~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームA)

【出演】岩佐美咲多田愛佳大場美奈大家志津香片山陽加倉持明日香小嶋陽菜指原莉乃篠田麻里子高城亜樹高橋みなみ仲川遥香中田ちさと仲谷明香前田亜美松原夏海
生き証人など遠く及ばず、目撃者になるのも初日以来というA6公演。CDもほとんど聴いていなかったので、アンコール明けの曲がこのセットリストの曲なのかニューシングルなのかも分からないという始末。
そのアンコール明けには、ただ一人休演のはずだったあっちゃんの姿がセンターポジションに。「Beginner」出演のために撮影現場から駆けつけたということで、1曲だけで劇場を去っていった。ウイルスソフトとか野菜ジュースとかピグとかの広告で、AKBをメディアに追いかけることをしていない己の目にも、彼女の姿が触れる機会がようやく増えてきた。最近、野菜ジュースの電車広告でのトマト姿を見て、芸能人としての品格の高まりに目を瞠ったばかりだが、今日の劇場での姿も以前から己が抱いていたイメージの修正を迫るものだった。このまま彼女が独走して差を広げていったとしてもそれほど不思議なこととも思えなくなってきた。優子たむをはじめとする選抜メンバーも、ここで危機意識を持たなければ、あっちゃんの姿を追いかけるには手遅れになってしまうかもしれない。
A公演での己のお目当てといえばわさみん。最近では活躍の場をメディアにも広げて、演歌キャラとしても身を起こしつつあるが、目撃者公演でわさみんが目立っていくのは容易なことではないと改めて感じた。歌のパートや立ち位置に恵まれず、公演回数が少ない中では、劇場からの革命は多難だ。せめてユニットで、ということになるはずが、しなやかさを求められるフェミニンな曲を前に、何かを試すというレベルにも手をかけられずに苦戦しているという印象だった。ユニットに関してはどう変わっていくのか、今後の楽しみでもある。開演の遅れと「Beginner」の影響で、「Pioneer」を演じる姿を見られなかったのは今日の心残り。
わさみんは近々ネイルに挑戦するとか。ネイルには鉄漿と同程度の美的価値しか認めない己としては、できれば止めてほしいけれど、深爪はるごんが「ダサいままがいい」と言ってもさっしーの田舎の風の風速が弱まることを止めることができないように、わさみんが大人の階段を上るのを止めることもできない。
はるごんは舞台女優を目指して勉強中。舞台の話題に目の輝きが変わったわさみんの舞台もそろそろ見たいものだ。歌劇団再演は夢と消えたか。舞台といえば、「アリスインデッドリースクール」が己に残した爪痕はかなりのものだった。ようやくともちゃんの和磨会長の壮絶な最期、のしたんの高森部長の壮絶な最期のトラウマから解放されつつある。「アリスイン」、いい舞台だったな・・・
元々、中性でどんなものにも馴染む性質を持っていたチームAは、今日のステージを見る限りは、オリメンの壁といったものもなく、MCは和やかな雰囲気だった。はるごん、しーちゃん、さっしーといったあたりが、チームのキーパーソンとして上手く機能している印象だった。
特にさっしーはMCでのキャラクターに反して美的成長を続けている。「炎上路線」では、あきちゃと並べてみると、さっしーはピンク衣装でも陰というイメージだが、陰としてでも存在感を発揮することができるのが彼女ならではだ。ちぃちゃんの誕生祝でも、チームメイトに気を遣う彼女の優しさが見えた。
舞台で腰を痛めて心配されたはーちゃんは、今日の動きを見る限りは問題なさそう。ショートカット姿ははじめて見たが、竹内さんと姉妹かと思えるくらいに似る。やっぱり鼻か。昭和キャラは卒業したのかと思っていたら、今日ははるごんから執拗に昭和攻撃を受けてしまっていた。
たかみなソロ、初日は柱で見えない時間の方が長かったので、実質的には初見に等しかった。前半は、ソロで気負いすぎているような感じもしたが、そんなことはお構いなしにどんどん増していくたかみなの気合。衣川の館を守る弁慶のようなクライマックスの殺陣の迫力を前にするに至っては、ただ感覚的に魅入るしかない。
A6は、どちらかというと重たい曲が多いが、己の好みには間違いなく合う。明るい曲に転じたときの解放感も癖になる。2回目でも、このセットリストの全体像を把握するには至らなかったが、細く長く行われていくであろう目撃者公演。次に見る機会が楽しみだ。