~熱風の果て~

観劇の記録

さくら学院 2011年度 NEW Departure@duo MUSIC EXCHANGE(第2日)

3公演ともセットリストは同じ。MCの台本まで同じなので、一部で辻褄が合わない表現があったりしたが、きちんと大げさな反応をしてあげるヲタは優しい。MCはともかくとして、曲はさくら学院のすべてを惜しみなく出し切る構成なので、セットリストの内容を変えるために曲数を減らすという選択も可能であったにもかかわらずそうしなかったことには感謝。ちょうどライブの時間に曲数が飽和しているから、あの曲を何でやらないんだといった不満を持つこともない。
この2日間、「よっしゃぁいくぞ〜」の声を一度も聞かなかったのも何か新鮮。よっしゃいかないと盛り上がらないなんてことはない。ごく当たり前のことだ。
重音部「Baby Metal」は今日も凄まじい迫力でもって己をトランス状態に導いてくれた。回る!蹴る!飛ぶ!殴る!走る!何か出す!倒れる!目覚める!頭振る!叫ぶ!決めポーズ!すぅちゃんの歌唱力は言わずもがな、アクションもこなす3人なので、新曲は練習する時間があまりなかったにもかかわらず、バトル的な振り付け含めて高い完成度。重音部はコンセプト的につぶしが利かないので、曲をつくりにくく、「ド・キ・ド・キ・モーニング」を超えるような持ち歌が生まれるのは難しいかと思っていたが、その危惧は否定された。もしBaby Metalが世に問われるとすれば、世間の反応はいかほどのものになるんだろう。
ゆいちゃんは、コメントコーナーで「恩返しできていない」と言っていた。いやいや、この2日間のパフォーマンス以上の何かを返されたら、もう絶対服従しか道がないのだが。人気のことなのかパフォーマンスのことなのか触れ合いのことなのか、真意は分からないけど、さくら学院のメンバーにはあまりこういうことは言ってほしくないと思った。いずれにせよ、ゆいちゃんは大人だね。ミニパティを引き継いでくれたまり菜ちゃんのファンを気遣うような発言までしていたし。ねねどんの、自分と客席の笑顔の関係を語るコメントなんかも、どことなく哲学的で深かった。
「天使と悪魔」は彩未ちゃんの空中バトンが鮮やか。炎天下の柏の葉で行われたイベントで、やっぱりバトン部のみんなはヒザをやけどしていたのか。あの会場は夏場は考えものだ・・・。絶対無二のエースとしての役割に加え、生徒会長としての重責も果たす彩未ちゃんは、当初のさくら学院のコンセプトどおりであれば、あと半年ちょっとで卒業となってしまう。下がり眉の中の翳は、曲中の表現を深めているが、それを見るとタイムリミットのことも考えてしまう。秋の学院祭から半年で、さくら学院はどういう展開を見せるのか、目が離せない。
新曲の「フレンズ」は曲的にはこれまでのイメージの踏襲で目新しさはない。全体曲が部活動ユニットの個性に押され気味でもあるので、新曲はもうちょっとインパクトのある曲でもよかったかな。この曲は、固定ペアによる絡みが微笑ましい。12人のメンバーたちは、きれいにライバルとも呼べるペアがつくれるんだね。
この2日間のライブも、予定通り4月に開催されていれば、己は間違いなく見に行ってはいなかったはずなので、複雑な気分もするが、このタイミングで見られたことに感謝したい。この2日間でさくら学院を応援する気持ちがより高まったことで、まずは次の学院祭が楽しみ。