~熱風の果て~

観劇の記録

「シアターの女神」公演@AKB48劇場

【出演】石田晴香伊豆田莉奈大森美優加藤玲奈小嶋菜月小林香菜佐藤亜美菜佐藤すみれ佐藤夏希鈴木紫帆里近野莉菜名取稚菜平田梨奈増田有華宮崎美穂武藤十夢
和田伝承ホールで「ロッカールームに眠る僕の知らない戦争」(通称ロカボク)のマチネを、れいにゃんシートやや後方から観劇した後、AKB劇場で、昨年夏以来、ようやく通算3回目、省エネモードでないものは初となる「シアターの女神」公演への入場。
ロカボク」を客席で観劇し、トークショースペシャルゲストとして登場したれいにゃんは、落ち着いたトークもできるようになっており、成長を感じた。れいにゃんは、チームK最年少なので、相楽さんが演じた妹の四ツ葉役をやりたいと言っていたが、まだチームK最年少はれいにゃんということでいいのかな。「浅草あちゃらか」以来、演劇から遠ざかっているれいにゃんも、出演者たちの演技に刺激を受けていた。映画では活躍する彼女が、今、舞台でどういう演技もするのか、そろそろ見てみたい。今日は、劇場公演でもれいにゃんの演説が上映されたり、MCでれいにゃんの名前が出たり、Google+選抜のPVが流れたりと、ずいぶんと彼女に縁がある一日だった。
http://ameblo.jp/reina-fujie/entry-11249876364.html
昨日は、「山→川→豊」で笑いをとっていた、横山さんの順子が全学連のアジトに入るシーンでの合言葉、今日は何と「山→川→ひろみ」!本日、22歳の誕生日を迎えた、女神座ATHENAの看板女優である山川ひろみさんの名前が、舞台上にも客席にもいるわけではないのに唐突に出てきた。ちゃきさんと山川さんは昨年夏の舞台「ライン♪」で、桜日和、中河原由香の元演劇部コンビで出演した縁がある。この舞台の客層への知名度は決して高いとは言えない山川さんの名前が出てきたのも、誕生日を祝おうというちゃきさんの心遣いでもあっただろう。
この1週間、体調不良による休演、体調不良の13期生に替わっての急遽の公演出演、そして再度の体調不良による休演を経験したなっつんのことは心配だったが、今日の公演には、無事、ともーみポジションで、にこぴちな姿を見せてくれた。アンコール後の「真夏のサウンズグッド」は、なっつんがセンター。しかし、声はまだ万全とは言えなかった。曲間MCでは、今日も発言できなかったのは残念。UTBによるとゆきりんを目標にしているということだが、B3公演あたりでのゆきりんの存在感にはまだ遠く及ばない。今日は、わかにゃんからショートにしたと読者を騙すモバメが届いて、その後には、なっつんから、ショートっぽく見える写真が添付されたなっつんと森川さんのツーショットの画像も届いた。わかにゃんは髪の毛先まで使った表現を見ていたいのでショートにしてほしくはないが、なっつんは画像を見る限りショートが似合うし、表情がよく見えるようにもなるので、ショートにしてみるのも面白そう。
回復したなっつんの一方で、まりやんぬと小森さんが体調不良のため休演で、小森さん代役のれなっちさんも喉の調子が悪そうだった。そんな日にまりやんぬの空気の読めなさをMCでネタにする香菜は、彼女なりの優しさ・・・なのか?昨日、録画した「つんつべ」でも見ようかとテレビをつけたら、「ウドちゃんカナちゃんお悩み相談室」という新番組の番宣が飛び込んできたので、その新番組も録画してみた。番組でも劇場公演でも、香菜のトーク中の独特な無表情さは、下手すると誤解も生んでしまいそう。代役出演した「嵐の夜には」を含め、曲中の表現力はデビュー以来一貫して上げてきているのが彼女の真の姿ではあるのだが、劇場でのMCでもやっぱり独特の表情が出てしまうので、見る側からはそちらの印象の方が強くなってしまうとしたら損だ。
