~熱風の果て~

観劇の記録

さくら学院2011年度〜FRIENDS〜@日本橋三井ホール

「成長期限定」のコンセプトを守って、あやみ会長、みよっちゃん、あいりーんの中3トリオが迎えた卒業の日。今回、己が唯一参加することとなった2回目は、部活動ユニットが中心の公演。格調ある都心の一等地のホールが会場。アリーナ席に椅子が並べられた会場は、卒業式らしい雰囲気にもなっていた。券面からは悪席かと思ったが、アリーナより高い位置から見ることができたのはむしろあらまほしかった。安心の全席指定強制着席アイドルライブ。
己がはじめてさくら学院を生で見てから1年も経っていないし、実際に見た機会も多いとは言えないにもかかわらず、メンバーの成長をはっきりと感じることができる。身体面、精神面の成長は時には残酷な場合もあるが、さくら学院の成長には負の面は全く覗かれない。綺羅とした輝きは時とともに増し、グループ力も高まっていた。
全体曲3曲の後の自己紹介で、あやみ会長にニューアルバムDVDのドラマパートにも収録されていたぶりっ子キャラのリクエスト。可愛らしく語り始めたと思ったら、衝撃の「虹を食べてトイレでマシュマロを出す」・・・思わず椅子からずり落ちかけた。いちごなっつんもびっくりだわー。
部活動はまずバトン部が「DMS」と新曲の「ラピカム」の2曲を披露。「ラピカム」は空中パスも交えて高難度だったが、どちらの曲もノーミスで見ごたえがあった。新曲は沖井さんの手を離れてしまったが、バトン部のイメージとのギャップは感じない。バトンが魔法ステッキのようになるのは、来年度以降のまりまりセンターが意識されているのかな。アルバムのDVDでは不思議な動きに磨きがかかっていたまりまりは、ライブでの発言ははっきりとできるようになり、客からいじられることもなくなっていた。これも成長。バトン部後のMCでは、あやみ会長がバトンを握らずに空中で操る高度な技に成功。本番に強い会長は何か持っている。
クッキング部はもあちゃんのコック帽が早々に脱げてしまっていた。ゆいもあちゃんのミニパティがしっくり来ないのは、同学年の3人が揃うと年少キャラというグループでは当然の地位が失われるからだろうな。来年度はゆいもあちゃんも中学生になって、さくら学院に小等部の転入生が入ってくる。グループ内での立場は嫌でも変わっていく中で、どのようにポジションを意識付けていくのか、また己がどのように彼女たちのポジションを定義付けていくことになるのか、不安もありつつ楽しみもある。
今日のいちばんの楽しみは重音部。最近はさくら学院から独立した活動が多くなってきた重音部だが、さくら学院とのギャップが大きな魅力であることは間違いない。新曲の「イイネ!」は聴けなかったが、「ド・キ・ド・キ・モーニング」と「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の2曲で完全燃焼。幅が十分にある今日の会場では、「イジメ」冒頭のウォール・オブ・デスに危険な迫力が感じられる。「イジメ」の音源化と「イイネ!」PVの発売も待たれる。
今日を最後に廃部となるかもしれない新聞部は結局持ち歌1曲で終わってしまった。あいりーんは何だかんだで成長したんだな。まだまだ心配なレベルではあるが、昨夏のライブからは見違えるほどしっかりしてきて、まりまり同様、客やメンバーからいじられる場面も減ってきた。
帰宅部は「人間っていいな」はお蔵入りになってしまったらしく、アルバムに収録されて本日のライブでも演じられたのは「走れ正直者」。うーん、元曲聴いたことないんだよなー。可愛らしい合いの手が入りつつ、最後はねねどんを置き去りにするコミカルな振り付けもあって、元曲を知らなくても楽しめた。
部活コーナーの後は全体曲に戻って、アンコールまで息つかせぬ展開。「さくら百人一首」は紹介する歌を半分にしたショートバージョンで演じられた。宇宙がテーマの「Planet Episode 008」とあわせて、教室エンターテイメントを標榜するさくら学院ならではの曲。耳障りのよいポップ路線一辺倒だった初期からすれば、全体曲は随分とバラエティ豊かになった。今日もまたニヤニヤデレデレが収まる暇のないライブだったが、最後の「See you」は感傷的な気分で聴いた。
次にさくら学院を見るときには3人がいない、ということは実感として湧きようがない。12人が彩るさくら学院の雰囲気が完成され、あやみ会長という絶対的なまとめ役でありエースという偉大な存在がいる今年度のメンバー構成、年齢構成の妙は再現は不可能だが、来年度以降の新たな彩り、そして卒業する3人の活動も楽しみにしていたい。