~熱風の果て~

観劇の記録

Mentions of 21 Kittens (第7回)佐伯美香編

記録を一度まとめる意味で、これまでに推してきたメンバーから21人をピックアップして、この日記での主な言及を掲載中。第7回は佐伯美香編。

ガラスの脚を持ち、2009年8月に無念の卒業を余儀なくされた美香ちぃ。
改めて振り返ってみても、美香ちぃのAKBでの活動にはことごとく逆風が吹いていたようなものだ。そんな境遇に対する同情的な部分で彼女に惹かれた部分があることは否定はしないが、彼女の人格と力強いパフォーマンスによってこそ、美香ちぃのことが好きになっていったのは間違いない。
渡邊志穂の卒業により、B2にレギュラー出演することとなったが、これが美香ちぃにとってよかったのかどうかは分からない。同期生と同じステージに上がる機会は少なく、ひまわり組や代役出演を経験しなかったことでAメンやKメンとの交流も図れなかった。
オリジナルBメンに対しても、最後まで敬称で呼んで敬語を使うことになってしまった。敬称をやめさせたいBメンに対し、「今はまだダメ」と答えた美香ちぃとすれば、彼女自身の基準でチームの本当の一員になったと思えたときにはじめて遠慮なくタメ語で話すつもりだったのだと思う。それが美香ちぃの美学ではあるのだが、オリジナルBメンからすれば、扱いにくさが強かったはずだ。
最初は、己にとってもそれほど気になるメンバーではなかった美香ちぃ。内面の美しさと強さが最大の魅力である美香ちぃのことは、ある程度長く見ていってはじめて気がつくところがある。B3で推されポジションを得たがゆえにMCの機会がなく、ファンに対しアピールしていくことができなかったのは残念だった。きたりえをして「すっごいシュールでめっちゃ面白い」と言わしめるほどのセンスをもっと活かしてほしかった。
AKBを卒業して半年、モデルになりたい、帝国劇場の舞台に立ちたいと言っていた美香ちぃが、脚と歯の治療を終えた後、どういう道筋で目標に向かっていこうとしているのか、今はまったく分からない。AKBのイベント以外のところで再び芸能の世界に出ていくために、彼女が越えなければいけないハードルは高く、数多だ。しかし、AKBで鍛えられた意思の強さがあれば、まったくの夢物語ではないと信じていたい。

    • Mentions of 佐伯美香
      • 研究生18名が発表されたけど、己が時代の流れについていけないのか、AKBがこれまでと違う路線のメンバーを選んで宗旨替えをしたいのか、AKBに入るべき子はもう既に入ってしまったのか、とにかくピンとこない。ひと目で応援したくなるような子がいなかったことに、不思議とホッとしている部分もある。(07.6.16)
      • 研究生のみかちぃは、怖そうな感じがするよねちゃんが楽屋で面白いことを言っていると、目を見開いてびっくりしたような顔をしているとか。さっそくその後のMCで、無意識にその表情が出ていたけど、確かにインパクトがある顔だ。謎多き娘・みかちぃには底知れないものが感じられる。(07.11.25)
      • チームBのメンバーの心をがっちりゲットできたというみかちぃは、もっと「ぐっさんさん」との距離を近づけることが目標らしい。そのためには「ぐっさん」と呼んでほしいというぐっさんのリクエストに、「ぐっさん・・・さん」と照れながら話すみかちぃ。己の弱いところをピンポイントで突いてくるんだなーっ!いい育ち方してるよ。(07.12.22)
      • 研究生からここまで上がってきた美香ちぃを見るのは今年初めてだったが、動きと歌唱、そして強い気持ちが放ち出すオーラの前に納得。研究生で入ったからといって、才能さえあるのならば、まずバックダンサー、次に脇役・・・なんて悠長なことをやらせても仕方ないのだ。美香ちぃは研究生からの選抜第1号も夢じゃない。(08.3.2)
      • 今日も己の目をいちばん引いたのは正式メンバー入りを果たした美香ちぃ。顔がツンデレというだけあって、B2では「恋のプラン」でさえあまり楽しそうに見えなかったが、B3は心から楽しんでいる表情が見られる。そうすると「ツン」の部分も引き立つようになって、元々強烈な眼力の威力も重なって、目が離せなくなる。ひまわり組のジェットコースターに代役出演していたときにはほとんど印象に残らなかったのに、分からないものだ。(08.3.9)
