~熱風の果て~

観劇の記録

Girls Rocketter@中野ザ・ポケット

【脚本・演出】春間伸一

【出演】内田理央秋山莉奈、Sori、小野友広、りょう、福田朱子下垣真香畠山智妃、水原ゆき、西条美咲、内田羽衣、岩永達也、成田童夢、田口学、尻無浜冴美、愛沢舞美、スズキユウナ、長谷川あや、坂田しおり、夕花里咲、三谷ありさ、高橋優菜
「Flying Trip」の冠は外れたものの、春間さんが脚本・演出、内田さんが座長と、その流れを色濃く汲んだ今回の舞台。ファッション業界が描かれるということで、アイドル中心のキャスティングに似合わず、女性向きの題材のようにも思えた。チケットの価格設定がかなり強気だったが、華やかな衣装代が嵩んでいるのだろうか。しかし、小屋入りの時点で衣装が出来上がっていなかったという笑えないような苦労話も聞かれた。千秋楽挨拶からは、本番を迎えるまでの苦難が断片的に語られていた。そういうことがないにこしたことはないが、この作品では、それが団結力につながっていた。
春間作品らしく、派手さを排して地に足を着けた脚本と演出は健在。ただ、結末が早い段階から一点に絞られ、そこに向けて階段を登っていくような展開には、ストーリーを追っていく楽しみが奪われたような感もあった。
初舞台のキャストを交えても高い完成度だった。岩永さん演じるオカマ男子が常に笑いを誘う存在になっていて、ワインの一気飲みやビンタ喰らいなど身体を張りながら舞台に強烈な色を付けていた。元五輪選手の成田童夢までピンク色のパイナップルヘアで出てきてるし。彼のブログすごいタイトル・・・
出演者のうち、SDN出身者が3人。グループとしては一度も生でも映像でも見ることがなかったが、グループ解散を境にして、様々な舞台で活躍するOGたちの姿を見る機会が急激に増えている。突然の解散の功罪は評価できる立場ではないが、元48グループの肩書きを得て、活躍の場を外に求めていけるということは悪いことではないと思う。
(以下あらすじ)
大学でデザインを学ぶ都子(内田)は、「東京コレクション」の予選に向け、仲間たちと服飾のデザインに励む。しかし、中学の同級生で早くからモデルとして活躍していた盟友の伊織(秋山)とは1年間も連絡が取れないまま。やむを得ず海外でも活躍する学生モデルの南(水原)に依頼するが、南は都子のデザインが伊織をモデルにすべきものであることを察して断りを入れる。都子は、伊織を信じて待つことにするが、予選前日になっても伊織は現れない。その頃、伊織はモデルの道を諦めて荒み、元モデルの睦月(愛沢)が代表を務めるパーティ企画会社の立ち上げに参加しようとしていた。ヤクザの脅しにも負けず、やりたいことを貫く睦月の姿を目の当たりにした伊織は、都子が待つ予選会場に現れ、モデルとしてやり直す決心をする。本選への出場は叶わなかったが、都子と仲間たちは、それぞれが信じた道を歩みゆくのだった。