~熱風の果て~

観劇の記録

地球防衛レストラン2(劇団SPACE☆TRIP)@新宿スターフィールド

【演出・脚本】ゴブリン串田

【出演】永友春菜、松樹侑奈、江里奈、崎野萌、佐藤梨菜、田沢涼夏、水野以津美、神崎晴香、西山美海、水谷千尋、関口ふで、尾崎礼香、大塚結香、だんしんぐ由衣、久保田碧、橘あるひ、山口慶子、樹智子
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昨年5月に千本桜ホールで上演された「地球防衛レストラン」の続編。そのときに予告されていたとおり、今度は地底人の侵略を食で救うというストーリー。前回と同じ人が演じるキャラクターには愛着が強いし、ほかにもゴブさんシリーズではお馴染みの役者さんたちもいる。オーナー役の永友さんはじめ、前作と同じ役で出演している人、松樹さんのように違う役を演じる人や前作には出演していなかった人たちが混ざって、世界観を引き継ぎつつ、新たな物語を作り上げていた。
客席からの掛け声やふでさんの食べ物ネタ、あるひさんの客たたきといったお馴染みのネタは安心して笑える。強制的に舞台にまで上げられてしまうというのは初めて見た。最前列が最後まで埋まらないのは、やはりみんないじられることが分かっているからか。あるひさんは、今作で舞台出演は一区切りということのようだが、少し謎めいた、個性の強い役を独特の表現力で演じられる人なので、いつかまた、舞台で演じるところを見てみたい。
殺戮を繰り返した挙句に地球に乗り込んできた宇宙人とは違って、かつて人類に敗れて地底に押し込められた地底人。人数的にも、実力的にも侵略できそうな雰囲気があまりなくて、常識のある人たちなので、勝負の緊迫感はそれほど大きくはなく。むしろ地底人がいい人すぎて、心情的に応援したくなってしまうほどだった。
オープニングで、その2人を演じた永友さんと水谷さんの揺れ動く感情の表現を見るだけでも、きちんとした作品が演じられることが予感できた。水谷千尋さん、はじめて見たが、素直な心を持った地底人役を素直な演技で演じきっていて、大きめの口も生かした表情が魅力的。エンディングの歌でも表情の大きさが目立っていて、演技でもパフォーマンスでも客席に訴えかけることができる人だと思った。
レストラン側の個性に加えて、地底人側も見た目はインパクトのあるキャラクターが揃っていたが、人数が増えた分、それぞれの個性を掘り下げるところはやや足りなかった。地上のレストランと地底のレストランのそれぞれのオーナーとディレクトールが、共通の悩みを抱えて通じ合う場面はよかったが、他のメンバーたちも、それぞれ良きライバル関係を築くようなところがあれば、もっとキャラクターが生きたのではないだろうか。第3弾が上演される可能性を匂わせる終わり方だったので、彼女たちにはまた会う機会があるのかもしれない。
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