~熱風の果て~

観劇の記録

さくら学院NEW EAST LIVE@お台場合衆国2011みちのく合衆国ステージ

今日のさくら学院のステージを散らせる要素として心配されたことが二つあった。その二つはともに現実のものになったが、ライブは完遂され、ピンチを乗り越えてまた一段と絆が深まったのだった。よかった〜。
過去の歴史をひもとけば、2006年8月12日には「お台場冒険王」でのチームKライブが豪雨で中止となったという記録が残っている。全身を濡らしながら感じた絶望感はつい昨日のことのようだが、もう5年も昔のこと。開演前まで夏の熱射にステージが容赦なく灼かれていたのに、ちょうどライブが始まる頃、天を見れば四辺は俄かに掻き曇り、空を鼠色の雲が疾く迅り、風がどんどんどんどん吹いてきた。
「雨よ、雨よ、降らないで」と歌いたくなるような空模様の中、「School Days」「チャイム」の全体曲からスタート。転入生2人も元気に参加して、全体曲はすべてフルメンバーで演じられた。自己紹介に入る頃には鈍色の雨がステージを濡らし始め、5年前の恐ろしい雷と滝のような雨の記憶が甦りかけたが、雨を恐れずに真っ直ぐに天を指すメンバーの強い気持ちと太陽と紛うほどの笑顔に雨も情を示したものか、一部の不届き者の雨粒を除いて彼女たちの黒髪を濡らすことはできなかった。
もうひとつの要素はフジテレビの周囲を行進する人々。幸い、デモ隊が「フンサイ、フンサイ」言いながらステージに乱入し、彩未会長が「粉砕結構ですよねぇ!だけどねぇ!」と安田南ばりに反論するような事態にはならなかった。日の丸を振りながら歩む人々の内側でさくら学院フラッグをニヤニヤしながら振れば、昭和40年代的な気分の一片を味わえもする。
部活動は帰宅部と重音部。雨も降ってきたところで逆に気分が高まって盛り上がる。重音部はゴスロリ赤黒衣装を着ると破壊力が違うのだが、今日は制服で登場。それでも十分の迫力。卒倒する振付けには毎度降参。しかも3人が本当に卒倒するようにバタンと倒れるところが凄い。「イジメ、ダメ」はあの狭いステージでは無理か。
後半は「フレンズ」「Message」「夢に向かって」。30分の持ち時間で7曲も演じてくれれば大満足。彩未会長、ねねどん、ゆいちゃんの3人に注目しながら見る。彩未会長は何にも染まらない無垢な安定感でさくら学院を支え、ねねどんは愛嬌あふれる笑顔と平和な心で成長を続け、ゆいちゃんはステージ上では常に何かが乗り移ったかのような全力パフォーマンスを魅せてくれる。他のメンバーもそれぞれ魅力的で、今のメンバー構成には死角はない。
今月末のTIFはいかにも疲れそうなイベントだけど、今年は初参加しないわけにはいかないだろう。