~熱風の果て~

観劇の記録

「シアターの女神」公演

【出演】増田有華山内鈴蘭小嶋菜月名取稚菜鈴木紫帆里北原里英小森美果小林香菜佐藤夏希佐藤亜美菜近野莉菜宮崎美穂石田晴香渡辺麻友鈴木まりや佐藤すみれ
15歳、17歳、18歳、そして20歳。増田有華誕生祝公演に通算4回目の参加。熱いハートゆえに時には悩み苦しみながらも信念を貫いて使命を確信するに至った彼女の確かな成長を感じることができた。
まりやんぬが探知能力を身に付けたと言って発見した手紙はお母さんのものと思わせて有華の瞳を濡らしてからNなっちの創作というオチ。みゃおのときも同じことをやったとか言っていたけど、これはダメだね。何より有華推しの人にも失礼だし、こういうことをするくらいなら自分の思いを書けばいい。Nなっちのことだから、有華にはちゃんと伝えていることは容易に想像はできるけど・・・。そもそも、劇場での誕生祝には、家族からのものであっても手紙は不要だと思う。
MCは有華のことを語るというテーマ。「ありすぎるくらいある」と言っていた香菜が後回しにされて結局発言できなかったのも残念なシーンだった。「顔をはっきりさせて、スタイルよくして、歌を上手くして」と自分を完璧にしたのが有華だと語るきたりえは、ネガティブな彼女らしいリスペクトの仕方だった。
「ゆっぱい」という呼び方は、単純に品がないという理由で、己は好きになれない。その呼称を、客が喜ぶならと受け入れつつ、乗り越えるべき存在として対抗意識を燃やす有華は心強い。ついでに、「ゆったん」も彼女のイメージではないよなー。今日のステージを見ても、「シアターの女神」公演は、有華の実力、魅力を余すところなく発揮させるセットリストではないかもしれないと思ったけれど、チームBで居場所を見つけたと話す彼女の表情を見ると、余計な心配なのかもしれない。
「シアターの女神」公演には今日が初参加。ゆえに「チームB推し」は「あなたは今日でれいにゃん推し!ほらチーム(にゃん・にゅん・にょん!)」と、「あなたは今日で梅ちゃん推し!ほらチーム(う・め・ぼ・し!)」というK公演ソファー後MCバージョンしか生で聴いたことがなかった。
CDもほぼ未聴。歌詞カードを見ても、曲の出だしを聴いても、再生を続けるモチベーションがなくなってしまったというのが正直なところだった。
震災後の公演に入るのも初めて。「もっと光を・・・」と言いたくなる公演といえば、K4「最終ベルが鳴る」公演を思い出すが、今日も光の少なさには違和感を感じざるを得なかった。エネルギー事情への実効性は疑問ではあるが、大事なことを忘れないためにということであれば、効果はあるのかもしれない。
出演メンバーは、ほとんどがレギュラー公演では1年半ぶりに見る人たちなので、デコ出し組を中心に、同定に2曲目の途中までかかってしまった。1曲目は余りにも一目で誰が誰だか分からなくて、時の経過を実感した。みゆみゆ?と思えばはるきゃんだったし、なっちゃん?と思えば鈴蘭たんだったし、ギャルともーみ?と思えばNなっちだったし、もうボロボロ。
今日の公演でいちばん目を引いたのは鈴蘭たん。バネのような小気味良い動きはまったく鈍っていないどころか、ますます捷さを増していた。彼女の姿を見ているだけで気分が乗ってくる。こういう子がひとりいるだけで、ステージの引力は格段にレベルを増す。
レギュラー公演では初めて見たなっつんのイメージは、5年前のともーみ。「たれ目がチャームポイント」というわけではないけれど、似た背格好に華奢な立ち姿。そして色気を感じさせる科のつくり方とそれと相反する年相応の可憐さは、まさに5年前にともーみに感じたものだった。
しほりんは全曲出演ではなかったけど、アンコールの「オネストマン」には圧倒された。見てはいけないものを見たような畏敬の念すら惹起させる、全身全霊を込めたパフォーマンスの凄味に目を離すことができなかった。彼女の隣で踊るメンバーには気の毒なくらいだ。
わかにゃんのこともレギュラー公演では初見。久しぶりに劇場公演に申し込もうと思ったのは、有華の誕生祝ということに加え、わかにゃん出演公演ということも理由のひとつだった。ゆきりん代役ということで、センターポジションを占めることが多かった。まゆゆ、きたりえといったところと並んでも、格の違いといったものは特に感じなかった。高い歌唱力の持ち主である彼女のソロステージを見られたのも幸運。何より、マシュマロのようなソフトな丸顔を見ているだけでも幸せな気分になってくる。
一方、Bメンのパフォーマンスには印象に残る点が少なかった。新セットリストも考えにくいような状況の中、もはや劇場で成長云々というイメージを抱きにくいのは、メンバーの責任ではないけれど、何だか淋しさを感じてしまった。