~熱風の果て~

観劇の記録

「見逃した君たちへ」AKB48グループ全公演(第2日)

【出演】秋元才加石田晴香内田眞由美梅田彩佳大島優子大堀恵大家志津香河西智美倉持明日香小林香菜佐藤夏希近野莉菜野呂佳代増田有華松原夏海宮澤佐江
20日間にわたって水道橋で行われているリバイバル公演集の開幕2日目。
K4といえば、全体曲の完成度の高さが最大の特徴。目まぐるしいポジションチェンジを繰り広げつつ、中央と両翼でまったく違う動きをしながら曲の世界を表現していくようなスケールの大きさを持ち合わせている。K5との比較で言えば、K4の方がチームK劇場公演の到達点だったと思う。劇場で見ていたときの感覚では、「マンモス」のようにメンバーの顔がよく見えないような暗い照明での演出があったり、「Stand up」のように客席を置き去りにしながらパフォーマンスを追求するような方向性が見えたりといった不満もあったが、全体曲については、「見せる」という意味では全セットリスト中最高峰だと思う。個人的にK3と並んで再生頻度が高い公演DVDでは、センター中心にズームで映してしまっているために、K4の魅力を十分に記録したとは言い難いものだったので、久しぶりに生で見られる今日の機会は楽しみだった。
1年近く演じられたロングラン公演だったので、見逃した感はそれほど強くはない公演だが、めしべショックや研究生オーディションショックによる「AKB48」との根源的な訣別があったり、優子たむの出演状況に偏りがあったりで、結局千秋楽より3か月も前に、個人的千秋楽を中途半端な形で終えてしまったことには一抹の後悔も感じていた。
今日は、チームKのオリジナルメンバー12人に加え、13女から16女までの代役で、しーちゃん、はるきゃん、ちかりな、うっちーが出演。はるきゃんはなるるをリスペクトしたような髪形で登場していて、一瞬、本物のなるるがステージに立っているのかと思ってしまった。会場は思ったよりはこじんまりとしていたので、柱がないことを加味すれば、距離に対する不満はそれほど感じなかった。チームKの解散から1年ちょっと。大きくイメージが変わったメンバーはいないので、過去を取り戻すという感覚ではなく、ごく自然に、そこにあることが当然といった感覚でチームKを見ることになった。チームということを考えると、やっぱりめーたんとノンティの存在は偉大だ。二人の保護者に恵まれたこともチームKの幸福だった。それぞれが長所を出し合ってチームの色をつくりあげていったチームKは、やはりひとつの奇跡だったと思う。チームの色といえば、客席がかなりの割合で緑色のサイリウムに統一されていたのは意外だった。昔は「チームK=緑」というイメージは、これほどなかったように思う。
MCでは、才加のアタックを食らってフラフラになりながら舞台袖にはける優子たむがレッスン用DVDに映っている話とか、K1の「スカひら」のレコーディングで、世の中に音痴な人がいることを知らなかった才加が香菜に対し「真面目に歌えよ」と怒鳴りつけて香菜からカバンを荒らされた話とか、休憩時間をオーバーしているのにともーみ相手にランチでセクシーに長話を繰り広げるめーたんとか、チームKのエピソードはどれも楽しい。
全体的に満足の公演だったが、「メロス」後のコメントコーナーが才加ひとりだけだったのは残念。K4の全員ひとことコメントは、K4の重要な要素だと思うので、ここも忠実に再現してほしかった。「支え」はK4、ひいてはチームKの劇場公演で繰り広げられた様々な思い出が極端に濃密に凝縮される曲。メンバーひとりひとりの顔を見ながら、昔のことをいろいろと思い出してしまった。
「支え」で終わってくれれば思う存分余韻に浸れたところだが、その後の構成にはAKBの現実、現在の「AKB48」と己との距離感を強制的に認識させられることになってしまった。それでも、梅ちゃんの25位の発表があったときだけは、胸に熱さを感じた。
次回は聞きたくもない発表を聞くことがないことを願いつつ、K3「脳内パラダイス」公演に参戦の予定。