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~熱風の果て~

観劇の記録

SOUL FLOWER(ASSH)@笹塚ファクトリー

【作・演出】まつだ壱岱

【出演】郷本直也、大谷雅恵、林明寛、山沖勇輝、土倉有貴、中村まい、服部翼、鵜飼主水、八木響子、工藤亜耶、天野由紀子、須加留、上原涼、三宮ユリカ、TAKE、押田美和、貴哉、クシダ杏沙、丸山雷電、後藤那奈、太田征宏、成瀬隆典
まつだ壱岱氏率いるASSHの公演は、14thの「白キ肌ノケモノ」に続いての観劇。

会場の笹塚ファクトリーは、左右両側に階段状の座席が配置され、中央にエントランスからのアプローチが設けられる、少し変わったつくり。「VAMPIRE HUNTER」以来の入場となったが、そのときよりもステージは広く見えた。
近未来を舞台に、汚染地域に住む人々と、汚染物質によりヒトが変異したミュータントたち。ヒトとミュータント、富める者と貧しき者との愛と憎しみ、希望と絶望が、ひとりの歌姫を軸として、激しいアクションを交えながら描かれる。
バベルの塔を模したビルを建て、神そのものになろうとするミュータント・ジョーカーは敵役ながらも、愛と美学を貫く生き様には、一片の爽快感すらあった。「ヴェッカーサイト」のザンビール様に近いイメージだったが、ジョーカーの場合は、最期を前にキーコから慕われるシーンがあったことと、人間の飽くなき欲望を予言することで、その死には大きな余韻が生まれた。ジョーカー様には「ブランディーズ」という親衛隊がついていて、これが無機質さといい衣装といい、バニラビーンズ熟女担当版みたいだった。脇役にもそれぞれ個性と役割があり、共感できる面もある。善悪を明確に分けられない点を含め、己の好みに合致する。
ヒルズのスター、クロサワコージ役の、おっきーこと山沖くんは、またもナルシスト役。もはやお約束のような感じなのだろうか。これだけ爽やかにナルシストを演じられる人というのも、そうはいないように思う。
アクションシーンの迫力は、当然ながら「ヴェッカーKAI」とは比べ物にならない。客席にいてもその迫力に恐怖感を覚えるくらい。特に押田美和さんのアクロバティックな身のこなしには驚かされた。
主役のサガミは、余りにも格好よすぎたのが少し不満。強く、媚びず、情に厚く、生と愛を手にする。「ケモノ」の白虎丸のように深く懊悩するような場面があった方が、己はより共感できただろう。