~熱風の果て~

観劇の記録

岩佐美咲「無人駅」発売記念インストアイベント@浅草音のヨーロードー〜新橋駅SL広場前

目の前の彼女の姿は夢うつつかと思うほどに、その瞳の色と声色が映し出す雪国の景色に導かれ。自分の人生でないながらも、つくづく運命とは不思議なものだと思う。
デビューシングル「無人駅」のフラゲデーの今日は、浅草と新橋でキャンペーンイベントが開催された。浅草は「ヨーロー堂」という雷門近くの老舗歌謡曲店で、売り場面積はせいぜい30〜40平米といったところ。店舗2階が演歌キャンペーン専用のフロアになっていて、小さなステージと客席が設けられていた。ジャンボ小林さんの前説に続いて、客席通路を通って演歌歌手わさみん登場。「無人駅」、「瀬戸の花嫁」、「翼をください」、最後にもう一度「無人駅」という構成だった。30年仕様の「無人駅」の粘り気からライトな歌謡曲への切り替えができていたのはさすが。「無人駅」は、音源ではまだ黒っぽいというか、洋楽の残滓が耳につくところもあった。生の歌唱ではそういう面は消えており、演歌歌手としては上手くなっていたのではないだろうか。音程やビブラートの安定感は、まだまだ一人前の演歌歌手のものではないと思うが、逆にこれから先の楽しみがある。凍えた指がぬくもりを探し、わさみんと7か月ぶりに握手。幾度となく重ねた掌、思い出した。
新橋とのインターバルに、初回盤のDVDを鑑賞。「岩佐美咲HISTORY MOVIE」は、無理にドラマを作ることなく、オーディションからソロデビューまでの軌跡を本人の飾り気のない言葉とともに振り返るもの。キャラがないことに悩んでいたというわさみん。消費されるだけのキャラクターなら探す必要もないが、「演歌」という人生を貫くほどの太い柱を手にしたことは心から祝福したい。
新橋SL広場は、SL前にステージを組むわけではなくて、隣接するビルの2階がバルコニーのようなステージになっていて、そこから「無人駅」、「瀬戸の花嫁」、「演歌ヘビロテ」、「無人駅」の流れ。雪が僅かに散らついたが、無人駅MVのような状態にはならなかった。「演歌ヘビロテ」は前置きをされないと原曲が思い浮かばないほどに「違う曲」になっていた。悪ふざけという感じでもなく、普通に聴ける。新橋は、浅草と比べてステージが遠いかわりに、多くの人が行きかう駅前のオープンスペースに対する発信力はその比ではない。将来は、ニュース名物の新橋のサラリーマンにも愛される歌い手になってほしい。ソロ歌手・岩佐美咲のことは、AKBや渡り廊下とは関係なく、長く応援していきたい。