~熱風の果て~

観劇の記録

「僕の太陽」公演@AKB48劇場

【出演】相笠萌岩立沙穂内山奈月梅田綾乃大森美優岡田彩花岡田奈々北澤早紀小嶋真子佐々木優佳里篠崎彩奈高島祐利奈西野未姫橋本耀平田梨奈村山彩希
平日といえば、以前は締切り間近の劇場インフォに駆け込んで赤じゅうたんに並ぶのが日常だったものだが、最近はすっかりそんなこともなくなり、振り返れば平日のAKB劇場を訪れるのは半年ぶりのことだった。
今日は茂木ちゃんと前田さんがお休みで、小嶋さんが初遭遇メンバー。これで、現在の研究生とは全員と1回は劇場で顔を合わせたことになる。小嶋さんは、みゆぽんよりも少し小さいくらいの長身で、下がり気味の口角に個性が出る。公式サイトの写真からは、ステージでは岡田ちゃんとの区別がつかないのではないかいう心配もしていたが、そういうことはなかった。代わりに、みゆぽんとゆいりーをときどき混同してしまった。
「RESET」公演当時の勢いが、研究生オーディションや昇格や辞退など様々な出来事を経て弱まってしまったという印象を受けたのが、初めて研究生の「僕の太陽」公演を見た11月。2回目では良い方向への変化の兆しがはっきりと見られた。そして、今日は更に見違えるほど完成度が高まってきていることをはっきりと感じた。「僕の太陽」公演は、己との相性がよくないセットリストなのだが、貪欲に表現を追求しつつ全力を出すメンバーの姿がステージにあれば、セットリストの弱みは取るに足らなくなる。
テンションの低さやクールさを売りにするようなところもあった、うめたんや岡田ちゃんも、これまでに見たことがないような晴れ晴れとした笑顔や憂いの表情を見せてくれていた。しかし、「Lay Down」では毎度、岡田ちゃんから今にも拳が飛んでくるんじゃないかという気になる。岡田ちゃん似の女の子に殴られたトラウマがあるわけでもないはずなんだけど・・・
ゆいりーが「自分は可愛い、かっこいい」と思い込むことでパフォーマンスが向上するというようなことを話して、ナルシスト呼ばわりされてしまっていたが、そういうイメトレは確かに大切だし、自分に酔うくらいの方が見ていても感情移入できる・・・ということは、「愛しさのdefense」や「Lay Down」でのもえちゃんによっても証明される。
期の壁も、順調に低くなってきていている。「さん付け」や「敬語」といった、己がAKBに昔から違和感を感じてきた遠慮の原因取り払おうという動きが今の12期生や13期生にある。MCでは、まだ敬語が優勢だが、この動きがさらに進んでいけば研究生公演の一体感はもっと高まるはず。ただ、今のチーム制を考えると、研究生の努力に報いる方法は限定されてしまっているのが現実か。
この前見た公演で成長ぶりに驚かされたみゆぽんは、この公演に関してはオールマイティ。どんな曲調に対しても、表情をしっかり作ってくるし、アイドルらしい可憐さも目を引く。みゆぽんやゆかるんは、MCでもパフォーマンスでも強烈な自己主張で目立つということではなく、着実に公演を支えることで存在感を発揮している。12期生たちの個性が、公演の温かな雰囲気にも反映されているのだろう。
常に公演に対して高い課題意識を持って取り組んでいるさっほーは、確かにその成果が出ている。以前物足りないと感じていた部分で変化が感じられると見ていて気持ちが高まる。「そんなこんなわけで」では、しっかりと妖しげな微笑を織り交ぜて、曲の世界に入り込んでいた。「向日葵」では、「BOMB」のグラビアでも見せたような、伏し目がちの表情が一瞬覗いて、困難に打ち勝つ不屈さを表現したこの曲にぴったりだった。しかし、「僕の太陽」ではフライングさっほーならぬフライングサンライズをして苦笑いする場面を見てしまった。さっほーとは握手会でコミュニケーションを重ねていることもあって、ハイタッチで大きく反応してくれるのも嬉しい。
「向日葵」は己の注目メンバーが揃って嬉しいような勿体ないような。元々柱内推奨度の高い「僕の太陽」公演のユニットパート、こういうキャスティングがあるのであればなおさらだ。
さっきーはMCで初めてカラオケやプリクラで遊んだ話をして、素朴な女の子をアピール。そんな素朴さが下地にあることを理解した上であれば、さっきーの独特のリズムを刻むステップや表情を一層楽しむことができると思うので、どんどんアピールしていってほしい。彼女のことを何十秒か続けて追っていくと、何かを期待するように口元に笑みをたたえ、メンバーとのアイコンタクトや曲調の変化に合わせて次の表情に一瞬で変わる様子が見られるので、自然と彼女のことを見ている時間が長くなる。バランスの取れたさっきーのくるくるターンも必見。
「ヒグラシノコイ」は、ゆいりーと内山さん。内山さんは、この前はこの曲でも笑顔になっているように見えてしまっていたが、今日は明確に笑顔と憂いを使い分けていることが分かった。もしかしたらこの間も誤解してしまっていたのかもしれない。自己紹介MCでネタに走って会場の笑いを誘うあたりは、顔の雰囲気が似ているしーちゃんのB3バックダンサー時代を思い起こさせる。
己は丸顔推しなので、14期生の中では橋本さんに目が行く。愛嬌のある表情はもちろんだが、丸顔と、弾むような動きを見せる「ゴムマリ系アイドル」であるところも注目要素だ。AKBで元祖「ゴムマリ系」といえば、何といっても優子たむだし。
アンコールの3曲が終わって、時期的に「永遠プレッシャー」が演じられるかと思っていたが、普通に「せーの」ではけて、「とっておきクリスマス」のMVが上演された。「永遠プレッシャー」は、「RIVER」以来、久しぶりに己がカラオケで歌えるレベルまで聴きこんだシングル曲だったので、研究生バージョンも見たかった。じゃんけん選抜曲だから違うメンバーであまりやらないことにしているのかな。この曲のMVを見ると、やはり萌乃たんはAKBのど真ん中に立つべき人であることを再認識した。2位のポジションでも存在感は十分に発揮しているが、これがもし1位だったら・・・と、逃した魚の大きさを未練がましく考えてしまう。