~熱風の果て~

観劇の記録

中野ブロンディーズ(ネルケプランニング)@サンシャイン劇場

【原作】金房実加、【演出】大岩美智子

【出演】増田有華、田嶌友里香、梅田悠原望奈美浦野一美西脇彩華小林由佳中島愛子、長谷川桃、中根由衣、中根亜衣、たくませいこ
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本当は池袋に行く前に荻窪でのしたんの映画舞台挨拶を見る予定だったが、何と会場の魁ホールの設備故障とかで午前の部が中止。返金の上で昼の部に振り替えてくれたので良対応と思っていたら、昼の部では30分以上並ばされた挙句のアナウンスが、あと30分くらいで設備業者が来るとか・・・。池袋に間に合わなくなるので仕方なく撤収。魁ホールは、なかやんも出演する「ヴェッカー」の舞台が来月上演される場所なんだけど、こんなことで大丈夫かな?
サンシャイン劇場には今回が初入場。舞台上の無機質なセットが不自然に斜めを向いていたので見づらそうと思っていたら、本のようにパカリと開いて、中からおしゃれに区画されたセットが現れた。
有華のミュージカル女優姿は、小池やキャサリンをやっていた頃からずっと見たいと思っていたものだった。ユニットで歌手としての活動が中心になると、演劇の世界からは遠ざかってしまうのではないかと恐れていたが、このタイミングで最も才能を活かせる仕事に恵まれたところにも、有華に流れが来ていると感じる。
主役を演じる有華の役どころは、マンガ好きなヲタク女子大生。弱気で少しウジウジしたところは、普段の有華が外に見せることがないところだったので新鮮だった。当然大阪弁でもない。役を演じる中で、素の顔を出さずに、ヲタク少女の内面の成長を表現できていた。チアガール姿もゴスロリ姿も似合うし、何をやらせても華がある。要所要所での歌唱パートでもダンスを交えて実力を発揮。やはり彼女はこの仕事にも天分がある。たくまさんの歌を聞いていると、ミュージカルで必要とされる歌唱は、一般的な歌唱力とはまた違うもののようなので、有華が将来、ミュージカルの世界で活躍するためには、まだ足りない部分もあるということも感じた。
ヲタ少女たちのセリフは聞いたことがないものでも、彼女たちが発するとなぜか面白い。デフォルメされた各種ヲタクは、存在だけで面白い。この劇は、歌がストーリーを止めるのではなくて流す役割を果たしていて、クライマックスまで中だるみすることなく進んでいった。ラストシーンの演技シーンはとにかく華やか。カーテンコールがあったのかどうかも分からないくらいにあっさりしていたのは残念。アクロバティックに盛り上げた後だったので、もう少し余韻を味わわせてほしかった。
AKB組以外も、歌唱力のある人たちばかり。歌唱力には定評のあるちゃあぽんの顔を見たのは2005年のジェイクラス祭り以来。その頃は、今よりももっと顔が有華に似ていたはず。グラマラスな体型も有華と似ている。歌のソロパートをもっと聴きたかったが、よく通る声で安定したセリフ回しだった。
CinDyはメイドさんのゆずにゃん。26歳になろうという彼女だけど、相変わらず年齢を感じさせないし、何をやっても独自の世界をつくり上げてしまう雑食性には脱帽。ゴスロリ少女役のSKE原さんは、素顔を見る機会があったとしても、キット役の子だとはたぶん分からないだろうな。SDN梅田さんがメガネを外しただけで分からなくなってしまったくらいだし。