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~熱風の果て~

観劇の記録

思い出せる君たちへ「パジャマドライブ」公演@TOKYO DOME CITY HALL

【出演】相笠萌岩立沙穂内山奈月梅田綾乃大森美優岡田彩花岡田奈々北澤早紀小嶋真子篠崎彩奈高島祐利奈西野未姫橋本耀平田梨奈村山彩希茂木忍
劇場公演から中1日で、再び「パジャマドライブ」公演への参戦。水道橋でのこのイベントは、一昨年のK3、K4以来。昨年は申込みをしたいと思える公演がひとつもなかったが、今年は、B3とHKT「博多レジェンド」に申し込んで、「パジャマドライブ」だけ無事に当選だった。K3、K4は、昨年の時点から既にチームKの面影を追うことができなくなってしまった。13、14期生は、もうひとつ、A5「恋愛禁止条例」公演にも出演予定で、13期生たちにとってはこちらへの思い入れも相当強いようだが、A4とA5の区別すら怪しい己としては、AKB劇場でも見られるということを割り引いても「パジャマドライブ」公演が優先となる。
研究生たちは、会場の大きさに飲まれるということはなく、大舞台に立つことを楽しんでいた。階層ごとのコールを煽ったり、ウェーブをやらせたり、キャッチコピーを大人数の声で言わせたりと、観客で遊ぶような場面は昂ぶりつつも余裕がある証拠か。研究生たちは、自分たちの雰囲気の良さであったり、元気のよさであったり、個性の豊かさであったり、かなり自信を持てている様子。チームとしての自信が、劇場公演の質の高さ、一体感や勢いにもつながっている。他のチームの公演を見ていないので、「最強チーム」なのかどうかは分からないが、追いかけていきたいチームなのは間違いない。
特になぁちゃんは、チームにも自分自身のパフォーマンスにも自信満々。彼女のパフォーマンスを見れば納得だし、何より邪気が全くないので嫌味にも聞こえない。なぁちゃんが研究生公演を名実ともに牽引する日も近いかもしれない。13期生たちにとっても、彼女の純粋な姿勢は良い刺激になるはず。
自分のキャッチフレーズを2000人規模で言わせようとして、実は浸透していないことが発覚してしまったゆーりんは、今日も「面白いのになぜかウケない」キャラを発揮。1年前のウサギ推しとのギャップを突っ込まれてしまっていたが、とにかく何かやってみようという姿勢は好印象。意外と繊細で余りにものめりこむような面を持つところが、時に心配にもなるゆーりんだが、今日みたいに彼女の気持ちと同じベクトルに乗っているときには何も恐れることはない。
岡田ちゃんは1年前に比べるとぐいぐい行けるようになったと自己評価。1期生や2期生にもどんどん絡んでいくのは有名だが、まだ公演に生かしきれてはいない。「ジャンヌダルク」は一人だけ口を閉じてクールに演じるのは、決してテンションが低いからではなく、彼女の曲の解釈または美学の表れなのだろう。でも、岡田ちゃんみたいな美少女がなりふり構わず表情を崩して絶叫するようなところも見てみたいと思ってしまう。
みゆぽんとなっきーが「パジャマドライブ」公演に出演するのを見るのははじめて。昇格が決まったみゆぽんのジャンヌを見るのは、もしかしたらこれが最初で最後ということもあり得る。みゆぽんは、自己紹介MCでの予告どおり前髪を犠牲にしながらの全力のステージで、時折目を見開くような表情の変化はここでも目立つ。パフォーマンス面でも雰囲気づくりの面でも研究生公演の核となっていた12期生たちの昇格が、現行チームの卒業生の穴を埋めるような形で果たされたことに対しては、多少の心残りはある。
さっほーの発声練習は、フライングを含めて浸透していて、大人数で決まった。会場の規模に合わせたパフォーマンスのスケールは、他のメンバーと比べて目立っていたわけではないが、会場の隅々まで目線を配ろうとする様子が見られた。曲中のウインクはさっほーには珍しいシーン。大きな会場でこういう細かいこともやってくるあたりは彼女らしい。同期からは「おばあちゃん」と言われることもあるさっほーは、MCで年齢の話題になると警戒したようになる。年長者としてリーダー的にチームをまとめなければならないという使命感は高くないさっほーだが、自発的なリーダーシップが評価されることが望めないAKBの歴史を振り返ると、年上だからチームを引っ張るべきと簡単に言ってはいけない。
さっきーはいつもの靴下4枚履きに靴が耐えられずに、序盤でステージに登場できないというアクシデントはあったが、緊張するようなところもなく、MCでは大きな声で喋れていた。いつもより大きな会場の光量に呼応して、彼女の目の輝きも一層目立つ。「パジャマドライブ」からの切り替わりで「純情主義」のイントロを踊る僅かな時間も楽しみのひとつ。やはりさっきーの「純情主義」はいつか見てみたい。
このセットリストは本来、メンバーと身体もシンクロさせながら楽しむべきもの。久しぶりに身体を動かしながら「パジャマドライブ」公演を体感すると、疲れるがやはり楽しい。そのかわり、誰がどの曲でどうだったというような印象はいつもの劇場公演よりは薄くなってしまう。
研究生公演としても、この規模の会場で一体感を生みだせるだけの支持は十分に集めていた。AKBグループ研究生の武道館公演は、少なくともAKB研究生の本願とも思えないので、チケット販売があったとして申込みをするだけの決心はまだついていない。かつてのAKB劇場での4、5期研究生公演のような、過剰なバブル的熱気に陥りそうなところも危惧する。「推しメン早いもの勝ち」というイベントタイトルからして運営側が既に変な方向に煽っているわけだし。正直なところ、今日の「パジャマドライブ」に対しても全く恐れを感じなかったいえば嘘になる。ただ、もし実体を伴わせることができたとすれば、研究生公演に対する大人たちや世間の評価や認識を変える可能性も秘めているところには期待感を覚える。