~熱風の果て~

観劇の記録

特攻のマクベス(愛。ちょい)@シアター711

【作・演出】愛原慎一

【出演】麻生かな美咲アヤカ小池美由、白井美帆、森実咲、江里奈、秋山ゆずき、田口夏帆加藤夏子、大山チカ、新川ほなみ、黒田由祈、岩崎愛美、川奈ゆう
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シェイクスピアの「マクベス」の翻案というこの作品。その路線を中心に公演を打っている劇団アニマル王子と太。ちょいは関わる人が重なっていたので、その流れで生まれたものだろうか。
見る前は、ゴブリン串田氏が愛原慎一となり、「太。ちょい」が「愛。ちょい」となっても、看板の挿げ替えにとどまると思った。第1場が「ナンチューチュートレイン」という太。ちょいの定番ネタで始まったのでなおさらそうかと思った。
しかし、舞台が進むにつれ、違和感がどんどん大きくなっていった。太。ちょいのシュールさが消える一方で、設定こそ日本の暴走族にしているものの、原作をなぞっているんだろうと思える展開が続いた。台詞回しが古典劇風であったり、原作から拝借していると思われる台詞が挟まったり。
設定だけ大胆に変えても、ストーリーが安っぽく陳腐に見えるだけで、効果的な点を拾うことができなかった。太。ちょいの内臓からこみ上げるような笑いも全く不発で、愛。ちょいが何を目指そうとしているのか、全く分からなかった。舞台の演者たちは熱演を繰り広げていただけにもどかしい。ゴブリン改め愛原氏が、怪しい占い師でも信じて宗旨替えをして名前まで変えたという可能性もあるのではないかと、半ば本気で疑ってしまうような旗揚げ公演だった。