~熱風の果て~

観劇の記録

【DVD】時空警察ヴェッカーサイト(ダブルフォックス)@大和田伝承ホール(2011.2)

【原作・演出】畑澤和也、【脚本】兵頭一歩

【出演】花原あんり、山沖勇輝、仲谷明香、磯貝龍虎、南場映里、八戸亮、鮎川穂乃果、紅葉美緒、中村太一、大山貴世、森川和真、岩田栄慶、高口幸子田名部生来、繭Co.、市川貴之、しほの涼
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上演当時、行くべきか迷いに迷った挙句、結局行かなかった「ヴェッカーサイト」のDVDが到着したので鑑賞。今だったら観劇しないという選択はあり得ない話だが、当時はアクションや戦隊ものは苦手という食わず嫌いの躊躇が勝ってしまった。舞台を見に行くということに対して今ほど貪欲でもなかった。
結局DVDであれ出会うことになったのは大げさに言ってみれば必然。山沖勇輝、磯貝龍虎の両君には既に舞台での演技とアクションを堪能させてもらっているし、この後、「ヴェッカー」シリーズでは、映画「デッドリーナイトシェード」、舞台「ノエルサンドレ」が公開を控えていて、今度はどちらもリアルタイムで見ようと思っている。
フランス革命を舞台に、王妃マリアとの愛に生きようとする時空査察官から歴史を守ろうとする時空警察、という構図だが、単純化はせずに、時空刑事や敵側の心の揺れを中心に、「正義」と「愛」を観客にも問いかける。なかやん演じる時空刑事ディアナの、自ら断頭台に上るという選択には息が詰まる思いだった。マリー・テレーズはともかくとして、ルイ・シャルル殿下まで「ずっと生き残ります」というのは無責任のような気もしたけど・・・
メンバー同士のささやかな「愛」の芽生えは微笑ましい。その中で、機械である時空刑事アルテミスや、人工生命体であるウルの「愛」には哀しみも付きまとう。大山貴世たん演じたウルの存在が、この舞台では最も印象的だった。
アクションの迫力は映像では十分に伝わってこないのは仕方がない。やはり舞台は生で見るべきものだ。駆け出しのような設定なので、全体的には苦戦の連続の時空刑事たち。それでもヴェッカーの女性陣にはもう少しアクションシーンでの見せ場があった方がよかった。主演の花原あんりたんはいい蹴りを繰り出している割に簡単に捕まったりやられたりしてしまうのはもったいない。
たなみんは、時空犯罪を犯す看護師役で一場の出演にとどまっていたが存在感は見せてくれていた。アクション女優を目指している彼女には、時空刑事役をやらせてあげてほしかったな。