~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加板野友美内田眞由美梅田彩佳大島優子小野恵令奈菊地あやか田名部生来中塚智実中村麻里子仁藤萌乃藤江れいな松井咲子峯岸みなみ宮澤佐江米沢瑠美
中1日でのK公演は佐江の20歳の誕生祝。セレモニーは一昨日と立場を逆転させて、佐江が主役で才加が司会。この4年少し、純粋さと謙虚さを失っていない佐江は、自己評価が低いところや凹みやすいところも直ってはいないが、一度も萎れることなく、立ち直るたびにひと回りずつ大きく成長してきた。特に、最愛のおばあちゃんの死をも真正面から受け止め、それを劇場で語る姿はいつも以上に大きく見えた。
「引っ越しました」で泣きはらし、「ヘビーローテーション」も涙ぐみながら演じていたえれぴょんは、今日の公演が劇場での最終公演だったのかもしれない。全国ツアーでの卒業式が自然な流れとなれば、己にとっては今日が最後の「アイドル・小野恵令奈」の姿。ショートカットにして思い切ったイメージチェンジを断行し、卒業を発表した後も、えれぴょんの劇場でのパフォーマンスは、4年半の集大成というには寂しい状態が続いていたが、今日は違った。久々に引力の強い、気持ちの入った表情と動き。MCでは才加と組んでのおちゃらけで、芸達者ぶりを見せていた初期えれぴょんの姿が思い出された。
コメントコーナーは、初めて指されたというきくぢ。MCはいつものバカっぷりで盛り上げていたので、きちんとしたコメントができるのか心配しながら聞き始めていたら、舞台の上には、研究生時代からの昇格への夢と実現した後の不安を率直に淀みなく語り、チームBから離れたときのことにも言及するきくぢの立派な姿があった。AKBのメンバーとしては、あの出来事は余りに大きな遠回りだったが、人間や表現者としてのきくぢにとっては糧にもなっている。明るい曲調の「ヘビーローテーション」は、ステージを見回したときに色気を放出しているのはきくぢただ一人。「RIVER」がちかりなの曲、「ぽにしゅしゅ」が萌乃たんの曲として記憶されているのと同じように、この曲は己にとっては「きくぢの曲」として記憶されることが確実だ。
マイクスタンドの激しい上下がこの曲の振付けの特徴だが、ともちんスタンドが不調で、途中からともちんはマイクを手に持って歌うことになってしまった。刺激を与え続けることが必要なともちんにとっては、たまにはこういうハプニングがあった方がいい。
前回公演のリハーサルで負傷したよねちゃんの患部は体幹の筋肉。「ジグソーパズル」や「引っ越しました」には出演できていたので、そこまで重症ではないはずだが、中途半端では再発しやすい部位なので、ツアーに向けて無理はしないでほしい。
休演の美郷たん代役は研究生の中村さん。研究生によるアンダー整備がK6でも次第に進んできたので、今後は正規メンの休演が多いK6公演が次第に増えてきそうだ。休演は少ないはずの美郷たんポジションを覚えた中村さんのことを考えれば、将来的には研究生によるK6公演が組まれて引越しテープ投げリベンジの機会が与えられてもいい。
ユニットの「奇跡は間に合わない」の代役は梅ちゃん。AKBのダンスクイーン梅ちゃんが代役でしかこの曲に出演する機会がないのはもったいないと思わせるだけの圧巻のパフォーマンスだった。「心の端のソファー」の多幸感も捨てがたいけど、やっぱり性格と異なるクールな曲の方が梅ちゃんには似合いだ。
デコ出しで「ヘビロテ」的な雰囲気で登場した優子たむは、入りすぎというくらいに表情に気合を込めて、今日は堂々としたエースぶりだった。本当は「心の端のソファー」で自然と力が抜けるくらいの方がいい状態と言えるんだけど、今の多忙ぶりではなかなか難しい。