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~熱風の果て~

観劇の記録

五右衛門〜分け与える愛〜(劇団アニマル王子)@武蔵野芸術劇場

演劇 演劇-2012年
【作・演出】松野正史

【出演】加藤大輔、八木岳、佐竹海莉、河合優、齊藤涼祐、大山チカ、吉山博海、ぜん、なかがわあつこ、垣内あきら、山崎英治、長尾一広、小林千紘、木村俊之、堀口武弘、谷口正人、馬渡直子、小津ミワ、林昭宏、山川朋美、井家久美子、岩上弥生、古山睦子、古家後里恵、兎洞大、三熊こうすけ、有栖川ソワレ、岩永大生
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「太。ちょい」の会場で配布していたチラシで知ったこの演劇。出演者にも馬渡さんや佐竹さんなど、「太。ちょい」に出ていた名前がちらほらと見える。東洋と西洋の融合をコンセプトとしている劇団で、今作は、沙翁の「リチャード3世」と石川五右衛門の融合とのこと。沙翁には、よりによって「ヴェニスの商人」という民族差別ものから入ってしまったので、何でこんな作品を書いた人が大家として尊敬されているんだろうと、それ以上進むことができなくなってしまっていた。「リチャード3世」は、文庫本が読破されないままに本棚の奥に眠ってしまっている。これを機に再挑戦してみようかな・・・
五右衛門ものは、以前に「GOEMON痛快伝」という作品を見たことがある。その作品がひたすら痛快冒険ものを指向していたのに対し、こちらは見捨てられた街「ミナト」、そして権力を巡る一族の愛憎といった深い設定が加わっていた分、痛快さよりも重苦しさが舞台を支配した。その中でも、コメディ的な要素や箸休め的なギャグパートがあるので、黒くどろどろした波に抗い続けるような疲れは感じなかった。
ただ、登場人物が多すぎるのと、相関が複雑すぎて、ストーリーの理解に苦労する部分もあった。特に、大陸美少女の立場や目的は、最後までつかめなかった。「リチャード3世」がどこまで忠実に再現されているのか、オリジナルを読んだことがないので分からないが、五右衛門とリチャード側との干渉がやや浅い感もあった。途中休憩を挟んで、約3時間の上演時間をもってしても消化不良の部分が残ってしまうというところに、「融合」の難しさも感じた。核爆弾一発で全てが解決してしまう・・・というのも結果オーライにしても、やはり乱暴さはぬぐえない。登場人物の相関を整理した上で、もう一度この舞台を見たとしたならば、また印象が変わってくるかもしれない。