~熱風の果て~

観劇の記録

ライン(アリスインプロジェクト)@博品館劇場

【脚本】麻草郁、【演出】天野まり

【出演】中村優小松彩夏吉木りさ川村ゆきえ橋本愛奈畠山智妃佐武宇綺、山川ひろみ、佐藤美奈子、宇田川美樹、くぼたみか疋田紗也坂本りおん、徳岡茜、重本未紗、神山渚、白岩英里子船岡咲、名嶋あゆみ、福見真紀、江崎いく子、高橋明日香、青木ゆり亜、長友知美、蒼井ちあき、萩原和佳奈、しおりん、木村葵、中村優里、亀田怜央奈、青野未来、原田里佳子、しほの涼
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大きな会場で強気の価格設定、大物のキャスティングが予想されたこの舞台。最近のアリスインプロジェクトは平気でキャスト発表前にチケット売り出すからタチが悪い。「アイガク」からの突然の撤退とか落下ガール系と袂を分かったかのような展開には引っ掛かるところもある。
新橋駅近くの博品館劇場で開催ということで、お台場への往復を挟んで昼と夜の両公演を見るには合理的!
劇団女神座の看板女優である山川ひろみたんは、錚々たるメインキャストに混じって「こいつ誰だ?」みたいに思われるのではないかと恐れていたらしい。アイドル業界に疎い己にはどの程度の豪華さなのかよく分からないけど、ひろみたん扱いでチケットと買っておいてよかったと思った。
みかん・りんご姉妹が吉木りさたん演じる演劇部長や生徒会長とのわだかまりを乗り越えて、仲間たちとラインダンスの発表を成功させる物語。ストーリー的には平板な印象は拭えなかったが、ラストの華やかなラインダンスを見られるだけでも価値はある。
「落下ガール」で演歌歌手・石川さゆき役を演じた吉木りさたんは、やはり声がいい。常に自信を崩さない強くて弱いキャラクターを演じて存在感を放っていた。ゲストキャラとの絡みも見せ場のひとつ。
畠山智妃たんの演技は、3月の「GPO」以来の拝見。彼女が相好を崩すと何ともいえない幸せな雰囲気になる。ひろみたんとの演劇部コンビには和まされる。千秋楽では「アンポンタンのスットコドッコイのミンミンミンだー!」と宣伝を兼ねたような罵りで会場を湧かせていた。橋本愛奈たん演じるダンス部部長とのコンビで見せたダンスは申し分ない完成度だった。愛奈たんは年上のキャストに囲まれつつ、確かに18歳には見えない貫禄があった。
佐武宇綺たんのことは、2005年に築地で開かれた「ジェイクラス祭り」以来久しぶりに見た。健康な女子高生役がぴったりで、舞台上に明るさをもたらしていた。
女神座最後の舞台で爆弾娘・ルナ役を演じていた、まりやんぬ似の蒼井ちあきたんは、最後のあいさつで笑顔で手を振りながら明るくコメントし終えざまに大泣きモードに入ってしまうあたりが健気でかわいかった。これだけ出演者が多いと、黒髪女子というだけで十分目立つ。新聞部の徳岡茜たんは、「クロパラ」のときに引き続いての大げさな演技での小者ぶりがいい。
この後、アリスインプロジェクトはわずか中2日で次の舞台の幕を開ける。