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~熱風の果て~

観劇の記録

位置について!〜girls start up!〜(劇団ハーベスト)@DDD青山クロスシアター

演劇 演劇-2013年
【脚本】小林佐千絵、【演出】中村公平

【出演】青山美郷加藤梨里香山本萌花松永ミチル広瀬咲楽布施日花梨望月瑠菜若菜葵宮武佳央川畑光瑠西園瑠花高橋紗良久保田紗友、オカドミキ、吉村京太、冠仁、楠世蓮
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本公演としては、昨年夏休み以来の第3回目となる、劇団ハーベストの公演。高校受験組も戻って全員集合となったものの、やはり受験で思うように稽古時間は取れなかった様子。しかし、そこはこれまでの積み上げと高い意識で十分にカバーできていた。
明確な主役を置かず、単純明快なストーリーもなく、それぞれが行動の本当の意味を見失っていたり、心にもやもやを抱えていたり。それらが絡み合うことによって逆に、一人ひとりが抱えていたもやもやが徐々にほつれていく。劇的な展開とは無縁の、地味ながらも心の繊細な動きに迫る、劇団らしい脚本だった。
当初の、オーディション型劇団のコンセプトは、久保田さんのドラマ主演をもって、一応の結実を見たのかもしれないが、このプロジェクトは2年目も継続が決定し、メンバー固定の中期的な育成プロジェクトへと変貌しつつある。そのコンセプトと作品がマッチしているというところも、彼女たちの成長の助けになっているだろう。
パンフレットのインタビューを見ると、皆、演技に対する意識が高い。そして、自分の個性や他のメンバーの個性を観察し、冷静に分析する力を持っている。「主役にならなくてもいい」と言い切れる高橋さんのような人が出てくるのも心強い。
個人としての活動も増えつつあるハーベスト。電車のモニターをぼんやり見ていて、似ている人が出ていると思ったら、実際に青山さんが店員役でファストフードのCMが流れていたりする。個人活動が忙しくなってスケジュールの都合がつかなくなったときが、この劇団の終焉としては理想の形になる。
軽音部員たちという設定もあるので、舞台上では、加藤梨里香(Vo)、松永ミチル(G)、山本萌花(B)、望月瑠菜(Key)、広瀬咲楽(Dr)の5人による生演奏、生歌も披露された。劇中歌ということを忘れて聴き入ってしまう力強さがあった。CDデビューしてアイドル化ということはないだろうが、機会があればまた彼女たちの演奏を聴いてみたい。
どういう形でも、意識の高い女の子たちが本気でぶつかって、やり切る姿を目の前にすると清々しい気分になる。