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~熱風の果て~

観劇の記録

地球防衛レストラン~緊急事態のフルコース~(劇団SPACE☆TRIP)@千本桜ホール

【脚本・演出】ゴブリン串田

【出演】永友春菜、椎名香奈江、江里奈、星優姫、坂本実紅、葵叶望、山下真実、崎野萌、水野以津美、小名木美里、神崎晴香、松樹侑奈、関口ふで、馬渡直子
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4か月ぶりとなる劇団SPACE☆TRIPの本公演。劇団名よろしくSPACE☆TRIPしてやって来た別の銀河からの侵略者が満足できる食事を提供できれば銀河系が救われる・・・というかなりぶっ飛んだ設定。侵略者であるシューやロサンは毒々しい髪色と血色だったり、角を生やしていたりと、かなりストレートな宇宙人ぶり。
しかし、本筋は地に足が着いたもので、料理店のスタッフたちがお互いの個性と違いを認め合うことで美味しいフルコースを提供するに至るまでの気づきと成長の物語。自分自身を知り、認めることができて、初めて他人の個性や自分との違いを受け入れることができる。そして、気付きと成長は、料理店のディレクトールと表裏をなす侵略者シューの側にも認められる。コメディ色は前作に比べればやや弱かったが、笑いの要素を盛り込みながら、しっかり芯の通ったストーリーで、終演まで飽きさせないつくりだった。わざわざ屋外ロケまで敢行して、映像でも攻めてきていた。
馬渡さんは、いつもの身体の中でとぐろを巻いてから出てくる重厚な声色とは全く違う、今まで聞いたことがないような頭のてっぺんから抜ける上品なマダム声。今回もまたいかにも楽しく演じられそうな役。途中で身体を乗っ取られている間はいつもの声色も聞かせてくれた。三年物語で馬渡さんと共演していた小名木さんは侵略者シュウ役で出演。彼(彼女?)の心の成長物語でもあるのだが、銀河系を除いて被征服民を皆殺しにしてきたという彼が良い統治者として目覚めても、既に治めるべき民はなし・・・。地底人の侵略を阻止したら、もう地球で生きていってもらった方が幸せなのでは?
今回は関口さんが余興担当。1公演でプリンを4個・・・全5公演で最大20個!身体張り過ぎでしょう。厨房にいるはずのシェフとパティシエまでちゃっかりと関口さんの本気を拝みに出てきていた。前作で主演した椎名さんは、カラコンを入れてミステリアスな宇宙人役。セクシーな衣装に身を包んで、落ち着いた大人の演技。前作とはまた違う魅力を見せてくれた。
坂本さんも前作から引き続いての出演で、未成年にもかかわらず日本酒マニアのソムリエ役。彼女は何といってもキリリとしたいたずらっぽい眼の力強さが舞台向きで、一癖あるような役が向いている。それでいて踊っているときはアイドルそのもの。不思議な魅力のある人だ。劇中で最も成長したと言ってもいいパティシエを演じていたのが崎野萌さん。おだんごヘアーが丸顔によく似合っている。元々は「ぱじゃるー」という北九州のアイドルグループにいた方らしい。中盤からはずっと涙ぐみながらの演技。いったんは逃げ出して、思い直して頑張ってでも信じきれなくて、という心の動きが痛々しいくらいに伝わってきた。
道場シェフ役の星さん、どこかで見た顔というのはすぐに分かったが、終演まではっきりと思い出せず、「踊りが丘学園」のズッキューンな副会長役と分かって納得。副会長役のときも感じたが、彼女の場合、セリフ回しが平板に聞こえるのが弱点。言葉がある程度出てから感情が乗ってくるような感じなので、まだまだ良くなる余地はありそう・・・ということは、パティシエを見守るシュー様のように、彼女の演技をまた見る機会があれば、成長を確かめてみたいと思った。
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