~熱風の果て~

観劇の記録

夫婦Gipsプログラム(劇団ジャイアント・キリング)@中野ザ・ポケット

【脚本】仁瀬由深、【演出】纐纈大輔

【出演】阿部悠磨、二木奈緒、吉田稔、鈴木啓子、仲田敬治、和海アキ、渋谷優史、赤松唯、相武辰昌、優木麻由、田口夏帆、ししほんじ、松原静香守永七彩佐藤恵美相田瑠菜、竹内瑞葵、ちょこ、高城ようか、岩崎真奈、杉山正弘、小川達也、石津倫、丹羽佐知子、高橋弘至
タイトルの読みは「メオトギプスプログラム」。何かと思えば、離婚寸前の夫婦の深層心理を解放させる洗脳セミナー。喜劇仕立てが意図されていたが、この手のセミナーを嫌う己としては、途中から嫌悪感が募って全く笑えなかったので、コメディとして成立しなかった。
さすがに最後にこんなセミナー糞喰らえと登場人物たちが真実に気づき、主催者たちの裏の顔があばかれ、それぞれ、自らの力で答えにたどり着くのだろう・・・と思っていたら、あろうことかプログラム万歳で終わってしまった。本気だったのか、とあんぐり。
仁瀬さんの脚本や文章は己の感覚とシンクロしない・・・というのは、過去に見た2作でも気づいてはいた。現代社会に生きる人々の心の闇を皮肉を込めてコミカルに、という方向性は分かるのだが、スパイスを利かせすぎるので、どちらも中途半端になってしまう。弱い男性に強い女性というのもいつものパターンだが、今回は、男性人の個性的なだらしなさばかり目立って、女性陣の個性が発揮されないままだった。子供プログラムの場面もなければいけないものなのか疑問だった。