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~熱風の果て~

観劇の記録

GOEMON痛快伝(A-LIGHT)@六行会ホール

演劇 演劇-2011年
【脚本】渡辺明、【演出】薬袋一久

【出演】薬袋一久、真佐夫、樋口夢祈、遠藤誠那珂村タカコ、鳥越裕貴、山本健史、青木淳高、翁長卓、神谷光、武田烈、小川大悟、上田理恵、中津五貴、西村風太小市眞琴、輪島正俊、外山国義、笠原嘉人、西井旭、船木正秀、宮川翔一郎、高橋光、中谷大介、千代満久、安在達哉、佐々木翼、吉倉絵里、中村美香、田中亜砂美
昨秋の「Alice in Deadly School」「浅草あちゃらか」の会場でもある品川六行会ホールでのアクション活劇を鑑賞。
今回のお目当ては、「VAMPIRE HUNTER」に主人公ルキスオストスの少年時代で出演していた中村美香たん。「VAMPIRE」では、彼女が刀を振るって血族と戦うアクションシーンが第一場で、このまま彼女が主役でもいいのにと、成長してしまうのがもったいなくも思えた。今回の彼女の役どころは、東洋風の美女4人組のひとりでツインテール姿。アクションシーンはなく、台詞は多くはなかったが、よく通る少年の瑞々しさを湛えた声は魅力的だ。その下がり眉と上がり目の面影はチームBのしほりん似でもあるのだが、美香たん含む美女軍団がAKBの「会いたかった」を振りつきで歌いだすシーンなんかもあった。唐突にやられると無意識に指さししたりしてしまいそうで怖い。
劇中歌担当は「VAMPIRE HUNTER」レオン役の武田烈くん。「VAMPIRE HUNTER」は、己の演劇ライフにとっては結節点ともなる舞台だった。大役を務めた彼の舞台上での役は、パンドーレ軍のゲイリー・ヒアルロン・コイズミ。ジュエリー・チョッチュネー・パパイヤ役の神谷光くんともども、裏切り者の小悪党役だった。
この劇は、悪役が裏切って誅されるだけで終わってしまったのが最大の不満点。主であるル・デラ・パンドーレ・カズオや大金有男を裏切るにも理由はあるわけだし、そこに至るまでの葛藤も描ければ深みが違ったはず。悪役ひとりひとりの個性が出て、死んでほしくないとまで思わせるまでの感情移入を起こさせた「VAMPIRE」に比べると、メインキャラクター以外の描写が浅薄だったことは否めない。演出の薬袋氏が主演を兼ねていることを考え合わせると、チームゴエモンはじめ、脇役陣にも、もっと見せ場があった方がよかった。
最近、殺陣をふんだんに盛り込んだ時代ものの舞台を見る機会が多い。この手の舞台では、派手なアクション以外の部分でどれだけ深いストーリーを見せられるのかという点が重要だと思う。GOEMONはその意味でも食い足りなかった。殺す、死ぬと思わせてそうしない、という場面が何回もあったのはくどかったかな。GOEMONがピンキーに刃を向けるシーンは、またかという感じで緊張感を感じることができなかった。
つい、もったいないと思う点ばかり挙げてしまったが、50名にも及ぶ若い出演者が奥行きのある広い舞台を生かして躍動するさまには、ものすごいパワーを感じることができ、爽快、痛快だった。障子を縦横無尽に動かしたり、船を騎馬戦のように動かしたり、黒子に布を持たせて波を表現したりといった手法にはスケールの大きさを感じることもできた。