      • 卒業式から駆けつけた美香ちぃが卒業生の徽章を携帯して颯爽と登場。やっぱり己は最近美香ちぃワールドに深く埋まりつつあるようだ。飄々としたタイプが多いチームBの中にあって、美香ちぃはチームK的というか、絶対にここで輝きたいという気持ちがストレートに出ているところに魅かれる。(08.3.20)
      • 髪を切った美香ちぃは一気に垢抜けた。髪を切る前の、18歳らしくない少し近寄り難いオーラも彼女にしか出せない魅力だったので、ショートカットで普通にアイドルらしい可愛さを醸し出させるのも勿体ない気もあるが、どっちが可愛いかといえば、圧倒的にショートカットだ。(08.3.29)
      • 膝と脛のテーピングが痛々しい美香ちぃの脚の状態は気になる。(08.4.4)
      • サードでいいポジションをもらいながらも脚に不安を抱えていた美香ちぃが、ここまでは何とか乗り切れてひと安心。(08.4.6)
      • 美香ちぃは徐々に表情のバリエーションが増えてきて、いい感じ。この段階で美香ちぃがセンターメンバーに入ったりセンターで輝けるとは、失礼ながら己は思っていなかったのだが、スタッフには見る目のある人がいたもんだ。(08.4.13)
      • 美香ちぃが上手花道最奥に来る場面が死角だったので、「あの壁の向こうに美香ちぃがいるんだろうな」と未練がましく壁を見ていたら、思い切り柵から身を乗り出した美香ちぃの顔が壁の陰からニュッと出てきて目が合ったので妙に気持ちが高まった。どうして現代日本でこんなに純粋に育つことができたのか不思議なくらいな美香ちぃは、もはや己のチームBイチオシ、すなわちAKBのイチオシメンバーと言ってもいい。(08.4.16)
      • 午前2時に公演から帰宅、午前6時に12時公演に向けて起床ということがざらという彼女には頭が下がる。(08.4.23)
      • 美香ちぃはどこまでもいい子。B3の美香ちぃといえば、やはり主役の片方を担う「てもでもの涙」だが、ゆきりんの悲しみに身を委ねたような表情と、美香ちぃの悲しみを押し殺したような表情のコントラストが交わって回ると不思議な色が醸し出される。ゆきりんは他の曲で美香ちぃ的な表情を見せる場面があることを思えば、美香ちぃもどこかでゆきりん的な表情を出してほしい気もする。(08.4.25)
      • 何が飛び出すのかと思えば、たれ目メガネ・・・。しかも曲の最後までかけたまま踊ってるし、美香ちぃぶっ飛んでるよ。こういうことをやり切ってしまえるのが美香ちぃの強みだ。(08.4.27)
      • この間から天才ラッパーmika-chiiを自称している美香ちぃは、「白いシャツ」のことを言っているのかな?やっぱりまだまだ謎多き娘だ。自己紹介をする中中を見守る美香ちぃ先輩の表情が温かかった。(08.5.2)
      • 公演中に病院に直行したということは決して軽くはなさそうだ。明後日の休演も覚悟しなくては。原因がはっきりしている怪我なので、完治は難しくなさそうなのが救い。むしろ、責任感が強い彼女のことなので、精神的なショックの方が心配だ。(08.5.4)
      • 美香ちぃよかった!膝が外れたということと、休演することなく復帰するということが、実際にステージを見るまで結びつかなかったのだが、無事にランチ公演、おやつ公演をフル出場で乗り切った。気をつけていたはずなのに「キス損」で転びそうになって冷や汗をかいたというあたりが彼女らしいところだけど。(08.5.6)
      • 今日は「白いシャツ」で復帰できたからいいようなものの、一度きちんと休んで鍛えてから出てきてくれないと怖くて仕方がない。でも本心では美香ちぃが休演するなんて嫌なんだから困ったものだ。(08.5.17)
      • シュールなセンスの持ち主である美香ちぃにはどんどんチャレンジしていってほしい。(08.5.23)
      • 美香ちぃが突然「心配ないさ〜」と歌いだすという仕込みまで入っていた。ポリポリピーナッツに続いて連日でシュール美香ちぃが出現するとは思わなかった。ためらうことなく、シュールなネタを潔くやり切ってしまう美香ちぃのセンスと度胸はすごい。(08.5.24)
