~熱風の果て~

観劇の記録

桃太郎外伝〜黄金の夜明け〜(A☆ct STAGE)@築地ブディストホール

【脚本・演出】麻草郁

【出演】溝呂木賢、林野健志、川隅美慎、清野菜名、高橋郁哉、亀井理那葉加瀬マイ、塩月綾香 、冨手麻妙、粕谷佳五、穐田和恵、宮本晃行、わたなべいつき、清水和博、白崎ほのか、根本茉登香、高山哲平、石毛誓也、植木一貴、山崎隆太朗、佐々木至、多賀啓史、矢沢なり、館野美愛、中城あすか、尾浦海真珠、KEN
5月の「ライズアップヒーロー」に続く桃太郎外伝の第2弾。築地本願寺のブディストホールに入るのは、7年前の「ジェイクラス祭り」以来。
古今東西のおとぎ話の登場人物が登場するところは前作同様。前作と同じ世界で、それよりも少し後の時間が描かれていたが、登場人物は完全に一新されていた。白狐さまはいずこに・・・
それぞれのお話の主役級を引っ張ってきているわけだから、自然とキャラクターの個性も濃くなる。稽古十分の役者陣の演技もキャラクターを生かしていた。それにもかかわらず、作品としての面白みが全くと言っていいほど感じられないというのはどういうことか。いくらでも掘り下げられそうなキャラクターが揃っていながら、生かされずに終わってしまった。せめて清野さんのグレーテルに「鬼切姫」のようなアクションシーンがあればよかったのだが。第1作並みのものが見られれば十分という気持ちで観劇したものの、そんな期待は空しく外れた。
回想シーンが多いために舞台の流れが作れていなかったこと、チケット代の割に舞台上のセットが何の飾りもない階段しかなかったこと、ストーリーが収束した後も登場人物が退場していくエンディングが15分くらい延々と続いたこと、大きな葛藤もなく一瞬で全てを解決に導いてしまったこと。幕が開く以前の問題なのだから、これでは役者陣の頑張りが報われない。アリスインプロジェクトの悪い面が出てしまった観がある。
2週続けて観劇に対してネガティブな感想となってしまったのは己の心の持ちようもあるかもしれないが、何とも残念だった。