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~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

AKB48 AKB48-チームK AKB48-チームK-K5「逆上がり」

【出演】秋元才加石田晴香梅田彩佳大島優子大堀恵奥真奈美小野恵令奈片山陽加河西智美倉持明日香小林香菜佐藤夏希近野莉菜野呂佳代増田有華松井咲子松原夏海宮澤佐江
チームK3年10か月の歴史が終わってしまった。幸運にも劇場内で最後の瞬間を見ながらも、これで本当に終わったということはまだ実感として湧いてこないが、間違いなく終わってしまった。醒めやすく飽きやすい己をこれほどまでに惹き付けたチームKの奇跡は、これから先は、体験をするものではなく、振り返るものとなる。
最後の公演では、出演者のチームKへの思いが様々な形でステージに表れた。印象に残る涙もたくさんあったが、全体としてはチームKらしく吹っ切れた感の方が強かった。
えれぴょんは体調不良で昼の公演を無念の休演。千秋楽公演は秋Pに直訴して「わがままな流れ星」とアンコールの「支え」に出演することができた。自己紹介MCでの挨拶では、いつかの「エレキング」みたいに号泣してしまうこともなく、しっかりと語っていた。「流れ星」ではさんざん殴る蹴るしてきたところで香菜に抱きついてハッピーエンド、と思いきや最後の台詞ではこれでせいせいしたと落とし込みで予定調和を拒否。これもまた香菜とえれぴょんらしい終わり方だった。
香菜はメーターが振り切れたようにハイテンション。涙ぐむ才加に向かって「3Dゴリラにしか見えない」と爆笑するのはさすがに空気が読めなさすぎだったが、悲しみを無理に押さえ込んだ反動の結果なのかもしれない。すべてを受け止めてくれる才加やなっつみぃやめーたんと離れた後の香菜にはちょっと心配もある。もっとも香菜モバメでは、解散に当たって、律儀にメンバーひとりひとりに対するコメントを連載中なんだけどね。
チームKでいちばん涙もろいはずだったともーみは、パフォーマンスに影響のあるような涙はなく、ここでも人間的な成長を証明した。新チームBを引っ張っていくような決意すら語ったともーみは、チームKで揉まれていちばんいい方向に変わったメンバーだろう。
才加は「虫のバラード」の冒頭から「涙腺が崩壊」。マイクスタンドを震わせながら、男泣きで最後のソロステージを終えた。本人は不本意そうだったが、己にとっては最高の「虫のバラード」だった。最後のあいさつでは、またも号泣してしんみりした雰囲気にしてしまい、佐江から「泣くな!」と叱られてすぐに気合を入れなおすあたりは彼女らしかった。
才加に活を入れて、最後をチームK色に立て直させた佐江は、自分のMCでは気丈に笑顔で振る舞っていても、他のメンバーのコメントを聞いているときには涙もろくなってしまうというところが可愛らしかった。
もっちぃはKメンは野球ネタやプロレスネタにも食いついてくれて、プロレス技をかけても付き合ってくれると、ちょっとズレた方向からの号泣モード。泣きながら才加に強烈な逆水平を食らわす絵は永遠の語り草になりそうだ。
仕事の関係で「ファンレター」前MCからの合流となっためーたんは、涙は封印と言って挨拶も冷静に終えたものの、最後の「支え」ではあふれるものを押さえ切れなかった。Nなっちがチーム最年長になるような再編が本当に正解なのか、年齢で区切って大人の色気を出せというのがいいことなのか。めーたんがもしチームKにいなかったら、チームKはどうなっていたかということを想像すると、はなはだ疑問だ。
梅ちゃんが言っていたように、「泣ける」というのは大事なことだし、ステージの上で泣いてはいけないなんていうルールもない。K5では涙が流されるシーンに行き当たることはほとんどなくなってしまったが、これまでに流されてきた多くの涙がチームKを成長させてきた。
チーム再編が決定してからのステージを見ていると、めーたんより心配だったのがノンティ。最後のチームKのステージでも終始涙をためながらで、MCのグダグダぶりを見るに、おそらく心が定まっていない状態だっただろう。普段は自虐的でいつもおちゃらけているノンティだが、冷静な目でめーたんと共にチームKを引っ張ってきた大きな功労者であることは間違いない。まーちゃん腹話術ももう見ることができないのか。
なっつみぃはついにチームK皆勤賞を達成。これもまた語り継がれるべき偉業だ。序盤は自分でも言っていたように涙ぐみながらのパフォーマンスで心配させたが、中盤からは輝きが増したK5でのいつものスマイルが戻ってきていた。
えれぴょん代役のはーちゃんは、「チームBでは学べなかったことを学べた」とチームKのステージに立てたことを号泣しながら感謝していた。はーちゃんの代役出演を見ると、どうしても、もし彼女が2期オーディションを受けてチームKに加入していたら・・・ということを考えてしまう。気遣いの点などでチームKとの「差」を痛感したはーちゃんが現行チームBに何かを還元できる期間は短いが、K5での代役出演がはーちゃん個人のみならず、チームBにもプラスの影響を与えることがあるのならば、それは素晴らしいことだ。
K5をレギュラーとして支え続けたはるきゃんは、準Kメンのようなポジションにありながらも、あくまでチーム研究生の一員としての分限を踏み越えずに仕事をきっちりこなすプロフェッショナルな代役、というイメージの方が強かった。そして、そんな彼女の気丈さには、己はちょっとした寂しさも感じていた。しかし、千秋楽のはるきゃんは、自己紹介MCでチームKへの感謝の思いがあふれて、人目も憚らず号泣。ピョンピョンと飛び跳ねながら鼻水と涙を流す姿は、アニメから飛び出してきたような感じで、感動的な場面でありながら思わず和んでしまった。他チームや研究生からチームKが尊敬され、見習うべき存在として認識されているというのは、己のような単なる一Kファンにとってもうれしい。
K5のレギュラープログラムが終了した後は、「転がる石になれ」。劇場内でWe are the teamKをするのは2007年6月以来か!やっぱりこれでなければチームKは終われない。ただ、この曲が演じられていたK2やK3の頃に比べるとチームKの転がる速度はやはり落ちたかもしれない。
「転がる石」に続いてはK4から「支え」。「桜の栞」ではなく、Kの曲がラストでよかった。なるるやかおりんが解散のステージに上がるということはなかったが、メンバーにとっては、卒業していったメンバーへの思いも重なったに違いない。K5で「転がる石」や「支え」を超えるチームKの集大成となるような代表曲に恵まれなかったことは心残りでもある。チームKの魅力が生かされたセットリストといえば、やはりK3でありK4だと思う。
チームKが解散し、己はノスタルジーに浸っていればそれでいいが、メンバーはすぐに新しい居場所でのそれぞれの戦いを始めなければならない。しかし、有華が「家族」というほどの「友達以上」の関係で結ばれたチームK。時がすべてのものを容赦なく洗い流していっても、チームKの「絆」だけは絶つことはできない。そんなことを信じてみたくなる千秋楽のステージだった。チームKのメンバーに、これまでの3年10か月を感謝しながら掌を合わせて、己にとって、2006年4月9日以来174回目にして最後のチームK公演が終わってしまった。