~熱風の果て~

観劇の記録

ジェントルマンと私(劇団レトロノート)@中野ザ・ポケット

【脚本】小林佐千絵、【演出】中村公平

【出演】深沢邦之木本夕貴、中村公平、前澤航也、酒井俊介、オカドミキ、森一弥若菜葵碓井将仁、福田修司、吉村京太、冨田裕美子、山本萌花
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劇団ハーベストの脚本・演出も手がける劇団レトロノート。同じザ・ポケットで行われた第2回ハーベスト公演でのチラシに誘われ観劇。冨田さんとオカドさんは、ハーベストにも出演実績のある役者さんだ。
ドタバタ系のヒューマンドラマとしての完成度の高さは、ハーベストの第1回公演でも実証済み。全ての出演者にほぼ均等に出番や台詞が割り振られ、それぞれに背景や課題が設定されている。もつれ絡まるのではなく、必然的に道がひとつに繋がるような感じなので、乱雑にならずに筋道がついていた。
舞台でも他に類を見ないくらいの出演者たちの演技の大きさ。森さんはじめ、顔も個性的な人たちが汗だくになって演じているので、余計に暑苦しいくらいに大げさに見える。とにかくやり切ってくれるので、安心して楽しめる。ハーベストの公演ではキャラクターで圧倒していたオカドさんですら薄めに見えてしまうくらいだった。
若菜葵たんと山本萌花たんのハーベスト組も、思ったより出番は多かった。ドタバタの渦には加わらない役どころだったのは、演技の幅を見るという意味では食い足りなさもあった。反抗期の娘を演じた萌花たんは、感情を押し殺すような演技に進境が見られた。葵たんは、事務所の先輩でもあるきーぼーさんと顔のつくりは似ている。「劇団木本夕貴」という番組を持っているというきーぼーさんは、コミカルな表情と動きで、悩めるお調子者フリーライターを好演していた。
深沢さんは葵たんのお父さん役。テレビの世界から長らく離れている己にとっては、「ワラワレ」でのアリキリ石塚氏同様、随分と久しぶりに見る顔。当時は、地獄のスナフキン・金谷くんのパックインミュージックを愛聴していたこともあって、「ボキャ天」はそこそこ見ていたのだ。お父さん役が何の違和感もないのも当然で、深沢さんはもう46歳。十年一日を感じた。