      • これが美香ちぃの「一生懸命身体と相談しながら」ということなのかな。特にヒザに負担のかかりそうな「ワッショイB」のリフトは、他の人に代わってもらった方がいいと思うのだが・・・(08.6.8)
      • 美香ちぃは今日も一部出演。サポーターは外れた左ヒザではなく、右ヒザ。フル出場を阻んでいるのは古傷の痛みなのか。純粋すぎる魂の負の側面が出て、最近はメールの文面も公演中の表情も大いに心配させるものがあった美香ちぃは、どうやら快方に向かい始めたようで、今日は表情も明るく、影は感じさせなかった。(08.6.14)
      • 出演公演数を減らす代わりに出るときはフル出場という宣言があってからというもの、実際に休んだのは1日だけで、相変わらず一部出演を続けるのはどうなのか。夏休み中はスケジュールをきちんと管理しておかないと、次のステージに向けたレッスンに影響が出てしまいそうで心配。髪型にしても公演への出演にしても、自分で選んだ道でさえあればそれでよし。(08.7.20)
      • ある種の悲壮感はどうしても拭い切れない。「48現象」のインタビューでのまいまいのように「踊れなくなってもいい、歩ければいい、痛みには慣れてるんですよワッハッハ!」と笑い飛ばすのは彼女の行き方ではないか。美香ちぃにも、まいまいにとってのあゆ姉のような存在がいてくれれば・・・。美香ちぃの本意ではないかもしれないが、様々なものを背負い込んだバックストーリーがユニットや中盤戦での鬼気迫る表現を際立たせてもいる。(08.7.26)
      • 美香ちぃは、西中と一緒にテレポートのジャンケンコーナーでネタを仕込んでいた。曲中でもアイコンタクトをとっていたし、やっぱり同期が同じステージにいると落ち着くんだろうな。裏を返すと、チームBの中ではどうなんだろうという疑問も生じさせるのだが、「ご機嫌斜めなマーメイド」と「ワッショイB」に出れない美香ちぃは、袖からステージを見て、自分のパートをみんながカバーしてくれているのがうれしいと言っていた。ちょっと前なら悔しさやあせりが先に立っていたはずだから、美香ちぃの心の整理もついたようだ。それに対してなっちゃんが美香ちぃの頑張りをたたえるというエール交換があったので疑問は封印された。(08.8.8)
      • 今日の美香ちぃは、ショートにしてからは珍しく、複雑なクセのついた髪形になっていた。美香ちぃは、性格に合ったかわいい路線よりも、AKBで目立つ存在になるためにはツンツンを極めるべきだと思うので、強め強めでいってほしい。(08.8.24)
      • とりあえず公演中に出血することはなく、「二人乗りの自転車」ではらぶたんと鼻血ネタで遊ぶ余裕も見せてくれて、ほっとした。体調管理の面からは、美香ちぃは上京という選択肢を改めて考えてみてもいい時期だとは思う。(08.9.13)
      • 両膝には厳重なテーピングを施して、力が入らずに震える足でふらつきながら体重を支える姿には、限界を超えた者にのみ宿る崇高な魂の光さえ見えて圧倒される。どんな状態でも笑顔で見ていてほしいというのが美香ちぃの希望なんだけど・・・ハードル高いよ。(08.10.4)
      • 辞めることを考えていたという告白があったのは衝撃だった。どうしてこうも試練が待ち受けるのかと呪いたくなるような過酷な運命を、笑顔を忘れずに乗り切った美香ちぃの強さに感服しないではいられない。今も脚はフル出場に堪える状態ではないし、この先どこまで回復が望めるのかも分からないが、美香ちぃの将来は光に満ちたものであってほしい。(08.11.2)
      • 完治するという性質のケガではないし、常に再発の危険もつきまとうが、来春からのB4に向けたレッスンを乗り切って、何とか元気な姿を次のステージで見せてほしい。染めるという話もある美香ちぃの黒髪は、今日でしばらく見納めになってしまうのか?(08.12.21)
      • 美香ちぃは、まつゆきとのペアで英語曲のエアーボーカル。ネタに走るのは美香ちぃらしいが、はーちゃんやなかやんに負けない歌姫ぶりを期待していたので、少しがっかり。(08.12.25)
