~熱風の果て~

観劇の記録

Mentions of 21 Kittens (第14回)増田有華編

記録を一度まとめる意味で、これまでに推してきたメンバーから21人をピックアップして、この日記での主な言及を掲載中。第14回は増田有華編。

AKBが誇る歌姫にして、大阪魂炸裂のたこやき娘。明るさと精神力の根元には、大病からの奇跡の生還という重い経験による「生かされている」という思いと使命感がある。ちなみに、震災では落下物により軽傷を負うという経験もしている。
中学在学中にオーディションに合格して上京してきて、寂しさもあったはずだが、ニコニコ笑顔と、誰に対しても分け隔てなく接する協調的な人間性で、すぐにチームに欠かせない存在になった。歌えて踊れて喋れて演じることができ、なおかつアイドル性も併せ持っているという類まれな才能の持ち主でもある。
「会いたかった」ではまさかの選抜漏れを経験したものの、2006年の秋あたりからは、歌唱力と度胸のよさが認められて躍進していった。コンサートでは活躍の場を与えられてそれに見事に応え、コンスタントに選抜メンバーにも名を連ね、K3脳内パラダイス公演では、「MARIA」でのセンターを含め、エース級のポジションが与えられた。
ひまわり組でも1stメンバーで、確固とした地歩を占めるに至った。また、たこぴょん、キャサリン、小池など、何事でもやり切ることができるのが有華の最大の強み。劇場やコンサートで片鱗は窺わせていた役者としての才能も開花させた。複数の舞台経験を積み、未来は大きく開かれたはずだった。
しかし、なぜかAKBでのポジションは低下し、選抜からも久しく離れている。太りやすい体質を克服して、シャープな顔の輪郭を手に入れ、動きにもキレが増してきた今、本来であればもっと推されてもいい。K5の「エンドロール」「虫のバラード」での代役出演は、決して現場スタッフから実力が評価されていないわけではないことを証明してはいるが、何とももったいない。
アイドルとは正反対な志向を持っていたはずなのにアイドルをやっていることを自認し、アイドルは職業だと言う有華。彼女ほどAKBを明確に通過点として捉えているメンバーも珍しい。肉が落ちたにもかかわらず、アイドルとしては脾肉の嘆をかこつ今の状況ではあるが、演技に対する貪欲さを見せるようになった今、着実に階段を昇っていってほしい。

