AKB48(チームK)
【出演】石田晴香、内田眞由美、大島優子、大堀恵、奥真奈美、小野恵令奈、河西智美、倉持明日香、小林香菜、佐藤すみれ、佐藤夏希、近野莉菜、野呂佳代、増田有華、松原夏海、宮澤佐江ついに解散の日取りが発表されたチームK。本質が維持された状態で最後の日を迎え、チームKが伝説として保存されることになったのはよかった・・・と思ってしまうのは、己がチームKの堅固さを無条件で信じきれていない証拠でもあり、ちょっと複雑だ。
寸劇は、千秋楽ではなく、ここで優子たむの脚本を持ってきたか。まだ脚本を担当していないメンバーもいるらしいので、千秋楽に思い出したように秋P脚本で締めるという展開は勘弁してほしい。優子たむの脚本もチームKに対する称賛で、何でも言い合うことで成長してきたチームの素晴らしさを表現していた。メンバー同士、悪いところを指摘するだけでなく、いいところも指摘し合えるのがチームK版「何でも言える」の特性だ。
残すところ10日を切った中でも、ステージが感傷に埋められるという雰囲気にはなっていなかった。Kメンよりもうっちーやすみれたんの研究生組の気持ちの入り方の方が目立っていたのが意外だった。
うっちーは、優子たむから「ウルトラの母」と言われてしまったツインテールではなく、己の最も好きなうっちーの髪型である斜め上ひとつ結び。ここ最近のうっちーは、本当に表情が柔らかくなってきた。昇格を決める前の、何かに追いかけられているかのような切迫感も捨てがたいものはあるのだが、今見せている柔らかさもまたうっちーの持ち味だ。「ファンレター」で頬に輝くものを伝わらせながら、うっちーは何を思っていたのだろうか。
すみれたんは、K公演ではそれほど目立つことはなかったように記憶しているが、切なさを絞り出すような表情の作り方には驚嘆させられた。このあたりも移籍効果なのかな。
有華の「虫のバラード」は懇々と説法を聞かされているような説得力がある。滝に打たれながら悟りを開くような才加とはまったく別の道を行くところに有華のプライドが感じられる。
パーティ後MCのバレンタインネタでは、優子たむとともーみが大げさな表情をつくりながらMCを楽しんでいるのに対して、隣のえれぴょんは今日も表情をあまり変えることなく聞き役に徹してしまっていた。ここのMCでどんどん突っ込んでいけるくらいでないと、えれぴょんの復活は見えてこないのかもしれない。流れ星えれぴょんでは、いつもは香菜に蹴りや拳を入れるところで土下座が飛び出していた。
抑えられていたKメンの感傷がステージに顕著に顔を出したのは、最後の「TBC」に入ってから。何人かのメンバーは瞳を潤ませていた。「片思いの卒業式」、「草原の奇跡」を擁したK3、「支え」を擁したK4に比べると、己にとって涙の誘い水になるような曲がないK5ではあるが、千秋楽で「TBC」が演じられている場面を想像すると、やっぱりKメンが涙を流している姿が浮かんでくるし、もし現場に居合わせるようなことがあれば、己もまた涙を流すことになりそうだ。
果たして今日の公演が己のチームK千秋楽だったのか、千秋楽に呼ばれるという奇跡は起きるのか。いずれにしても来週の日曜日には、己にとってもAKBにとっても優子たむにとっても、ひとつの時代が終わる。