~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加石田晴香岩佐美咲梅田彩佳大堀恵奥真奈美片山陽加倉持明日香小林香菜佐藤夏希近野莉菜仁藤萌乃野呂佳代前田亜美増田有華松原夏海
2週連続での日曜K公演。
メンバーが脚本・演出を担当することになった冒頭の寸劇の今日の担当はノンティ。B4ではメンバー主導の一発芸コーナーをつぶしておいて、K5では秋P主導の破綻し切った寸劇を続けるのは矛盾だった。メンバーの可能性を引き出す意味でも、もっと早くからこういう方向転換はなされるべきだった。しかし、ノンティが陳腐なおばさんネタを使ってきたのにはがっかりした。確実に笑いはとれるかもしれないが、これでは今までと変わらない。花いちもんめで「誰も選べない!」というチームKの絆を確かめるようなラストは、メンバーならではの視点で、気持ちが温められた。
ダイエット効果が徐々に表れてきた香菜の自己紹介は、なっつみぃの冷たい視線を浴びながらの「大切なのはあなたと過ごせる時間」。客席の反応が悪く、自分で「ヒュー」という冷やかしまで入れていた。高校卒業までは素直に「国数理社」でいいような気がするけどね。鍋MCでは、手当たり次第に自宅を香菜の鍋パーティー会場に提供させられそうになったと文句を言う有華とNなっちにぶち切れ、その勢いでノンティに「ちゃんこ鍋!」と暴言を吐く始末。MCでの香菜の無茶な暴走ぶりが見られたのも、K3では毎回のようだったが、K5では初めてと言ってもいい。その間、鍋パーティー主催者のひとりであるはずのなっつみぃが一言もしゃべらずに部外者になり切っていたのがおもしろかった。
K2えれぴょんヘアーのはるきゃんは一貫して心底楽しそうな笑顔で、キラキラパワー全開モード。デビューから2年近くになるのに、当時よりもむしろ幼くなっているようにすら見える。3次元では女の子推しということで、鍋MCで「おなべ」とめーたんから指さされるはるきゃん。めーたんが「豆乳鍋は卵巣にいい」と言うのを聞いて、すかさず両の下腹部をまさぐるはるきゃん・・・やばいわー。
鍋MC前半戦は、代役メンが多く、ノンティとまーちゃんの2人と、その他とで別の世界が形成されていた。「街角のパーティ」後MCの見所といえば、まーちゃんに対するノンティの耳打ち腹話術だが、佐江かともーみがいないとなかなかいい形で拾ってもらえない。
ひと月ちょっとぶりのK公演への代役出演でも曇りのない笑顔を見せていた萌乃たんは白菜鍋が好きということで、白菜を買って帰宅。豆乳は入れなかったが、メンバーオススメの豆腐と内臓とキムチは入れてみた。萌乃たんは、めーたんから「天性の色気」を持っていると評されていた。色気という点ではまだ発展途上という感じの萌乃たんだが、「愛の色」では、憂いを秘めた表情が曲の雰囲気や衣装とぴったり合う。この曲に限って言えば、佐江よりもはまり役だ。
ともーみ代役のあーみんのルックス面での貫禄は、300人を相手にする劇場のキャパシティからはみ出していて、この段階で選抜に入れられていないのが不思議なレベルだ。大手事務所への移籍がすみれたんの方が先というのは意外だったが、近いうちには間違いなく彼女の移籍もあるだろうし、AKBの既存の序列のドラスティックな破壊という、きたりえをはじめとする並居る先輩研究生たちが実現させることができなかった光景も、彼女のポテンシャルをもってすれば、もしかしたら見られるかもしれない。
K5のセットリストは、いまいち摑みどころを見定められないまま、ここまで来てしまった。極端に評価が低い曲はない一方で、これはという曲もない。全体として平板な印象で、テンションも低位安定で増幅を感じることができない。アンコールに「RIVER」が入れば違うのだが、例によって発売からひと月でステージから姿を消してしまった。選抜メンの全国行脚が続いているくらいだから、ひと月にこだわらなくてもいいし、できることならK5の一員として迎えてあげてほしかった。固定選抜メンが長期間にわたって週末を握手会に拘束される今のやり方も、このあたりで変えてほしいものだ。