~熱風の果て~

観劇の記録

AKB48(チームK)

【出演】秋元才加石田晴香岩佐美咲梅田彩佳大堀恵奥真奈美片山陽加倉持明日香小林香菜佐藤夏希野呂佳代前田亜美増田有華松原夏海
1か月半ぶりとなる休日のチームK公演。K4以降、土日のチームK公演は一貫して少ない。K5の優子たむに限って言えば、土日祝日では抽選対象外で1回見ただけだ。
チーム再編は更にずれ込むことが不可避な状況で、チームKのクライマックスに向けて感傷的な気分を盛り上げるのにも疲れてきた。チームKの延命自体は悪いことではないが、研究生の昇格までなし崩し的に延ばされているということも忘れてはいけない。
寸劇は年長メン2人を使ってのSDNハブられネタ。このパターン、いい加減飽きた。誰かが書いた台詞を言わされ、誰かが負うべき責任をうやむやにさせるK5の寸劇というのは全く余計なものでしかない。当初は、メンバーの可能性を引き出す新たな試みが始まったと期待したが、遊び上手を自認して真面目になることができない秋Pの限界がもろに出てしまった。
TXの深夜ドラマに主要メンバーが軒並み引っ張られることには価値を見出すことができない。今、主要メンバーに必要なのは、AKBのブランド力と秋Pの人脈に守られた中で主役として時代にもてはやされるより、アウェイな環境で勝負することだ。AKBという母船は建て増しを続けながら何かに引っ張られるように外洋へと曳航されていっているが、自らの針路が定まったとき、母船が難破したときに自力で漕ぎ出す力は、アウェイで揉まれなければ身につかない。
そもそも、マスメディアとの依存関係でがんじがらめになっている今のAKBが主体的に新たな歴史を創り上げることは至難の業だ。劇場ステージと劇場の板に登っているメンバーの姿だけは真実だと思っても、劇場から歴史が生まれるということは、どんどん少なくなっている。「皆さんもご一緒に」によるとAKBは「ストレス解消」するための場所らしいし、「B Stars」の歌詞の教えを守って「ずっとここを動かず信じてい」たらクビになりました、では目も当てられない。人情を無視して追い求める立派なものでもあるのだろうが、そんなバックストーリーが演じられていては、いくらステージのパフォーマンスが上がっても、多くのメディアに取り上げられても、そこにシンパシーを感じることはできない。己が2009年のAKBでワクワクできたのは、歌劇団だけだった。
今日のK公演は、14人公演。佐江ポジは、萌乃たんも高城さんも不在だった。同じような序列のメンバーを同じポジションにもってきたのは失敗。優子ポジもちかりな不在で空白となっていた。それでも、チームとしてのパフォーマンスは安定して高く、充実していた。ここ最近気合が入りすぎていためーたんは艶やかな笑みを見せていたし、香菜も曲中にいたずらっぽく何かを企むような笑いが随所に見えていた。
ちかりなポジには、インフルエンザから復活したトサカヘアーのわさみん。歌劇団以来、ずっと劇場で会いたいと思いながらもなかなか機会はめぐって来ず、この前の日曜公演以来のK公演への登場となった。夜公演とちがってアンコールの時間を気にする必要がないのもいい。わさみんの出現条件が優子たむ休演、というのは複雑なところだ。さすがに最後の方は体力的にきつそうだったが、気力に満ちた踊りと口を目一杯に開けた歌唱は見ていて気持ちいい。
オーストラリアから帰って前髪を短くしたなっつみぃは、チームK解散までにPARTY公演を再演してみたいらしい。どうしても毒リンゴがやりたいとか。PARTY公演で、15歳のなっつみぃに次第に惹かれていったことを思い出した。K1の再演を見れば、もしかしたらあの頃の昂奮を久しぶりに体感できるかもしれない。香菜とスカひらをやりたいという梅ちゃんやノンティによると、当時は大きく踊ることでメンバー同士競い合うようなところがあったらしい。がむしゃらにやればいいというものではないにせよ、それは、完成された今のチームKが失ったもののひとつだろう。
えれぴょん代役のはーちゃんは、これまでチームK公演で見られていた硬さが取れて、実力どおりのパフォーマンスを披露して、目立っていた。余りにも昭和キャラ一辺倒なのもどうかとは思うが、Kメンにも次第にキャラクターが浸透してきているようだった。