この間の「目撃者」公演でわかにゃんに魅了されたのは、彼女とセットリストの相性の良さもあると思っていたが、今日の「シアターの女神」公演で、相性を超越したレベルにあることを認識した。完全に曲の世界を消化して、力を抜いた表現と鬼気迫る表現を使い分けられているし、動きの大きさ、切れ味も素晴らしい。アンコールでは、帽子が高速回転の遠心力に耐えられずに脱げてしまっていた。唯一、「夜風の仕業」だけはもう少し変わる余地がありそう。歌うことに集中しているがために、表情は全体曲と比べて訴求力が低かった。まだ見たことがない彼女の「RESET」公演も、いつか劇場で見る機会が来てほしい。モバメによると、今日の公演でのパフォーマンスは、わかにゃん的には「だめだめ」だったとか。これで「だめだめ」だというのなら、彼女の自己評価が「らめらめのキラキラ」になったときのパフォーマンスはどれだけのものになるのか恐ろしいくらいだ。
公演をいちばん楽しんでいそうなのが有華。「愛のストリッパー」での色っぽい表情には思わず魅了されたし、メンバーや客席とのコミュニケーションも図りながら、自らの気持ちも上げていき、常に表情が晴れわたっていた。有華のひらりーのモノマネは本人そっくり!2006年のAKBゴングショーでは、ともーみのモノマネを披露したことも思い出す。普段の声からは想像できない声も出すことができる有華は芸達者だ。たこ焼き自己紹介は14歳から20歳になっても健在。そういえば、有華にNなっちに香菜にちかりな・・・元KメンはみんなK5時代の自己紹介を続けていた。
Nなっちが有華の胸にエグい触り方をしてくるという話が出たと思ったら、アンコールでは、曲中にまさにそれを実演するNなっち。そんな有華も、はるきゃんの胸を触ったりしているとか。己からすれば、女性の乳房に対しては一種の神格性を感じていたいし、あんまりメンバーが胸の安売りはしてほしくないなぁ。
逆に神格化してほしくないのが、メンバー自身。「シアターの女神」や「チームB推し」ではそこが崩されるのが非常に嫌な点。メンバーは女神でも天使でもなく人間だ。ゆえに安易な「神〜」という表現も嫌う。現実には、メンバーとヲタの間には暗くて深い河があるわけだが、メジャーアイドル化したAKBの姿からは逃避していたい己としては、せめて公演の中くらいは「同格」でいさせてほしいと思ってしまう。
この2曲に限らず、「シアターの女神」公演のセットリストには今ひとつ馴染めない。携帯プレイヤーに転送してある曲は、「嵐の夜には」と「100メートルコンビニ」の僅か2曲にとどまっている。ユニットも全体曲も、流れの悪さ、メリハリの乏しさ、インパクトの小ささといった負のイメージから逃れられない。セットリストの流れからは隔離すべき「チームB推し」がアンコールの真ん中に配置されていることや、ユニットの冒頭が「初恋よこんにちは」という力不足の曲でしかもなぜあの衣装なのか理解できない・・・といったあたりも、己がこの公演に対してテンションを持続できない原因になっている。
体調不良のまりやんぬに替わって出演のひらりーは、「ロマンスかくれんぼ」にも登場。大森さん以外が演じるのははじめて見たが、この曲は大森さん以上のはまり役はそうそういないような気がする。素朴さが滲み出るという点では大森さんは申し分なかったし、腰を使った表現も、大森さんの方がいじらしさが出ていたと思う。
ひらりーは、舌足らずな喋り方と独特の声、そして日本の常識と彼女の常識とのギャップが生み出す空気の乱れといった要素による、公演のマスコットキャラクター的な印象が強くなりがちだが、「嵐の夜には」のような大人っぽい曲では一転して凄味のある色っぽさを繰り出してくるところは見逃せない。常識ギャップや喋り方はいずれ普通に近づき、この点での個性が消えていくことはあるかもしれないが、表現を磨いていけば、将来は本格派として輝くこともできそうだ。