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~熱風の果て~

観劇の記録

見切り発車シスターズ(劇団ハーベスト)@池袋シアターグリーンBIG TREE THEATER

【演出】中村公平、【脚本】田中大祐

【出演】山本萌花加藤梨里香久保田紗友宮武佳央高橋紗良広瀬咲楽布施日花梨松永ミチル望月瑠菜川畑光瑠、鈴木悠巴、弓木菜生、青山美郷、寺坂尚呂己、冠仁、木本夕貴、鈴木優介、オカドミキ、たむらがはく、前澤航也、与座よしあき
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前回の公演後に、若菜さんと西園さんの二人が脱退し、鈴木さん、弓木さんが新たに加入したハーベスト。一般オーディションで選ばれた初期メンバーとは加入のしかたが違うが、パンフレットによると、鈴木さんはハーベストの舞台を見ていて、ファンでもあったらしい。当然ながら演技力は初期メンバーとの差は大きく、1年余りの彼女たちの成長を感じた。鈴木さんは、堂々とした雰囲気を持っており、華のある存在なので、今後が楽しみだ。
今作の主演である山本さんとハーベストのツインタワーを構成していた若菜さんが辞めたことに対しては、一抹のわだかまりも感じる。冷静に透徹したような瞳が印象的だった若菜さんは、多くを語らずに去っていったが、ここにとどまるべきではないと告げる何かをその瞳に映したのだろうか。西園さんは、宝塚を目指すという明確な目標を持っての退団。中学生でありながら完成された気品を備えていた彼女。アイドル的な要素もあるハーベストよりも相応しい舞台があるということは驚くべきことでもない。違う道に進んでも、成功するだろうと想像することは難くない。
主演の山本さんは、典型的な美少女ではないが、安心して入っていけるような人間的な開放感を持っており、泣いても笑っても、感情の全てが露に表現されているような気がする。感情の起伏を演じさせれば、ハーベストの中では彼女の右に出るメンバーはいない。明確に「主役」を与えたことは、結果的に成功だった。
ヤンキー3人組のリーダーを演じた高橋さんは、面影がほとんどないくらいに変身。清楚なルックスに魅力を感じるので、素顔が見られなかったのは、少し心残りではあるのだが、そう感じるということは、それだけ役になり切っていたということ。声も、聞きなれたものとは全く違っていた。
役柄を含めた存在感では、農家の娘役の望月さん。こちらは、彼女の素材であるふわふわ感を生かして、正しい目的地にあえて回り道をしてたどり着くような、憎めない天真爛漫なキャラクターが見事に出来上がっていた。
リーダーの青山さんは、個人としての仕事も忙しくなってきていて、本公演は、前半の3日間のみの出演で、出番もそれほど多くはなかった。そのような状況でも、気持ちが入りすぎるようなところもなく、与えられた役を着実にこなし、残りの公演をメンバーたちを信じて安心して託すようなところに、頼もしさと同時に、ハーベストからの旅立ちの予感もして、寂しいような嬉しいような、複雑な気持ちがした。