃれ合うようなところも見られた。公演で喋ると、のろりんとしたぶりっ子口調で、常にさっほーワールドを作り上げる。だんだんと個性が確立されてきた。「口移しのチョコレート」は、人間であることを疑いたくなるくらいのevil fairyぶりで、舞台上を獲物となる迷える子羊を求めて飛び回っているかのような、可愛らしい邪悪さだった。「天国野郎」バックダンサーでのメイド衣装もなり切って楽しんでいるようだった。誕生祝での司会は、前半、これで感動の流れにもっていけるのかと少し心配になったが、さっきーの感受性の豊かさに助けられつつ、のろりんずの絆もあって、しっかりと笑いもとりつつ、泣かせていた。
MCでは歯に衣着せぬ物言いで盛り上げ役になりつつあるみきちゃんは、曲中の突き抜けた表現はいまだ健在。彼女もまた劇場でこそ最も輝く存在だ。ゆいりーはだいぶ髪が伸びていて、さっほーと一瞬見分けが付かなかったりした。新たに設けられた劇場公演Webアンケートのダンスパフォーマンス部門には、ゆいりーの名前を入れて送った。残念少女みーおんの台詞は介入を拒絶するように憎々しく語られた。「横須賀カーブ」などでも、豊富な経験と素質が見えるような表情の作り方をしていた。
れなっちさんは2年ぶりに見たので、まだ触角のイメージと今のアイドル然とした姿がつながらない。さっきーの誕生祝の司会やお手紙はれなっちさんの可能性もあると思ったが、公演ではまだお互い遠慮しているよう。近くに来ても、さっきーと積極的に絡むようなところはなかった。それでも二人の心は通じ合っていることだろう。
今日は、誕生祝という特別な雰囲気もあり、再編前のチーム4のメンバーが過半を占めていたこともあり、再編前と同じようにチームとしての魅力も感じることができた。もはやチームを意識して見ることが正しいのかすら分からなくなっているが、生の姿から感じたものは、素直に受け取りたい。