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~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加板野友美市川美織入山杏奈内田眞由美梅田彩佳大島優子菊地あやか中塚智実仁藤萌乃野中美郷藤江れいな松井咲子森杏奈米沢瑠美
8割の力で追い風を受けていても足りる状況で敢えてそれをよしとせず、撓むことを知らずに10割以上の力で上に上に伸びようとし続けたゆうにゃん。まったく感じていなかったと言えば嘘になる危惧が現実になってみると、その衝撃を簡単に受け止めることができない。
公演で見たのは4回の代役出演、モバメを購読すること1月半。数字だけで見れば僅かな係わりの中で、これほど深く彼女の爪痕が喰い込んでいようとは思いもしなかった。辛い別れが待つのであれば、研究生など見ない方がいいのだと逃げ回っていたはずだったのに、「あなたの心をぱっくんちょ」。ぱっくんちょされた己の心には大きな穴がひとつ残された。
「色々なポジションを覚えればその分公演に出られるチャンスが増える」と休むことなく自主練に明け暮れ、「いつもの2倍激しく踊ってみた」と怪我が癒えていくばくもない身体を追い込み、「今の研究生は恵まれてる」と人気にうかれず。劇場公演の復権を掲げるのであれば、最も必要とされる存在だった。北海道からひとり上京し、勇気ひとつを友に戦った彼女の挑戦は無謀だったと振り返ることもできるかもしれないが、その頑張りを讃えることも忘れてはいけない。もし、4、5期生の「地方組」のようなものがあれば、異なった道があっただろうか。
彼女が昇格に相応しいことは周囲の誰もが認めていたであろうし、彼女自身もそんな雰囲気を察していなかったはずはない。その上での決断とすれば、しほりんと電話で泣きながら話をしたという1週間ほど前の話ともつながる。しかし、卒業について語ったであろう肝心要のモバメが届いていないので、今の時点では彼女の本当の思いは藪の中だ。
自他ともに認めるおバカな彼女のことなので、「落下ガール」の白金ヒロミのように、送ったはずの重要なメールが未送信フォルダに残ったまま、ということだったら微笑ましくもあるのだが、何らかの外的な意図が働いて届いていないのであれば話はまったく変わってくる。
昨晩のショックを引きずったまま迎えたK公演だったが、こんな時だからこそ、今日、チームKに会えたのは幸せなことだった。
「RESET」公演は、セットリストの流れとしては本当に理想的だ。優子たむは、序盤では腕の動きにいつもの機敏さがなくてやや心配だったが、高性能のエンジンを搭載するセットリストの流れに乗っかって、尻上がりに調子を上げていった。永遠の名コンビである梅ちゃんとペアで演じた「桜の木になろう」が終わる頃には、彼女の目が潤んでいた。
桜の木になろう」のKバージョンでは主役の位置にいる才加も、K5千秋楽の「虫のバラード」での漢泣きとは異なる性質の、慈悲深い女神のような涙を流しながらソロパートを演じていた。そういえば、今日はK5千秋楽から1年の記念日でもある。
通常公演ではあの日以来見ていないまーちゃんの卒業発表が昨晩あったということも、才加や梅ちゃんや優子たむの今日の心理状態に影響を与えないはずがない。コメントコーナーで自らを指名した才加の言葉にも、行く河の流れの絶えないことを意識しつつ、このひとつの公演、ひとつの出会いを大切にするという気持ちが籠められていた。
れいにゃんは、ドラマ出演のために髪を「ピンクブラウン」に染めて登場。あと2日くらいで黒髪に戻すとのことで、公演に派手な髪色で登場するのは最初で最後らしい。「制服レジスタンス」のゆいたんポジションに初挑戦。ともちん、萌乃たんとピンクれいにゃんというのは、今考えられる最高の「制服レジスタンス」の組合せ。れいにゃんは、髪色に合わせて、今日くらいはもっとやさぐれて演じてくれた方がよかったかな。「制服」とぴったりだった髪色は、「ソファー」では、優子たむと梅ちゃんから「衣装と合わない」と酷評されてしまっていた。去年の「浅草あちゃらか」での演技ぶりを思い返せば、彼女の演技をテレビドラマで見るのは楽しみだ。あの髪色だから、それなりにインパクトのある役柄だろうし。
才加が出演に変わっていたはずなのに、しほりんがステージにいるのを見て違和感を感じたが、ゆうにゃんに変わって佐江ポジでの代役出演。初ポジでも難なくこなしているように見せてしまうのが彼女の凄さだ。才加としほりんの「夢の鐘」での共演は、一段と迫力の増したステージを形成していた。今後、彼女にかかる負担はより大きくなるだろうが、覚悟を決めて帰ってきた彼女であれば乗り切れるはずだ。
代役不在も予想されたたなみんポジションに入山さん。まだ中学生とのことだったが、上品そうな雰囲気を醸しながら、しっかりしたパフォーマンスを見せていた。
みぃちゃんポジションは今日もまたみおりん。モバメが始まってしばらくした頃、彼女から、頑張りすぎるゆうにゃんのことを心配する内容のメールが届いたことを思い出す。複雑な気持ちも抱えながらだったはずだが、今日の彼女の表情は劇的によくなっていた。この前の公演で物足りなさを感じた「夢の鐘」での表情は、さすがに才加には比べられないが、これまで見られなかった、曲の世界に入り込んだ、真に迫るものだった。既に成長の跡を見せていた動きに、今日見せたような表情が加われば、さらにK公演で楽しみな存在になってくる。
パズル前MCでは、梅ちゃん優子たむコンビから、赤ちゃんのように話しかけられるみおりん。彼女をオチに使うパターンが定着することは必ずしもいいこととは思わないけど、優子たむじゃなくても、みおりんの存在を隣にして、話を振らないことはできないだろう。己だって、心の中ではみおりんに話を振ることを望み、その喋りにすっかりやに下がっていたのだから、偉そうなことを言う資格なんてあったものではない。
前半組のMCでは、才加が研究生にも積極的に話を振る場面が目立っている。才加は、最後のコメントでも、研究生への感謝を丁寧に述べていた。彼女が率先して垣根を低くしていこうという姿勢は研究生にとっても心強いはず。積極的に手を挙げて、研究生とも気軽に絡むれいにゃんの存在も、前半組MCの鍵になりそうだ。しかし、才加の秋元家は水洗を毎回は流さないというネタは研究生には刺激が強すぎ。個性派集団秋元家おそるべし。