~熱風の果て~

観劇の記録

ギンノキヲク(ラビット番長)@あうるすぽっと

【作・演出】井保三兎

【出演】砂押正輝、田野聖子、柴田時江、乃下未帆、成瀬智彦、田原愛子、丸山裕征、野田あゆみ、あべかつのり、井場景子、新宮崇太、澤崎アケミ、永木貴依子、田中聡、菅野佐知子、吉田ミシン、町田奈緒、図師千勝
豊島区立図書館と同じ建物に入っている区立劇場であるあうるすぽっとは、約300席の規模を誇る。満席とはいかないまでも、座席はそこそこ埋まっていた。
新人ヘルパーの主人公の成長物語で、2つの家族の物語が重要な緯糸として絡まる。作者自身が介護の現場に身を置いたことがあるということで、男性が寿退職を余儀なくされるような過酷な業界の実態や、悩みや喜びの描写にはリアル感があった。個人的にも係わりの深い業界の話なので、いろいろと思うところはあった。
ただ、元会社社長が50年間も統失患者を演じ続け・・・という設定はリアル感がなかった。そこまで観客の意識を自然に導くための架け橋となるようなエピソードがもう少し盛り込まれないと、置き去り感が残ってしまう。
のしたんは、ストパラの鬼編集長から一転して、モエモエニャンニャンなメイドさん役。3種類のメイド衣装を披露していた。お店ではモエモエしつつ、プロ意識の高い現実主義的な一面も持つメイドさん。のしたんは、その両面の切り替えを器用に演じていた。落下ガールでともちゃんが演じたまみりんとはまた違ったタイプのメイドさんだった。「もんぞもんぞ」に続いて、この劇でもまた全力ヲタ芸を見ることになるとは思わなかった。ラストシーンにモエモエニャンニャンデイサービスの実演があるかと期待したんだけどなー。