    • Mentions of 増田有華
      • 髪型を変えて最近注目株の増田有華たむが途中でいなくなってしまったのが残念。(06.4.26)
      • まず目に付いたのが有華たむのショートに近いところまで短くなった髪。セカンドの横結びがすごくよかっただけに、ちょっと残念。(06.7.15)
      • 有華たむの自己紹介とシャイニングスマイルはもはやチームKの名物のひとつといってもいい。それに、有華たむの高い歌唱力と人間力は、チームKが成長していく上で絶対に必要なもの。まだまだステージ上で実力の全てを披露してはいないと思うので、サードステージではもっとソロパートが増えるようにがんばってほしい。(06.8.3)
      • 有華がこの4箇月間、大阪に帰る時間すらとれないというのもどうかと思った。(06.8.29)
      • 「禁じられた二人」は今日も有華が登場。選抜から漏れた有華にとって、ここは大チャンス。有華が1週間の中で、どれだけ歌の世界に入っていけるか楽しみ。(06.9.5)
      • シャッフル公演は、有華が「クリスマスイブ」、「Bird」、「小池」で主役を勤めあげ、大活躍だった。有華の実力からいけば、このくらいの扱いが当たり前なのかもしれない。(06.11.4)
      • Blue Rose」では一定の見せ場があったものの、彼女の高い歌唱力を披露できるポイントが少ないステージだったと思う。選抜メンバーからも漏れてしまい、雌伏の季節となった。しかし、紅白歌合戦や、ファーストコンサートではそんな鬱憤を晴らすかのような大活躍で、サードでの飛躍を予感させた。セカンド初期に登場した横結びの有華がもう一度見たい・・・(06.11.6)
      • 有華はセンターに置いて、どんどん光を当てることで伸びるタイプのように見える。アンコールのセカンドリミックスメドレーの有華の動きは、明らかにセカンドより大きく、力強くなっている。(06.12.20)
      • 優子たむソロは、有華が代役で登場。どうしても優子たむと重ね合わせてしまう。優子たむだけにあるのは、抱き寄せたら溶けてしまいそうな淡雪の儚さ。有華は感情の赴くままにストレートに歌い上げる強さがある。「禁じられた二人」の時も感じたが、有華と優子たむは、表現者としてはかなりタイプが違う。だから有華には、代役という意識なしでやってほしい。(07.2.17)
      • 太陽、向日葵と形容される明るいキャラクターと裏表のない性格でチームKのムードメーカー役になるとともに、15歳という年齢を超越した人間力と高いプロ意識でチームKを引き上げてきた。ファーストは「クラスメイト」、セカンドは「Blue Rose」でAKB随一の歌唱力の片鱗は伺えたものの、「会いたかった」ではまさかの選抜漏れ。そこに込められたスタッフ側の意図に100%以上応えたのがファーストコンサートシャッフルバージョンでの堂々とした主役ぶりだった。その勢いを駆って脳パラでも要所要所で存分に歌唱力を発揮し、選抜メンバーにも定着していった。シンガーソングライターを目指す彼女だが、歌以外の面でも魅力が多いだけに、これから先、どういう仕事をこなしていくのか注目だ。(07.6.22)
      • Nなっちとキャサリン有華の寸劇風のからみがいつの間にか始まっていた。有華の台詞回しが堂に入っていて迫力があったのには驚いた。ファーストコンサートの「小池」も大したものだったし、有華はミュージカル女優としてのポテンシャルも秘めている。(07.8.25)
      • ぶりっ娘キャラを演じ切って、ナチノンの子持ちネタに本気で抵抗する有華もすばらしい。(07.9.4)
      • 有華は、またショートヘアにしていたが、個人的には、K2初期の髪を結んだ有華がいちばん好きで、ショートにしていなければ、もっと上の位置にいるんじゃないかとすら思っている。ショートでも、「おばさんヘア」にさえしなければ似合っていていいんだけどね。(07.9.8)
      • 周囲を照らす笑顔が2年前から絶えることなく輝いているので、14歳から17歳へという時の流れが何だかウソのように思える。しかし、そんな彼女も悩みを誰にも言えずに抱え込んでいつの間にか表情が暗くなっていた時期があってファンの笑顔や気遣いに助けられた話、2歳の頃に病気で死にかけて奇跡的に生き返った経験とそこから歌で生きる意味を問いかけ伝えていくことの決意。いつもは笑顔の裏に隠れている翳の領域が涙と共にあふれ出すのを見て、瞼が熱くなった。そんな有華も、見事に舞台への挑戦が決まって、遅ればせながら階段を上りはじめた。歌のイメージが強い彼女だが、舞台女優としての素質はAKBの中でもいちばんだと思うし、劇場でキャサリンになり切ったり、青年館での小池のシャッフルバージョンで恥ずかしい台詞にも臆することなく演じきった経験は生きる。(08.8.1)
      • 有華は顔のパーツだけでなく髪型的にも黒川芽以たんぽくなっててカワユスだった。踊れて喋れて演じることができる有華には、このあたりでAKB歌姫のイメージを打ち破ってほしい。(09.5.24)
      • 有華の割り切ったところからは、油断をしているとすきま風が吹き込んでくることがある。(09.6.5)
      • 有華は、舞台女優としてもコンスタントに活躍するようになり、表現する、伝えることの大切さを歌にも還元しつつ、表現者としての階段を着実に上っている。光と翳が複雑に交差した17歳の誕生祝公演から1年。今年の有華からは、生きていることの意味を伝え、見ている人の心に自分の存在を入り込ませていきたいといったような、一貫して真っ直ぐな力強い言葉が聞かれた。弱さをさらけ出す強さを身につけた上で、歌唱力と表現力を存分に生かせるミュージカルにも挑戦する機会があれば、大きく羽ばたけそうな気がする。(09.7.29)
      • 劇場ばえする有華の大きなパフォーマンスが加わると、チームKのステージがよりチームKらしく引き締まる。(09.9.6)
      • 有華の「虫のバラード」を見るのは2回目。ソロということで、歌を大事にしよう、歌に集中しようという気持ちが強すぎて、まだ代役の域を打ち破れてはいない印象だ。(09.10.9)
      • 有華が「ポーカーフェイスの人」を苦手なものとして挙げるのはよく聞くが、握手会でそういう人に出会うと「何で来たの?」と思ってしまうというのは、アイドルとしてはNGの反応だろうな。有華が高い実力の持ち主であるにもかかわらず、AKBの中でのポジションを下げてきているのはこのあたりも原因のひとつだと思う。(09.10.17)
      • 髪を短くして外ハネにしていた有華は、全体的に絞れてきたこととあわせて、イメージがかなりシャープになってきた。いつもは濃いメイクで強めのキャラに見えるときが多いのだが、今日はナチュラルな感じで、有華の明るさが素直に表情に反映されるような感じだった。「虫のバラード」はまだ表現が固まってこないが、才加の休演はこの先もあると思うので、どう演じていくのか楽しみだ。(09.10.28)
      • 大きな声を心がける有華は、舞台経験という点でもチームではいちばんで、寸劇では一枚上のレベルにある。歌唱力と演技力と度胸を活かして、有華がミュージカルで演じる姿も見てみたかった。(09.11.2)
      • 有華の「虫のバラード」は、過剰とも思えるほどの粘り気のある歌唱法を試していた。才加の方向性とは逆に向かっているのも、有華の個性が出ていていい。改めて舞台への思いを口にした有華。(10.1.6)