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~熱風の果て~

観劇の記録

僕らの初体験奮闘記89'(LOVE&FAT FACTORY)@小劇場楽園

【作・演出】ゴブリン串田

【出演】中村ゆうすけ、高橋茉琴、鎌倉太郎、大橋繭子、稲葉麻由子、成瀬麻紗美、川西進太郎、熊谷藍、保土田充、三熊こうすけ、関口ふで、馬渡直子、うじすけ、ゴブリン串田
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創作の泉滾々として止め敢えずといった猛烈な勢いで活動を続けるゴブさん。勢いそのままに、自らの初体験を主題に禁断の作品を世に送り出すに至った。
下北沢駅前、本多劇場の一角の地下に、小劇場「楽園」がある。太い柱を境に、90度の角度で分かれた客席が並ぶ、100席にも満たない箱だ。地下の薄暗い雰囲気が、これから演じられる劇の妖しさを予感させる。
公開されていたフライヤーでは、バスタオルを纏った馬渡さんが迫力いっぱいに紙面を占めているので、さてはAV女優役かと、怖いもの見たさの期待も抱いていたが、生徒想いの教師役として、彼女にしては珍しい一般的な女性役だった。
パンフレットのゴブさんのコメントにあるとおり、「テレビでは出来ない面白さ」が満載。舞台を見る中で、せっかくの舞台なのにテレビの影響を強く受けたような笑いや表現をどうしてしてしまうんだろうという疑問を抱くこともあったので、こういうコメントはうれしい。言葉は高校生そのままにストレートな性的表現で、これだけでもテレビでの放映は絶対に不可能だ。演じている人の年齢は様々でも、そこに当時の高校生たちのリアルがある。
行為の表現はあからさまではなく、舞台的。派手なダンスであったり、再現ドラマ風であったりで、熱気と笑いの中で上手く表現されていた。男性陣も女性陣もかなり際どい、あられもない姿まで晒す、体当たりの熱演。あまり直視するのも悪いような、対角の客席から見られているようで恥ずかしいような、でもせっかくここまでやって演じてくれているのだから、しっかり見ないと失礼なようなと、妙にドキドキしてしまった。カナイ様役の成瀬さんの腹筋は美しかった。
中村ゆうすけさん演じるケンちゃんは、本当にゴブさんを若返らせたような感じで、雰囲気が出ていた。お調子者で仲間思いでエロい健一は等身大で、自然と応援したくなる。その恋のお相手のマーちゃんを演じるのは、高橋茉琴さん。あのクールでスマートなミス・サンサーラと同じ人が演じているのかと俄かに信じがたいほどの可愛らしさと恥じらいを表情と声で表現。女優とは凄いものだと思った。
エンディングでは登場人物たちのその後が明かされるが、劇中での高校生時代の展開のまま進むとは限らないところがまたリアル。それでも最後は男5人が同窓会的に集まって、爽やかな幕切れだった。