~熱風の果て~

観劇の記録

IMAGINE9.11(Team IMAGINE)(博品館劇場 9/11)

【脚本・演出】H,T,ISSUI

【出演】加納竜、佐藤夏希、刀根麻理子、ju,ta、夏原遼、荻原紀、こばやし画伯、沢井美優、船津未帆、恒吉梨絵、白須慶子、藤原梨名、藤田裕未、伊藤千晶 、岡部梨沙、牧穂エミ
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9.11の同時多発テロの余波は、日本で移植を待つ3人の白血病患者への移植骨髄液の輸送を止めてしまう。国境を超えた苦難の輸送プロジェクトを中心に、人間愛、家族愛を描くドキュメンタリー劇。
H,T,ISSUI氏を中心とする「Team IMAGINE」による毎年恒例の公演で、過去に棘を持つ危険な男を演じる加納竜、らめらめ同様実直な役柄を演じるJu,ta、コミカルで下ネタ担当でもあるこばやし画伯といった、同チームによる「らめらめ」に出演していた面々が主要キャストに据えられていたので、親しみがあった。刀根さんも「らめらめ」に出演し、K公演にも萌乃たん招待で来たことがある人だし。
AKBからはNなっちこと佐藤夏希が移植を待つ患者「ナツキ」役で出演。キャストの並び順からすれば、ヒロイン的な役が想像されたが、実際には舞台に上がっている時間は長くはなかった。その中での最大の見せ場は、不安に打ち挫がれる場面での独唱。声量を出してはならず、難しい歌唱が要求された場面だったが、高い歌唱力で歌い切って、会場の空気を一点に集中させるだけの引力があって素晴らしかった。潤み目も哀しみや不安を表すときには大きな武器になる。劇団NY時代からなっちの演技力に期待していた己としては、AKBからのゲストという扱いではなく、もっと台詞の多い役を与えてほしかったという気はしたが、なっちにとってはここが出発点。次の機会につなげていってほしい。
最初の倒れる場面での心ここにあらずといった風な踊りは、ひまわり組でのなっちの大スランプを思い出した。
そのほかの共演者では、憎らしくも不器用なエリート官僚役の夏原遼氏がスマートで、美少女には慣れていてもイケメンをステージに見ることには慣れていないのでちょっとドキッとしてしまった。加藤剛の息子だったのか。言われれば確かに似ている。
劇中の募金の場面を見ながら、帰りにロビーで募金活動をしていても募金はしないで帰ろうかなと考えてはいたものの、実際にロビーに出てみたら、飛行機のおじいちゃんの藤原梨名たんの募金箱の前に足が勝手に向かってしまった。あれは素通りできないね・・・