      • 昼公演から足をかばいながらも「大声DM」以外には出演していた美香ちぃが、おやつ公演の「2YL」で体重を支えられずに転倒してしまった。それでも「キス損」までは出続けて、「キス損」を精一杯の笑顔をつくりながら演じ、曲が終わって左足を引きずってハケる姿には涙が出そうになった。「僕の桜」からは左足をガチガチに固めての出演で、「ワッショイB」と「大声DM」は欠席。「ノンストップ美香ちぃ宣言」が復活した矢先だったので悔しいが、本人がどういう思いでステージに立っていたかということを考えるとなお辛い。コンサートのレッスンを挟みながら1か月ステージを休んだくらいで騙せるケガではないということがはっきりしてしまったので、B4に向けてどういう選択があるのかといえば厳しいが、希望は持っていたい。(08.12.27)
      • 今日はテーピングなしで「人魚」と「大声DM」以外はノンストップで出演。今日の公演に懸ける想いは十二分に伝わってきて、最後の挨拶からはけるときは涙ぐんでいるように見えた。(08.12.30)
      • B4への助走で始まる2009年も、美香ちぃにとって平坦な道のりではないかもしれないし、MCや表現、人間関係の面でもまだまだ課題は多いが、目に見えて前進することができる1年になってほしいと思う。(08.12.30)
      • 美香ちぃにはまるきっかけはモバメ。数々の貧乏ネタには笑わせられたり本気で心配になったり。動画テストのときに見せたようなシュールなセンスも発揮される。モバメでは隠し事はしない主義ということで、ケガをしてからの浮き沈みの激しさがストレートに伝わってくるのは読んでいて辛くもあったが、読みごたえもあり、美香ちぃのことが気にかかって仕方なくさせるのに十分だった。(09.1.3)
      • 美香ちぃの長期休養宣言はショックだった。しかし、B4に向けた選択肢としては、退団か一部出演を続けるか休養かしかなかったわけで、最善の道を選んでくれたと思う。半年で戻ってこれる保証はないし、仮に戻ってきてもチームに居場所があるほど甘くはない。辛いリハビリを乗り越えてパワーアップして帰って来て、AKBで自分のポジションを築き上げる日を待ちたい。これまで限界を超える頑張りを続けてきた美香ちぃは、足の回復よりも、気持ちの中にガソリンとマッチを持ち続けられるかどうかが復活への鍵だろう。足のことだけを考えれば、ケガをしてすぐに休養していた方が近道ではあったが、この7か月、痛みと闘って負けそうになりながらもステージを務めぬいた経験は、美香ちぃにとって大きな財産だ。(09.1.10)
      • 美香ちぃは、ケガで休養中の身なのにあせって無理してダウンとか、ゲームの世界のようなベタな展開を演じてしまうところが、もはや心配のピークを通り越して可笑しいくらいに感じられて、逆に少し気が楽になった。(09.3.28)
      • 美香ちぃを目の前にしたら涙を止められないかもしれないと思ったが、この前会ったときと変わらない、すらりとした立ち姿と吸い込まれそうな瞳を見ると、感傷的な気分は吹き飛んだ。むしろ、少し離れたレーンにいた、なるるの最後の退場シーンにうるっと来た。過酷な運命に打たれ続けている人のイメージとは隔絶した可憐さを保っていた美香ちぃだが、体調面のことでは強気な話は聞かれなかったので、復帰まではまだ越えなければならない山がありそうだ。(09.7.11)
      • AKBメンバーとしての美香ちぃ以前に、ひとりの佐伯美香という女の子のことを考えれば、この決断を尊重するより他にない。(09.8.1)
      • 美香ちぃの卒業式は、本人のあいさつから「てもでもの涙」が始まり、間奏でBメンが一人ずつ美香ちぃに花を手渡すという演出だった。曲がショートバージョンだったのが何とも残念。「支え」はフルだったのに。これまで、チームBの中での美香ちぃのポジションに確信を持てないところがあったが、Bメンがみんな涙を流しているのを見て、救われたような気持ちにもなった。何だかんだ理屈をつけてみても、やっぱり道半ばでの卒業というものは悲しい。己にとっては、区切りがついてスッキリするというものではなかった。(09.8.23)