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~熱風の果て~

観劇の記録

食卓の愛(LOVE&FAT FACTORY)@シアター711

【作・演出】ゴブリン串田

【出演】斎藤未来、ぜん、三宅ひとみ、鳥居きらら、森山幸央、平井麗奈、長野諒子、だんしんぐ由衣、三熊こうすけ、熊野隆宏、鈴木彩乃、熊谷藍、ゴブリン串田
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3月の「初体験奮闘記」からひと月、再び下北沢の地で演じられたゴブさんプロデュース公演。
パンフレットの登場人物紹介を読むだけで既に個性的なキャラクターたちに会える楽しみにわくわくするのはいつものこと。それが舞台上で具体化されれば、役者さんたちの確かな演技にも支えられて、より個性が際立ってくる。今回は、笑いだけでなく、謎解きの要素、ストーリーを追う楽しみ、さらにはゴブさん演劇で初めて泣かされるという感動のラストシーンまで加われば、お腹いっぱい大満足。ゴブさん演劇の新たな引き出しを見た気がした。
主演を務めた斎藤未来さんの無邪気な笑顔と時折見せる寂しげな表情と、ラスト直前の悲しみとも恨みともつかないどす黒い闇を感じる視線の対比はさすが役者さん。それらの理由が明かされ、解決へと導かれる過程は、感情を大きく揺り動かされる時間だった。笑顔で手を振りながら成仏する彼女の先には家族の姿があったのでしょうね。
個性的な面々の中でもひとしおの異彩を放つ占い師。いかにも馬渡さんが演じそうな役を今回演じるのは、三年物語の作品に茨姫役や早乙女ラン役で出演し、馬渡さんとも共演していた三宅ひとみさん。上品だったり、無邪気だったりしたそれらの役柄とはガラッと変わって、全てを見透かしているかのようなミステリアスな役。無表情で平板なセリフ回しの中にも感情を表現していればこそ、少し口角を上げるだけでも客席から笑いが出るほどのインパクトが生まれる。カーテンコールでも簡単には素には戻れない感じが見られて、魂を籠めることが求められる役ということが理解できた。
初体験奮闘記から続けて出演となったのが三熊さんと熊谷さん。この二人も前作とは違う表情を見せてくれた。何かと酷い扱いを受ける役を演じることが多い三熊さんは、今作はやはり時々壊れつつも、ドスの利いた声と容貌を活かして、威厳と情深さも前面に出ていた。熊谷さんは部下の刑事役。だんしんぐ由衣さん演じるキャバ嬢とのイライラしっぱなしの掛け合いが微笑ましかった。
熊野さん演じる若頭役へ。サングラスとかけると精悍になって、いかにも下っ端のチンピラといった役がよく似合っていた。
爽やかな気持ちで劇場を出て、都内とは思えない井の頭線沿いの菜の花咲く長閑な道を次の観劇地の渋谷まで歩いて向かう途中、駒場でカレーやを見つけたので、さっそくカレーを食して、また先ほどまでの舞台を思い出すのだった。
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