~熱風の果て~

観劇の記録

紫羅欄花~私を信じて~(酒竜神)@大塚萬劇場

【演出】久高将史【作】Ryu

【出演】細丼和也、小日向茜、根井雅人、白石チカラ、林昭宏、早速義比呂、おくむらたかし、工藤竜太、河内耕史、東條瑛、杉山龍太郎、岡田アキ、塚本圭、葉月、伴野仁美、仲田正道、緒方祥香、宮蔦秀彰、関口杏珠、土井正明
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小日向茜さんがヒロインとして出演の時代もの。
8年半もの長い期間、武士道の心を持って、まっすぐ過ぎるくらいの覚悟を持ってアイドル道を歩き切った小日向さんだけあって、男装袴姿と殺陣は実際に見ると格好良く決まっていた。Loveな乙女モードで見せる葛藤もまた良かった。
しかし、制作陣が伝えたいことは理解しつつも、展開には甘さを感じた。名前も見た目も似た人が多く出てくるため、登場人物を把握するだけでも困難を伴うところに、立場が目まぐるしく入れ替わり、なおかつその入れ替わりの契機が分かりづらかった。
それだけであれば、シナリオが収束したときに納得はできるはずだが、この作品はとにかく人の生き死にがご都合主義に左右されすぎでそれどころではなかった。大人たちの深慮遠謀の筋書きが平和な未来をもたらす結末につながったと言えば聞こえはよいが、それが単なるご都合主義の上に成り立っているのでは、とても精緻な筋書きとは言い難い。そんなシナリオに乗せられて命を懸けて戦うことになった若者たちは怒らないとおかしいはずなのだが・・・
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