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~熱風の果て~

観劇の記録

「見逃した君たちへ」AKB48グループ全公演(第15日)

AKB48 AKB48-イベント・コンサート

【出演】秋元才加牛窪紗良梅田彩佳大島優子大堀恵河西智美川栄李奈小林香菜佐藤夏希鈴木紫帆里名取稚菜野呂佳代増田有華松原夏海森川彩香宮澤佐江
「見納めの君たちへ」公演になりそうな今回のリバイバルシリーズ。2回目にして最後の参戦となった今日の演目は、K3「脳内パラダイス」公演。
このセットリストを生で見るのは2007年6月3日以来。己にとってはK4と双璧をなすセットリストで、何と個人的AKBベストテンのうち8曲までがK3、K4で演じられる曲となっている。K4が、メンバーがチームワークと個人技で「見せる」公演なら、K3はステージのメンバーと一緒になって「感じる」公演、「参加する」公演だ。
セットリストの評価としてもナンバーワンのK3公演。解散が決まっていた当時のチームKに対する想い、最後の時を一瞬たりとも見逃すまいと集中してステージと相対した心持ち、チームKと出会えた奇跡を噛みしめられた幸福。これらのものが渾然となって、今でもなお己の中でのAKBとの思い出の大きな部分を占める公演になっている。
「友よ」は、チームKの楽しい放課後のひとコマ。優ちゃんがいない以上は、楽器編成はあきらめて歌だけのステージになるかと予想していたが、数日前にベースの練習をしているという優子たむからのモバメを読んで、期待感が上がっていた。スピーカーから響く音が生演奏かどうかは、現場では確信が持てなかったが、ともーみのハーモニカやなっちのギターは、少なくとも昔の音源とは異なる音だった。終盤でようやくドラムを叩く少女がいることに気がついたけど、己の場所からはちょうど顔が見えない配置だったので、誰が叩いているのかよく分からずじまいだった。
「脳内パラダイス」は、ABCDや時計やアゴ出しなど、とにかく忙しい振り付けと、歌詞が放ち続ける空しさを一切感じさせないメロディが当時は斬新で、劇場公演で「脳内パラダイス」状態に導くには最良の曲だった。「夏海が可愛い!」コールは当時もしたことないので今日もしなかったが、なっつみぃがかわいいことに異論はない。
「気になる転校生」は、3学期を中心に演じられたK3公演の序盤を締めくくる曲。問答無用にノリの良さを求めてくる曲は、己は最も苦手にしているのだが、この曲は不思議とノリの押し付けを感じずに自ら盛り上がれる。上手固定えれぴょんが当時の見所だった。
自己紹介MCのお題で、優子たむにとってのパラダイスは自分の目。光を透過するのに、同時に強烈に光を反射するという優子たむの半透明の瞳は、最初に己を彼女に惹き付けたものだ。今日の優子たむは、K3当時を思い出させるストレートヘアで、髪も黒髪に近かった。
自己紹介1列目が袖にはけようとしたそのとき、佐江から「ちょっと待って」コールがかかる。ここで、今日、16歳の誕生日を迎えたかおりん代役のわかにゃんが佐江から紹介される。涙ぐむ姿には、去年の5月、わさみんをいじめるおーちゃん役で出演していた舞台「らめらめ」の千秋楽のラストシーンで大泣きをしていた彼女が重なった。あのときは、歌の場面では14歳でありながらセクシーなボンテージ衣装に肉体を包んでいたのも印象としては強烈だった。その後、刀根さんと一緒に萌乃たん招待でK6公演に観客として来ていた姿も見ていたので、彼女が研究生として加入したときにはびっくりした。「らめらめ」での縁もあって、握手会に行ったりモバメを購読したりと、己にとっては何かと気になる存在でもある。そんな彼女が、研究生としての代役出演でありながら、佐江のチームKらしい素晴らしい心遣いのおかげで、大会場で誕生日を祝われるということに限りない温かさを感じた。
11期研究生の自己紹介ははじめて見た。あーやろいどさんの自己紹介には、香菜とめーたんは口をポカンと開けながらあっけにとられていたので、あまりいい印象じゃないのかなと思っていたら、めーたんが自己紹介でさっそく拝借。みおりんの成功もあることだし、研究生は、初期チームKのように、自己紹介に積極的にキャッチフレーズを入れていく潮流になるのだろうか。
