~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加板野友美内田眞由美梅田彩佳大場美奈小野恵令奈菊地あやか竹内美宥田名部生来中塚智実仁藤萌乃野中美郷松井咲子峯岸みなみ宮澤佐江米沢瑠美
相変わらず公演数の少ないK公演の9月第1回目は、久しぶりの誕生祝のない公演。
舞台を控えたれいにゃんの代役は9期生の大場さん。前座ガールズでは登場頻度の高い彼女の代役出演を見たのははじめてだった。ぱっちり垂れ目の顔は舞台映えする。日テレの番組への初登場時にバッドボーイズから落ち着きぶりを突っ込まれためーたんのように、才加から驚かれるほどの落ち着いたしゃべり口。曲中での表情も「檸檬の年頃」を歌っているときのようなおすましから大きく揺れ動くことがなくて、現時点では素質を生かしきれずにいてちょっともったいないという印象だった。特に、初々しくなおかつ表現力豊かに舞っている竹内さんの活き活きとした姿と見比べてしまうと物足りなかった。
えれぴょんは8月で卒業かとも思われたが、終わらない猛暑と歩調を合わせるように、今日も劇場の舞台に立った。今日のえれぴょんは心身ともにベストコンディションではないようで、振りが飛んだりでいまいち集中力がなかった。「夢の鐘」が終わったときには胸を押さえながら苦しげな表情を浮かべていて、今にも倒れそうで心配だった。「彼女になれますか」の太ももまな板は、えれぴょんだけが8ビート、というのもちょっと気になった。
全国ツアーで、ともちゃんと優子たむがお互いに嫌われていると思っていたという誤解が解けるなど、一体感が高まったはずのチームKだが、今日の公演では、まだその成果は十分に出ていなかった。前日に休演がなくなったキャプテン才加が、チームリーダーとしての悩みだけでなく、舞台稽古での悩みも加わっているのか、珍しく「誰よりも大きく」を忘れてしまったような状態だったのがいちばん大きかった。
一方、表情での茶目っ気たっぷりに客席のテンションを上げていく佐江はさすが。永遠のGENKINGの称号に偽りはない。そんな佐江に負けない元気ぶりを見せていたのがともちん。MCでよねちゃんのモノマネを始めるあたりに端的に表れていたように、今日のともちんはK6開幕当初を思い出させる曇りのない笑顔でとにかく楽しそうだった。
ともちんにマネをされたよねちゃんは、全国ツアー前のケガは大事に至らずに、全曲出演できてはいたが、本調子でないことは隠せない動きだった。
自己紹介で客席を煽って劇場に乱気流を作り出したきくぢのエネルギーはとどまるところを知らない。最後のあいさつの手つなぎでうっちーに攻撃を仕掛けたり、自由にやりたい放題やっているようにも見える彼女だが、締めるところはきちんと締めている。ステージでのメリハリの付け方としては、今のきくぢは理想的といえる。
操作性の問題からか、「ヘビロテ」のマイクが前と変わって地味になっていたが、結局ほとんどのメンバーが扱いに苦戦していた。今日のマイクだと位置が高すぎて、きくぢの絶妙のヒップラインが形成されないのが残念・・・
心の端のソファー」は、レギュラーの梅ちゃんに、代役の萌乃たんとうっちーが加わる形。萌乃たんの場合は、「制服レジスタンス」よりもこっちの方が本領。公演全体ではチームKを引っ張る存在にもなっている萌乃たんが、唯一まだ自分のものにすることができずにいるのが「制服レジスタンス」だと思う。ユニット後MCは、梅ちゃんのソロトーク。後輩にも垣根をつくらない梅ちゃんらしく、ともちゃん、美郷たん、咲子さんの昇格組とのエピソードを滑りつつ披露してくれた。
先々週は、約5年ぶりに「本当にあった怖い話」を見た。その5年ほど前というのが、やはり優子たむの再現ドラマへの出演を目当てに見たときで、それは己がAKB以前の女優・大島優子をリアルタイムで見た唯一の思い出なので、感慨深いものがあった。
芸術の秋ということで、今週からしばらくは、「IMAGINE9.11」(佐藤夏希)、「浅草あちゃらか」(藤江れいな)、「ACT泉鏡花」(秋元才加仲川遥香佐藤亜美菜片山陽加浦野一美)、「アリスインデッドリースクール」(中塚智実鈴木まりや)と、AKBメンバー出演舞台を立て続けに見に行く予定。既に終了した「へなちょこヴィーナス」(野中美郷)も含め、短期間にこれだけAKBメンバーが出演する舞台が組まれているというところにも、AKBの今の勢いが表れている。AKBの消滅後、AKBからの卒業後のことも考えれば、今のうちに舞台経験を積むことができるというのは、「AKBの正しい活用法」と言えるのではないだろうか。