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~熱風の果て~

観劇の記録

「シアターの女神」公演@AKB48劇場

【出演】伊豆田莉奈大森美優小林香菜小林茉里奈サイード横田絵玲奈佐々木優佳里佐藤亜美菜鈴木紫帆里鈴木まりや高橋朱里田野優花近野莉菜名取稚菜平田梨奈増田有華森川彩香
今日の「シアターの女神」公演で、入場回数は上半期だけで去年1年間と同じに。去年は、優子出演公演が滅多になくなったことで、応募すること自体少なかった上に、他の現場を覗いたりもしていた。今年は、劇場でその姿を見たいと思わせるわかにゃんと「再会」したことも大きく、劇場に気持ちが回帰してきている。
ロマンスかくれんぼ」は、13期の岡田ちゃん。この間の「RESET」公演で、ももクロにいそうな顔の13期生が気になって、確かこの子だったかとサークルに入れてみたら、おちゃちゃにフランス語に童顔の17歳に落ち着いた読みやすい文章に惹かれ、モバメまで購読をはじめた。公演で気になった13期生は、そんなさっほーではなく、岡田ちゃんだったということに気がついたのは、ようやくここ数日のこと。一人での前座で心細さもあったという岡田ちゃん。その不安が曲の視点と上手く重なった。「RESET」以降、気にかかるようになってきた13期生の面々。まだ全員と遭遇すらしてもいないが、なぜか親近感を覚える「期」になりつつある。
「RESET」公演を機に、距離が急速に近づいたメンバーといえば、10期のまりんちゃん。長い研究生生活にも輝きを曇らせることなく、成長してきている。これまで耳以外ほぼノーマークだったのは不覚だ。公演全体を考える広い視野の持ち主だし、落ち着いた清楚な雰囲気とともに、周囲を照らす明るさも持っている。あひる口の上に、パカリと漫画の笑い顔のように小さく開く口も愛嬌に溢れている彼女の顔を見るのが楽しみになった。地球最後の日MCでは、宇宙飛行士を捕まえて金星に脱出、と話していたまりんちゃん。ところが、この前見たアリスインプロジェクトの劇「ワールズエンドガールズスタート」によると、地球人という生き物は、滅亡の朝に選ばれた人間としてノアの箱舟に乗れることになっても、それを拒否し、皆と同じ運命を選ぶらしいんだ。いざとなれば、まりんちゃんも親しい人やAKBのメンバーを出し抜いてまで乗るようなことはないと思う。
MCは、完全にひらりーが持っていく展開。研究生時代のみおりんが話を振られて最後に全部持っていくタイプだったのに対して、ひらりーは自分から所かまわず乱射。しほりんが「扱い方が分からない」と嘆いていたように、独特のアニメ声を大きく響かせ、他のメンバーのトークも強烈なインパクトで奪って、客席の注目を集めてしまう。いずれ壁に当たるときが来そうで怖さもあるが、この無邪気さを消すことなく、チームとしてのMCに生かしていってほしい。本来は、ひらりーが目立たなくなるくらいに全員がお題に手を挙げて発言するくらいがいい。
もっとも、ひらりーは喋りだけではなく、曲中のパフォーマンスも硬軟を使い分けた表現力で高いレベルにある。止める動きが綺麗なので、身体のこなしにもメリハリがある。「シアターの女神」でのキラキラした笑顔と、「嵐の夜には」の重たい表情。まるで別の人間が演じているみたいだった。もし、MCでの奔放さが矯められたとしても、公演での彼女の魅力は十分残るだろう。
ひらりーにいじられた上に発言機会も失い、あまつさえ納豆みたいな顔色とまで言われてしまった田野ちゃんは、MCでヘソを曲げてしまって、曲中の表情にも引きずってしまっていた。二人ともまだまだ子供だ。ひらりーとどっちがうるさいかと、口げんかのようになってしまったし、この二人の仲は大丈夫だろうかと心配してしまった。すねてマイクの上にへの字にした下唇を乗せた田野ちゃんは可愛らしかったけど。そんな小さなトラブルがあっても、アンコールでメンバーと顔を合わせているうちに、すっかり気分よさそうに、持ち前の弾むようなダンスと晴れやかな笑顔が復活していった。
田野ちゃんのほかに、チーム4からもう一人今日の公演に出演していた朱里ちゃんは、アイドル素質だけでステージに立っているような印象だった。どんな場面でも口を閉じて微笑む表情を崩さず、一定の波長を2時間保ち続けていた。個性というにはちょっと寂しい。
有華の公演を楽しみ尽くす姿勢は今日も健在。思えば、昔はチームKの公演では、遊びがあるのが当たり前だった。それが、研究生システムの導入やチーム制の崩壊に伴って、いつしかそんな余裕はAKBの舞台から消えていった。2年が経ってなお、「シアターの女神」公演が終わる気配すら見えてこずに、兼任人事というカンフル剤に頼らざるを得ないと思われている中で、有華の公演での振舞いというのは、他のメンバーにとってもヒントにならなければいけないだろう。
長いことCDを聴く気すら起きなかった「シアターの女神」公演も、ここに来てようやく馴染んできた。短調の曲を好む己としては、後半の「100メートルコンビニ」から「サヨナラのカナシバリ」にかけての流れがいちばんの気持ちの盛り上げどころだ。曲も振付けも興味深いし、流れの最後に来る「サヨナラのカナシバリ」のリードギターには痺れるような感覚になる。一見、曲と関係ないような脚を蹴り上げるような振り付けも魅力的に映る。「サヨナラのカナシバリ」のような重い曲では、香菜の苦悩の表情が目立つ。彼女の表現力は、笑顔よりも重く苦しい方向に強みを伸ばしていっている。
体調がなかなか整わない状態が続くわかにゃん。ステージに立てば、彼女はいつでも不言実行あるのみ。4つのエクボが出るのは顔が柔らかいからかどうかは分からないが、表情を注意して見ていると、一度表情を変えた後で、小さな変化を加えてくる。瞼の閉じ具合であったり、眉の上げ具合であったり、僅かなところだとは思うのだが、それがあることで表現に深みが加わるだけでなく、微妙なグラデーションを描くことにもつながっている。「夜風の仕業」も歌唱だけでなく、表情にも気を遣っている様子が見てとれ、「泣きながら微笑んで」を見ているときの、瞬きをすることすら惜しいような気持ちに近づいてきた。最前席からでも至近に見てみれば、より一層あの頃の気持ちが蘇ってきそうだが、今年に入ってから劇場で座ることすらないので、実現するのはいつになることやら。
今日も見た目に似合わず運動が得意なことをMCでアピールするわかにゃんは、Google+で二重跳びの動画を載せることを予告していた。縄跳びができるくらいであれば、脚の状態も多少は良いということだとは思うが、よりによってなっつんは料理中のくしゃみで発症したぎっくり腰で休養中ということもあるし、研究生が消耗を強いられるようなところは見たくない。