~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チーム4)「アイドルの夜明け」公演@AKB48劇場

【出演】岩立沙穂大森美優岡田彩花加藤玲奈木崎ゆりあ北澤早紀小林茉里奈込山榛香佐々木優佳里篠崎彩奈土保瑞希前田美月峯岸みなみ向井地美音村山彩希茂木忍
アイドルの夜明け」公演ひとつで終りを迎える現行チーム。こうなると、チームというよりは、そのセットリストを演じるべく割り当てられた集団という程度なのかな。今の編成で、まだ劇場で姿を見ていなかったのが渋谷さんとゆりあぴーすさんの二人。さっきー出演が己が申し込む条件なので渋谷さんは仕方ないが、副キャプテンのゆりあぴーすさんは、当選した公演で急きょ体調不良で休演になってしまったこともあり、生で見る機会は一度もないかと、何となく勿体ない気がしていた。今回は、そのときと逆のパターンで急きょの出演だった。
カゲアナがゆりあぴーすさん。彼女の声を聞いたのは初めてかもしれない。少しひっかかるような独特の抑揚のある可愛らしい声だった。丸顔をチャームポイントとする彼女が、丸顔フェチであることを自任する己のアンテナに引っかかってこなかったのは何故かと、彼女の顔を見ながら考えると、健康的で張りがありそうなほっぺただから、という理由が思い浮かぶ。丸顔を追い求めるということは、白くて柔らかいもの、つまるところ意識下では丸顔に乳房を投影しているということかも知れないと、くだらない考えに及ぶ。副キャプテンとしては、キャプテンから絶大な信頼を得るに至っていることがMCで分かったが、そういう状況を知るには、己はAKBというものに無関心になりすぎた。
白くて柔らかいといえば大福餅。大福といえば、ゆいりーが自虐をこめてかつての自分を表現するときの言葉。今日もいつもながら1曲目では、誰が誰だかよく分からなくなることも多く、ゆいりーもその一人。彼女ならではの個性のようなものが薄まってしまったきらいはあるかなと思う一方で、丸みを帯びた顔や身体が絞れて、ダンスの切れ味は残したままアイドルとして洗練された姿に見とれもする。
チーム4ツートップのみきちゃんとなぁちゃんが休演すると、こみはるの表情の豊かさが一層目立つ。みぃさんから「こみはるには女の子が嫌いなところが全部詰まっている」と言われたとMCで語っていたが、裏を返せば、己のような男が好むところが全部詰まっているということ。普通は、こういうことを言われ続けると、自ら矯めた結果としてアイドルとしての魅力を潰してしまうものだが、こみはるの場合は全く意に介することなく、自らのアイドル道を邁進していっている。アイドルグループにあってアイドルらしくあることが必ずしも求められない中で、彼女の個性は大事にしてほしい。さっほーのぶりっ子キャラも、そんなところがある。
こみはるとお揃いのゆるふわ三つ編で登場したさっきーは、この春で高校3年生。彼女もまた自分を貫くタイプなので、良くも悪くも3年前に初めて見たときから大きく印象は変わらない。己が視線を送る先にさっきーがいる時間がいちばん長いというのも3年間変わらない。AKBに在籍したままで大きく羽ばたくイメージは年を経るごとに小さくなってしまうのは仕方のないことだが、だからといって、今まで続けてきたことを変えるべきだとも思わない。ただ彼女らしくあってほしいと思う。先週、さっきーが「RESET」公演にヘルプ参戦という情報を目にすると、K6当時のチームKや13期生の姿が浮かんできて懐かしい思いに駆られる。いい時代の最後だったな。
昨日の握手会を体調不良でパスしたみーおんは、一部出演のアナウンス。ユニットだけかと思っていたが、中盤戦以外は無理を押して出演しながら、出た曲では演じ切っていた。そんな中で「天国野郎」のバックダンサーでも出てきていたのはどういう判断なのかよく分からなかったが。「残念少女」ではゆっくりと遅れ気味に振りを入れて、この曲の空虚感をよく表現していた。ところで、この曲のラストで携帯電話で通話しているのは誰と解釈するのが正解なのだろうか。赤いべろを出すのならば、笑顔でハイテンションで通話して、切った瞬間にがらりと表情を入れ替えるという表現でも面白いかもしれない。
「天国野郎」の衣装も種類が増えているのか、みぃさんのつなぎ衣装やゆかるんのパジャマ風ワンピースなんかはあまり見た記憶がない衣装だった。一部ファンからディープな支持を受けるゆかるんは、一見ミステリアスな感じもするが、公演での吹っ切れ方は今日も健在。「好きと言えばよかった」での宙に浮くほどの豪快なステップワークは、MCの印象からは想像ができないほどだ。
「ナターシャ」のセンターはみゆぽん。意外と似合っていたが、ヘドバンだけは遠慮しすぎている印象で、これだとアクセサリーも飛ばないかなと思っていたら、いつもの曲終了後のおそうじタイムがなかった。この曲のヘドバンといえば、たなみんの何かが憑いたような狂気が迸るものを思い出すが、あれは彼女しかできないだろうな。