優子たむの「泣きながら微笑んで」を生で見るのも4年ぶり。帽子が当時のものとは微妙に違っていたかな。幸福とは、得てして失ってはじめてそれと気付くものだが、当時、優子たむの「演技」を息遣いが感じられるほどの至近から見られることを無上の幸福と感じながら鑑賞することができたのは、己にとって幸福なことだった。ポリープ手術を経て、綺麗な歌声に変わっていたが、最後のファルセットは、ギリギリで声を絞り出しているという感じではなくなってしまったのは少し惜しいと思ってしまった。この曲を材料に彼女の4年間の成長を確かめるには、今日は距離が遠く、時間も足りなかった。
「MARIA」は梅ちゃんが演じるのを見たのは3回だけなので、いまだに梅マリアよりはメグマリアの印象の方が強い。しかし、有華を中心にともーみと梅ちゃんを両脇に据える配置は2006年という時代ならでは。退廃的な衣装に力強い歌詞とメロディ、宗教的な要素を絡めた振り付けなど、多彩な魅力で訴えてくる「MARIA」は、チームKのユニット曲の中で己が最も好きな曲だ。
「君はペガサス」はNなっちへの思い入れが強い曲。K2でユニットを与えられないというどん底から這い上がり、羽ばたきをはじめたK3での彼女を象徴するような曲だった。長身の4人が華美な衣装で高い歌唱力をもって演じるこの曲はK3中盤の華だった。今日はノンティが当時とは違って、笑顔をのぞかせながら演じている姿が目についた。
「ほねほね」は研究生ペア。うっしっしーさんはうっちーに似た面影もあって、丸顔でかわいく、目が輝いていた。己にとっては今日が彼女を見る最後の機会になるが、ほねほねを演じた姿は記憶にとどめておきたい。
「くるくるぱー」は、もし席が最前だったらネギを持ち込もうかと思っていたが、幸いにもそうはならず。調子に乗った香菜がわかにゃんの頭でネギを粉砕してしまって、めーたんがハタキでステージをせっせと掃いていた。めーたんはしほりんの開脚を下から覗こうとしたり、キス魔ネタを振られたりと、MCでは変態キャラも発揮。チームKではおばさんキャラを演じる自覚もあって、セクシーボイスはますます年増感が出てきていたが、「スーパーロリフェイス」な萌え系めーたんも捨てがたい。そして「くるくるぱー」は、めーたんが持つそんな一面が大いに発揮された曲でもあった。リバイバルのチームKの2公演で、改めてAKBからめーたんが抜けた穴の大きさを感じた。後期チームKでのめーたんが艶を追求していった代償に失ったスケールの大きなダンスが今日のステージでは存分に見られた。
「クリスマスがいっぱい」は、ここまで来れば季節はずれなんか関係ない。クリスマスソングといえば「あなたとクリスマスイブ」のようなしっとりしたバラードが主流かもしれないが、この曲のようにひたすら楽しさを追求する方向性の方が己の好みだ。
「シアターパイレーツ」は世間的にはあまり人気はないかもしれないが、個人的にはけっこう好きな曲。K3での客席との一体感を象徴する曲でもあるし、劇場の楽しさ、魅力が伝わってくる曲でもある。
「片思いの卒業式」は、楽しさから一転して、チームKの解散、メンバーの卒業を痛烈に思い出させた曲。K3では、解散に向けての感傷は、終盤まで明確に表れることは少なかったが、この曲だけは別だった。今日のステージでも、多くのメンバーが目を潤ませている様子が分かった。
K3のアンコールパートはとにかく熱い!チームKの燃え上がる向こう見ずな力強さを表現した「花と散れ!」から息つく間もなく「Virgin Love」「シンデレラは騙されない」「転がる石になれ」と続く。「転がる石になれ」はK3千秋楽の後は、東京タワーでのイベントとK5千秋楽でも拳を振り上げたことはあるが、今日はまた特別に熱くなった。この一体感、このトランス、本当に久しぶりの感覚だ。
そして最後に止めの「草原の奇跡」があるのだから、K3は最高だ。「草原の奇跡」での注目ポイントは、Nなっちによる「PPP→」コーナー。PPPNやPPPYなどで「Nぴょんシスターズ」や「劇団NY」で遊んでいた姿が思い出される。今日のなっちは当然PPPK。緑色が光る客席との一体感は、見逃した客が中心でも最後にはしっかりと形成されていた。
K3、K4のステージを通して、チームKを応援してきてよかったとも、チームKの物語を閉ざしてスタートした新チーム制が、結局はチーム別公演制崩壊へとつながってしまったことは勿体無いとも感じた。己にとっては、「チームK」のメンバーがこれだけ揃っての公演を見るのも、K3やK4のステージを見るのもこの機会が最後になるだろうが、今は感傷や思い出に浸るよりも、今日のステージの興奮と満足感に浸るべきときだ。