~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加板野友美市川美織内田眞由美梅田彩佳大島優子、小野恵令 奈、菊地あやか田名部生来中塚智実仁藤萌乃野中美郷藤江れいな松井咲子宮澤佐江米沢瑠美
キャプテン才加の22歳のお祝い公演。ここのところお祝い続きのチームK公演でも、キャプテンのお祝いは特別な意味合いがある。キャプテンやアイドルとしての自分を過小評価している才加を手荒くフォローする司会の佐江に漢泣きと変顔で答える。本当は自分だって才加と似たパーソナリティを持っているのにポジティブに励まし続ける佐江が健気。ツインタワーは永遠の名コンビだ。才加のすごいところは「来年は旅立っているかもしれない」と、AKBが本来ステップであることを忘れていないところだ。その台詞に一度神妙な表情を見せ、思い返したように才加に突っ込みを入れた優子たむはどうなんだろうか。
4か月間、熱気を失うことなく密度の高いステージを見せ続けるチームK。しかし、月に2〜3回の公演だけでは、歯車が完全に噛み合い、それぞれが役割を果たし、個性を放ちながら、チームとしてひとつの方向性に向かうという旧チームKのような完成度への道のりはいまだ遠い。そこは優子たむも感じているところだからこそ、全国ツアーをチームのイベントとして楽しみにしているという発言も出てくる。
初のセンター曲が発売になった優子たむは、体力的には相当きつそうだった。自己紹介で顔を真っ赤にしているのを見ると倒れそうで心配になるし、パフォーマンスへの影響も感じられる状態なのは辛い。本来であれば、「ピュアごもり」が必要なんだろうけど・・・
「RESET」のステージを見ておやと思ったのが、よねちゃんの不在と、これまでなかやんが務めてきたみぃちゃん代役で登場したK公演初登場の子の存在。よねちゃんの不在にすぐに気付かされたということは、それだけ彼女の存在が目立たないながらも大きいということ。筋肉のトラブルということであれば、ユニットだけ出演という判断には疑問だ。
初顔の子は小学生にしか見えなくて、華奢でお行儀がよくてかわいくて、眠っていた己のろりこん根性を呼び覚まさせかねない危険極まりない存在だと思っていたら、自己紹介で衝撃の「高校2年生」。こんな高校生いるわけない!ぱるるさんが高校2年生ということにびっくりしている場合ではなかった。優子たむが「妖精がいる!」と言い、チームKのみんなが心を奪われるのも無理はない。MCでは咲子さんの妖精ボケも秀逸だった。MCでの「ぼ、ぼくおばけだよう」なんてしゃべり方もまた外見を裏切らない。えれぴょん以来のマスコット系のキャラクターだ。筋肉がほとんどついていない脚なので、振り付けはマスターしていても動きは弱々しく小さい。ヲタの身勝手なヒロイズムをかき立てずには措かない美織たんの存在には奇跡を見た。育て方が難しそうなだけに、AKBで大丈夫なのか、不安も感じてしまう。
前座では久しぶりに鈴蘭たんの姿を見た。いつも髪の毛で顔を隠しがちにしているので、いまだにステージで生で見て彼女と判別できるまでには時間がかかってしまう。つぶらな瞳に素早く繰り返される瞬きと頷くような頤の動きには彼女にしか出せない魅力がある。ぱるるさんの台詞は、へろへろとした弱々しさが消え、いつの間にか曲の世界観に合った、想像の世界での飾り気の意志の強さが感じられるようになっていた。
この前の誕生祝では、パフォーマンス的には後退した印象があって少し心配だった萌乃たんは、今日はまったく問題なく充実し切っていた。「逆転王子様」では、いたずらっぽい笑みでもって早くも独自のセンター像を築き上げている。K6に入ってから、己がK公演でいちばん長く目を奪われているのは間違いなく彼女だ。
萌乃たんと並んで充実の時を迎え、K6のステージに欠かせない存在になっているきくぢは、最近丸くなってきた。丸顔フェチの己としては喜ばしいことだし、K版「ヘビーローテーション」の腰使いには、太ももの肉付き、あひる口と相まって危険ななまめかしさが感じられる。序盤ではウェーブにしていた伸びだ髪を、中盤からはお下げで登場して、余計に目を引いた。優子たむプリント靴下をつくりたいと言い出したり、映画「テケテケ」に優子たむが出演したことを知っていたり、久しぶりにきくぢの優子ヲタぶりが見えた。